劇場公開日 2025年12月5日

「「惚れてまうやろ」レベルの魅力的すぎるファトマの笑顔」手に魂を込め、歩いてみれば onemuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 「惚れてまうやろ」レベルの魅力的すぎるファトマの笑顔

2025年12月6日
PCから投稿

24、5歳でフォトジャーナリストというのはちょっと無理があるけれども、ファトマの笑顔がとにかく魅力的すぎて印象的。不謹慎ながら「惚れてまうやろ」レベルの素敵な笑顔です。

すぐ外では爆弾が落とされていたりしている戦火のなかで、なんでそんな笑顔なの?! そのコントラストが異常。イスラエルの攻撃で家族や友人を殺され、深刻な飢餓状態でも夢を語りなお笑顔を絶やさないファトマ。映画のチラシでこのあとファトマが亡くなることがわかっているだけに心が痛くなる。

一方、監督のセピデは猫が部屋に入れないから待っててとかどうでもいいことで通話を中断したり、いまカナダやイタリアにいるだの、理不尽に自由を奪われたファトマと対照的に自由すぎて腹が立つ。同時に、映画館でそれを鑑賞しているもっと自由な自分自身にも腹が立った。平和な日常を当たり前だと思っている自分。それに比べ、彼女には毎日ご飯を食べることも外出する自由もない。明日を生きることすら。。。 なんなんだこの差は?!

観終わると戦争をする権力者への怒り、憤りがMAXになる映画。映画館からの帰りはずっとモヤモヤ、イライラしました。それでもぜひ多くの人に観てほしい。

onemu