劇場公開日 2024年11月8日

「ゲイでなくとも興奮」クルージング wyethさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ゲイでなくとも興奮

2024年11月17日
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鑑賞方法:映画館

最初の方から、なんとなくデヴィッド・フィンチャーぽいなと思っていたら、鑑賞後に読んだ解説で影響関係が指摘されていて、やっぱり!となった。あの陰鬱な雰囲気はこの時代の作品から来ていたのか。

統計上ニューヨークでもっとも犯罪発生率が高まる1981年の前年の映画。エイズが世に出る前のアンダーグラウンドなゲイカルチャーが、かなり生々しく描かれており、時代の雰囲気を感じる。

とにかく撮影がかっこいい。冒頭の船の上に立ち尽くす警官の姿、アル・パチーノが上司と歩きながら密談する電車の駅の景色、真犯人とおぼしき男のアパートと向かいの公園の高低差、夜のベンチを照らす街灯。全部きまっている。

映像のキレの良さに乗せられて、ストーリー自体はけっこうサイコスリラーっぽいのに、不健康な感じが全くしない。これもこの時代ならではなのか、フリードキンの腕なのか。とにかく素直に興奮して楽しめる映画だった。

wyeth