はだしのゲンはまだ怒っている

劇場公開日:2025年11月15日

はだしのゲンはまだ怒っている

解説・あらすじ

漫画家・中沢啓治が自身の被爆体験をもとに描き、反戦・反核を訴える漫画として読み継がれてきた「はだしのゲン」を題材に取り上げたドキュメンタリー。

原爆で被爆した主人公の少年ゲンが、家族を失い、貧困や偏見に苦しみながらも力強く抜く姿を描いた「はだしのゲン」。「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった1973年から半世紀、25カ国で翻訳出版され世界中で読まれ続けてきたが、近年は「描写が過激」「間違った歴史認識を植え付ける」と学校図書館での閲覧制限を求める声が上がったり、広島市の平和教材から消えたりするなど、大きな議論を呼んでいる。

「はだしのゲン」が人々をここまで熱くさせるのはなぜなのか。本作では、作品誕生から現在を見つめることで、世界に溢れる怒りや悲しみ、優しさを映し出していく。2024年9月放送のBS12スペシャル「『はだしのゲン』の熱伝導 原爆漫画を伝える人々」を映画化したもので、監督は数々のドキュメンタリー番組を手がけ、本作が映画初監督となった込山正徳。「香川1区」「国葬の日」の大島新、「NO 選挙,NO LIFE」の前田亜紀が共同プロデューサーとして参加。

2025年製作/90分/G/日本
配給:アギィ
劇場公開日:2025年11月15日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
込山正徳
企画
込山正徳
プロデューサー
高橋良美
木村利香
共同プロデューサー
大島新
前田亜紀
編集
込山正徳
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映画レビュー

4.0 ゲンの怒りは増すばかりだ

2025年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

漫画「はだしのゲン」は、広島への原爆投下を軸に戦争の現実を真正面から描いた作品だ。歴史の事実を伝えると共に、過酷な状況の中で力強く生きるゲンの姿は、読者に希望を与え続けてきた。
平和教材や図書館からゲンを排除しようとする動きが出てきた時は唖然としたものだ。
本作ではその理由がよくわかる。
「美しい国」に相応しくない真実を告発し続けるゲン。それを目障りだと考える人々がいくら排除しようとしても、ゲンは決して負けない。
昨今の社会状況に、ゲンの怒りは増すばかりだろう。

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Kei

5.0 原爆を使えばどうなるか、静かに訴える作品

2025年12月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

映画は、長年平和教育に使われてきた漫画「はだしのゲン」が、近年その一部の内容が「教育に良くない」として排除されてしまった事実と向き合う込山監督が、今起こっていることをさまざまな意見の人を訪ね掘り下げています。

舞台挨拶で監督込山正徳さんと、音楽監督茂野雅道さんのお話を伺いました。
「怒りがこの映画制作の原動力」と語る込山監督。けれど全編にわたって、淡々と静かなストーリー展開です。
登場する方々のお話も、長い時間が経ち様々なことをくぐってきたからこその今、と感じます。静かであるが故に、ものすごく心に響きました。
原爆の恐怖ではなく、ただひたすらに事実を伝える素晴らしい作品でした。
込山監督の語りもすごく良かったです。

静かに静かに染み渡るように心の中にストーリーが入ってくる大きな役目を果たしたのは音楽。
「怒り」がテーマのこの映画の音楽に、静かな流れを作った茂野さん。被爆者の証言を聞いていて、そのような流れになったとのこと。幾つかのエピソードには、込山監督は何度見ても泣いてしまう、とのこと…

優しい監督とそれを支える朋友の作り上げた作品、たくさんの人に見てもらいたいです。

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みる

未評価 この漫画が何故いま排除されるのか

2025年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「はだしのゲン」と言えば、1973年の少年ジャンプでの連載開始以来、広島での原爆被害を真正面から描いた漫画として長く読み継がれ、公共の図書館や学校にまで広く行き渡りました。ところが、近年では広島ですら本書の排除が進み始めている事がニュースになりました。

 本作は、この漫画が如何にして生れ、それが様々な人の手によってどの様に後世に伝えられようとしているのかを描いたドキュメンタリーです。原爆の記憶は風化し始め、「はだしのゲン」が排除される現実への苛立ちが溢れています。

 でも、僕が本当に知りたいのは、近年なぜ本書が公の場から除かれようとしているのかの社会的背景です。作中には、本書に批判的な元産経新聞記者が登場し、

 「あの戦争はアメリカに無理矢理引きずり込まれたのであり、やむを得なかったのだ」

と、お馴染みの陰謀史観を披露します。こんな人がいつも一定数いるだろう事は想像できるのですが、そんな言辞に学校や図書館がなぜ振り回されるのかを見つめねば、戦争へと転がり落ちる坂道の車を止める事はできないのではないでしょうか。僕は、そこをもっと深く分析して欲しかったです。

 ところで、この映画を観ると、久しぶりに「はだしのゲン」を読み返してみたくなりました。僕の住む市の図書館には幸い、「はだしのゲン」全10巻・2セットが書架にありました。秋の夜長にゆっくり読もう~っと。

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La Strada

4.0 ゲンよ、もっと怒れ

2025年12月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

 「はだしのゲン」といえば、アラカンにとって小学生時代に教室に単行本が置いてあったり、実写版映画を小学校みんなで見たり、ごく身近にあって原爆を追体験として感じれたもの。ところが最近は、図書館にいちゃもんをつける人とかいる影響とかで、だんだん姿を消していると聞き残念に思っていた。
 「はだしのゲン」は、中沢啓治さんの自伝的作品で訴えてるメッセージも、強烈だ。被爆者でないと、あそこまで描けない、というところまで描いている(作者本人からすれば、もっと地獄のような場面をたくさん見たが、少年誌連載ということでまだまだオブラートに包んでいるだろうが)。戦争反対とあの時代に逮捕を恐れずに言い切っていたお父さんが、生きたまま弟や姉さんと一緒に原爆が落ちて次いで起こった火事で家に潰され焼かれていくところとか、お母さんの生活を支えるためにゲンが浪曲を魂を込めて歌って周りに感動を与えるところとか、ヤクザがどうやってできてきたかとか、思いっきり「天皇は責任を取るべき」と訴えているとか、現在のような”忖度”の時代では言いずらいことまで描いている。
 そんな、私にとっては”バイブル”と言っていいほどの、「はだしのゲン」が、日本では消されようとしている。これは黙っちゃおれない、ということで、この映像だ。

 ゲンの怒りは、ただゲンが日本から消えようとしていることだけじゃない。世界では今もたくさんの命が奪われ、核兵器も現実味を帯びてきている。世界のためにもっとゲンに活躍してもらう時だ。

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にっく