「主人公に恋をしてしまった映画。なのに…そんなぁ!(号泣ッ!)珍しく真面目で簡潔なレビュー。」ダンサー・イン・ザ・ダーク 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公に恋をしてしまった映画。なのに…そんなぁ!(号泣ッ!)珍しく真面目で簡潔なレビュー。
この映画ね、かつてないほどに主人公に思い入れしちゃった作品なんですよ。
ミュージカルは完全に守備範囲外なのに。
私、どうやら幸薄い容姿の女性に滅法弱いようで。
どこからどう見ても、生活に疲れ切った感満載だったじゃないですか。主人公・セルマって。
なんで、もっと上手く立ち回れんかったかなぁ…って、観ていてかなりキツかったです。
陽気極まりないミュージカルシーンと、どこまで行っても救いがない現実のギャップが本当につらかったの。
できることなら、PCモニタに飛び込んで行って助けに行ってあげたいとさえ思ったの。行けたところで、何かしてあげられる甲斐性なんて私にはないんですが。
そう、本作は劇場では観ていなかったんですよね。
“鬱系映画ベスト10”みたいな記事をネットで読んで。そこで初めて知ってDVD買って観た次第です。フライヤーもパンフレットも業者さん経由で買ったのね。
観ていて不覚にもセルマに恋しちゃったんですね。本気で「守ってあげたい!救ってあげたい!」って思ったの。
ちなみに、私的鬱映画No.1って『核戦争後の未来・スレッズ』なんですけれどね。
本作のラストって大いに賛否が分かれるって思うのですが。
私は、全く救いのない、最悪の結末って思ったんですよ。
最愛の我が子のためとは言え、汚名を着せられたまま残酷この上ない逝かされ方をするなんて、あんまりじゃないですかッ!
監督ッ!てめーは血も涙もないんかい!
甲斐性なしとは言え、私が隣人だったら、せめてほんの少しでも、心の安らぎを与えてあげられたかもなのに…
って、観終えてから涙流した記憶があります。スクリーンで観ていれば、どうなったことやら。
鬱系というよりも、愛おしいが故に、とことん悲しいお話でした。
と、思い出しての簡潔なレビューです。今回、やけに真面目。
記念すべき200本目は、おちゃらけなしで真面目に書こうと思ったです。
そういう清い心も持っているんですよ、私だって。←コレが余計。
きりんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうなんですよね、ラストの刑場でのやるせなく重すぎるシーンって
まさに「刑罰を受けているのはこちら側のような」臨場感があって、怖さ以上に、とても胸を締め付けられてしまいました。
talismanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうなんですよね、この作品面白半分で「鬱系映画」を期待して観るべき作品じゃないんですよね。
〉モニターに飛び込んで助けたかった
という焦りの想い。無力感。ああ、すごいわかります。
セルマをどうにもできなかった自分の不甲斐なさを見せつけられる、ラストの刑場での、友人たちや支援者ら みんなの様子でした。
まるで刑罰を受けているのはこちら側のような。
この映画は鬱系(というと個人的で私的な感じがします)とは思いませんでした。こんな不条理で許されないことが世の中にあるのかー!という怒りを私は覚えました。そんな話なのに歌とダンスのミュージカルというのが、辛いけど生きてる人は生きよう!を伝えてるのかなと思いました