「ピンクの煙も観たかった‼️」天国と地獄 Highest 2 Lowest 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
ピンクの煙も観たかった‼️
リメイクを作るのであれば、必ずオリジナルを超えるつもりで作らなければならないと思います‼️今作は黒澤明監督の名作「天国と地獄」をスパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演でリメイクした作品‼️有名音楽プロデューサーのキングは、レコード会社の買収という人生の一大事業の渦中で、息子を誘拐されるという事件に巻き込まれる。しかし、実は誘拐されたのは息子と同い年のお抱え運転手の息子だった・・・‼️結論から言うと一つ目‼️誘拐事件を描いたサスペンス・アクションとしては良く出来てる‼️デンゼルも熱演だし、スパイク・リーの演出も、現代ニューヨークを象徴するR&Bやヒップホップなどの音楽を全編に散りばめたテンポの良い演出で、飽きることなく魅せてくれる快作だと思います‼️それではリメイクとしてはどうか⁉️残念ながらオリジナルには遠く及ばぬ出来栄えでした‼️オリジナルは、前半の権藤邸を舞台にした密室劇、中盤の特急第二こだまでの身代金受け渡し、後半の警察の緻密な捜査描写の三段構造が素晴らしかったのですが、今作は特別そういう構造ではなかった‼️まぁ、それはいいとして、オリジナルと同テーマである他人の子供の命を助けるために全財産を投げ出せるか、に関してはオリジナルの三船さんの凄まじい苦悩に比べると、今作はアッサリしすぎで、そこまでの深みはナシ‼️加えて、運転手の「デンゼル、金出してよ」みたいな態度もちょっと違うと思うし、最初は運転手が黒幕なんじゃないかと思ってしまった‼️捜査描写にしても、GPSの仕込みも甘いし、人質がいるにもかかわらずサイレン鳴らしながら犯人を追ったりして、もうちょっとリアリティが欲しい‼️身代金受け渡しのシーンもオリジナルの衝撃には及ばず‼️オリジナルの貧富の差をあぶり出したような主人公と犯人の悪魔的なドラマに比べると、今作の犯人の動機もミョーにガキっぽく感じてしまう‼️今作も「天国と地獄」のリメイクという冠がなかったら良かったんでしょうけど・・・‼️世界の映画人の皆さん、オリジナルを超える事は到底不可能なんですから、安易に黒澤映画のリメイクには手を出さないようにしましょう‼️