「夕方に観てまだ映画に憑依されているような状態で感想が全然まとまりま...」手に魂を込め、歩いてみれば Mejiroさんの映画レビュー(感想・評価)
夕方に観てまだ映画に憑依されているような状態で感想が全然まとまりま...
夕方に観てまだ映画に憑依されているような状態で感想が全然まとまりませんが、とにかく一人でも多くの人に観に行っていただきたい気持ちを書いておきます。
監督のセピデは、18歳でイランを出て今はパリに暮らして、モントリオールやイタリアなど世界中を飛び回る映画監督。
通話相手のファトマは、生まれてから24年間ガザから出たことがない。彼女が小さい頃からガザはずっと占領されていて、2023年10月から爆撃がずっと続いている。
一体どんな声をかければいいのか、という状況だけれど、2人はすぐに意気投合して、セピデはたくさんの質問を投げかけ、ファトマは時に、誰にも言えなかったであろう本音を画面越しに打ち明ける。
印象に残ったシーンはたくさんある、というかファトマの映る全てのシーンが印象に残っているけれど、特に胸を締め付けられたのは、2人が「部屋」の話題になった時、セピデがヴァージニア・ウルフのエッセイ「自分ひとりの部屋」を持ち出した瞬間だ。ガザの大半の家が爆撃で破壊されていて、毎日死の危険に晒されていて、飢えていて、本人の話だと鬱の状態にあって、そんな時に... と観ていて戸惑ったのですが、ファトマは「読んでみる」と笑顔で言っていた。
劇中で紹介されるファトマの詩が本当に素晴らしい。パンフレットでも紹介されていたけれどできれば全文を掲載して欲しかった。(全文はどこかで読めるのでしょうか?)
何もできなくて申し訳なく思う、と言うセピデに、私たちの話をしてくれてるじゃない、それで十分だ、とファトマは言ってくれた。ガザをめぐる映画を何本か見たが、あんな狭い場所にずっと閉じ込められ攻撃され続けているガザの人たちにとって、「外」の世界とつながること自体がものすごく大事だということだ。
ファトマはもうこの世にいないけど、彼女の映画が日本で公開されて、願わくば1人でも多くの人が観に行くこともガザと繋がることだ。
だから全然感想がまとまらないけど、少しでも注目度が上がればと思って取り急ぎ書かせてもらいました。1日でも早くファトマに会いに行ってください。 追記:「オリーブジャーナル」をご存知ない方がいらしたら、ぜひ検索してみてください。日本からできることをまとめてある、パレスチナ関連アクションが日々更新されているすごいサイトです!
