劇場公開日 2025年12月12日

「ややわかりづらいが意義深い」プラハの春 不屈のラジオ報道 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ややわかりづらいが意義深い

2025年12月24日
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鑑賞方法:映画館

「プラハの春」とその後のソ連侵攻については、文字で知ってはいた。東西冷戦が激しい中、民主的な改革を行ったチェコスロヴァキアは、ソ連とって資本主義化する動きに見えたのだろう。だからといって軍隊を派遣してチェコスロヴァキアの領土に侵攻していい理由にはならない。
ドゥプチェクが行った自由化はあくまで社会主義下での民主化。それでも検閲が横行する全体主義的な政治から比べると「春」と表現されるのも理解できる。本作は、新聞やラジオがメインのメディアだった時代に、真実を伝えようとするラジオ局員たちを描いた映画。
共産党から発表される事柄のみを報道するのではなく、事実を調査・確認しリスナーに伝えようとするその姿は、マスコミの本来あるべき形だ。情報統制は、日本でも戦時中に似たようなことが行われていた。政府に都合がよくないことは報道させない。現代の世界各国でも大なり小なり行われていることだ。だからこそ本作の意義はある。
やはり町中に戦車が乗り込んでくるシーンには驚いてしまう。あの違和感ったらない。ワルシャワ条約機構軍に抵抗する市民が殺されていくシーンはあまりなかったが、相当数が殺されたようだ。チェコ国民がこの事件を忘れないようにしたい気持ちは理解できる。
こんなシリアスな映画でも、牧歌的なシーンがあったりするのが面白い。情報統制されている中でも当時流行していたポップソングをかけて皆で歌ったりするシーンがある。当時のポップソングってこんな聴かれ方もしていたんだな。音楽の果たす役割は大きい。
自分に置き換えたときにどんな行動がとれるだろうかと考える映画ではあるが、トマーシュとパーヤの兄弟の話で考えるとちょっとわかりづらいところもあったりするのは不満が残る。最後の弟の行動にどんな意味があったのか、観ている者が想像しなくてはならないようだ。涙が止まらなくなったり、胸が熱くなるようなシーンがあまりなかったのも映画的にどうかなとも思ったりする。まぁ、この映画はそれでも意義深いからいいのか。

kenshuchu
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