「戦車と武装兵士が民間人に向かってくる恐怖」プラハの春 不屈のラジオ報道 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
戦車と武装兵士が民間人に向かってくる恐怖
冒頭からサウンド・デザインの良さに感動。
国境を越えてモスクワからハンガリーから東独からプラハの街に戦車が入ってくる。丸腰のたくさんの市民が戦車を囲んで阻止しようとする。ビラを運搬していた学生達含めて民間人が殺される。「プラハの春」がどのように封じ込められたのか、ドキュメンタリー映像も含めてこの映画ではじめて知った。
ラジオが大事で信用される情報源であった時代。ラジオが市民を励ましていた。ラジオ局の人間の連携とメッセージ、雑音混じりだったり全く聞こえなくても、家で教会でラジオに心と目と耳を傾ける人たち。ダイヤル電話はスマホに、ラジオやテレビはネットニュースにとって代わり、人を殺戮する兵器はもっと高性能になって残虐になっている。素手で兵士や戦車を止めることなどもはや不可能。そんな今、穏やかな地中海の近辺で平然とジェノサイドが行われていることに愕然とする。歴史から人間は何も学ばない。
トマーシュは、弟だけを見ていた「兄」から、弟が見つめる現実と未来を見る「仲間」になった。ラストシーンがとてもよかった。
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