劇場公開日 2025年12月12日

「映画「存在の耐えられない軽さ」を思い出した。」プラハの春 不屈のラジオ報道 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 映画「存在の耐えられない軽さ」を思い出した。

2025年12月18日
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鑑賞方法:映画館

1968年の「プラハの春」とその後のソ連によるチェコへの軍事侵攻を背景に、ラジオ報道にかかわるチェコの人々がいかに勇気をもってふるまったのか描いた感動作。
中心になっていたのはトマーシュとパーヤの兄弟。トマーシュは、国営ラジオ局の国際報道部に勤めるうち真実を報道することの重要さに目覚めるが、ただ一人の肉親である弟のパーヤを守る必要性に迫られ、心と現実の存在が引き裂かれる。パーヤには軽い発達障害があるように思われた。この映画を観ながら、戦時中の日本人のことに思い至った。個々の日本人は心から平和を愛しているが、親族が戦地に送られると、彼らの無事の帰還を待ちわびながら、個人の思いと社会が解離したに違いない。「もずが枯れ木で」や「里の秋」が想い出される。
それにしても、ソ連は1955年のハンガリー動乱に引き続くチェコ侵攻の時にも、ファシストとの戦いを標榜した。第二次世界大戦でいくら莫大な犠牲を払ったとは言え、そのスローガンがプーチンのウクライナ侵攻にも引き継がれるなんて。いくらソ連とロシアは違うと言われても。
68年の時にはアメリカが希望の星であったことが、途中、「ビー・マイ・ベイビー」や「デイ・ドリーム・ビリーバー」が出てくることで判る。映画「存在の耐えられない軽さ(88年)」の時にも、公開翌年にはビロード革命がおきるなど、EUに向けて明るい兆しがあった。今日の世界は、一体どういう方向に向かうのだろうか。この映画は、勇気を持って立ち向かうことの重要さを教えているような気がしてならない。

詠み人知らず
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