「タイトルなし」ダンサー・イン・ザ・ダーク kazuyuki chataniさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
すごく悪い言い方をすると、映画を成立させるために、日常生活でほぼ見かけないレベルに頭の悪い人間たちをメインにした作品。なぜ他人の申し出を全て断って自ら最悪の状況へと2足飛ばしで突き進むのかさっぱりわからない。言及していないだけで知的障害者の設定なのだろうか。まあ音を聞いただけで妄想の世界に入り浸ってしまう事から察しなければならなかったのかもしれないが、だとするとド頭にミュージカルブロックが欲しかった。わかんないよ…。
見ていてずっと苛立ってしまうが、それはラストが悲劇的結末だからとか、ビョークが落ちていく様がとか、そういう問題ではない。感情移入できない人間(社会生活が成り立たない人)を出さなければ物語が進まないと言うなら、それは映画が成立していないということなのだと思う。物語のムード?演出?を変えれば何とかなったのかもしれない。落語とか北野武とかは成功してるから。
トリアー独自の撮影基準によるドキュメンタリーの様な画作りや、もちろんビョーク自体は素晴らしく思えた。
傑作特有の言語化しがたい迫力は存分に感じられた。パルムドールを取るのは当然。
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