「親密に寄り添い合うような温かくも優しい映像質感」ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
親密に寄り添い合うような温かくも優しい映像質感
『コロンバス』『アフター・ヤン』のコゴナダ監督らしい柔らかな映像の質感に包まれたファンタジー。全編どこを切り取っても美しく、優しい雰囲気に引き込まれる。カーナビが『アフター・ヤン』のAIの如き存在に思えるのも微笑ましい。一方、コゴナダ作品では建築物が登場人物のように映し出されるのが特徴的だが、本作では「どこでもドア」のように建築物の扉だけが象徴的に出現し、それをくぐり抜けることで各々の人生の転機へといざなわれる。すなわち扉以外の構造を補完するかのように「記憶の旅」が織り成されていくという仕組みだ。アイディアは良いし、俳優陣は魅力的だし、久石譲の音楽も的確。かくも一つ一つの要素は我々を惹きつけてやまないものの、いざ作品として統合する上で巧くいっていないのが勿体ない。バラバラのままメリハリなく旅路が続いてしまっている印象。何か一つ歯車がピタリと噛み合えば無二なる秀作に仕上がった気がするのだが。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
