「悲しい現実」プラハの春 不屈のラジオ報道 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
悲しい現実
1968年の出来事だからピンとこないのも無理はない。当時は、そんな時代だった、世界が大きく二分され互いに牽制し合う。共産主義社会と資本主義社会、解りやすいと言えば不謹慎だけど、その中でも完全に二分ではなかった、やがて共産圏の崩壊を予期させる事件。
共産圏という強固な存在
『プラハの春』の舞台となった1968年は、まだ存在していた。
世界は、民主主義国家の西側と共産主義国家の東側に大きく別れていたし。
互いに牽制しあい、軍備拡張競争のまっただなか。
西側の大将はアメリカ、東側はソ連いまのロシア。
西側ヨーロッパの国々はNATOという軍事組織を形成し。
東側は、ワルシャワ条約機構という軍事組織。
当然チェコは、ワルシャワ条約機構の構成員で共産圏の一員だった。
そんなチェコで自由を求める流れや運動が高まったのをソ連が、許すはずもなく。
ワルシャワ条約機構を脱退するなんてもってのほか、と考えたんでしょうね。
ヨーロッパの共産国も力あったし、ハンガリー、ルーマニア、なんと言っても東ドイツ。
映画は、残酷な場面を極力減らしラジオ局員の闘志を全面に出していて、好感が持てます。
あと、死者数も公式には137名と軍事侵攻である以上もっと悲惨なことにもなり得ただろうと。
死者の数で、多い少ないというのはとても不謹慎なことだとは思うのですが。
当時のチェコ政権の判断が、結果的に少なく済んだ要因にも思え。
「ベラ・チャフラフスカ」オリンピックの名花
プラハの春と同じ年に開かれた、1968年のメキシコオリンピック
女子体操競技で金メダル4個、銀メダル4個を獲得した選手。
テレビで観戦していた私は、あまりの強さに。
しかし、彼女はソ連選手に対するジェスチャーで、批判を浴びる。
彼女の名誉が回復するのは「ビロード革命」1989年まで待たなくてはならなかった。
そう、共産主義圏が崩れるまで、二十年もかかったのです。
題名と合わせ考えると、春を迎えるのになんと時間のかかったことかと。
映画をみていると、そんな過去を思い出せずにはいられない。
映画は、その出発点を描いているに過ぎないんだけど。
そんな戦いの序曲をラジを局員に込めているところが秀逸。
映画を見ているとついウクライナ紛争を連想してしまう。
もうすでに犠牲者は、10万人を超えている。
悲しい現実。
