「ウルズハントの思い出が大画面で蘇る!」特別編集版 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント 小さな挑戦者の軌跡 さかゆうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 ウルズハントの思い出が大画面で蘇る!

2025年11月1日
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鑑賞方法:映画館

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ウルズハントのシナリオの良いところは「王道もの」を地で行くとこだと思っていて、週刊連載の少年漫画的なベタだけど熱い物語が好きでした。それをかなり丁寧にやってくれていたんですよね。要所で挟まるアニメはゲームにありがちな一枚絵ばかりのものではなく、ちゃんとTVアニメ水準の高品質なもの。鉄血のオルフェンズGは更新されるたびワクワクさせてくれました。

そんなゲームシナリオのアニメ化?映画化?ということで、普通にテキストパートのシナリオはどうなるんだと思ったら全飛ばし(笑)テキストパートのシナリオ、全部飛ばせないレベルで気に入っていたので残念…と思っていましたが意外と日常シーンもアニメになっていたんだなあと思いました。コルナルの回想という形なので逐一最低限の状況説明は入るし、ちゃんと見てれば「あぁ敵対してたけどあとから助けてやったから仲間になったんだな」とか「あぁこの指定ポイントにはガンダムが隠されてたんだな」とか、「壊れたモビルスーツを修繕したのがこの決めポーズの新たな姿なんだな」とか…なんとなく展開の見当は付くんじゃないかなと思いました。

中盤以降はさすがにナレーションで繋ぐには飛びすぎなシーンがあり、ちょっとだけ集中力は削がれましたが映像の迫力があったのでなんとか。ただ敵討ちに燃えるレンジーの語りのシーンは今回はカットして良かったですね。普通にあそこだけフルで流すとそれまでの軽快なテンポがダレてしまいました。それよりはカチュアがウィスタリオに惹かれるきっかけになった、ロンドに啖呵を切るシーンを観たかったです。というか今回のメインはウィスタリオとカチュアなのだからそっちを優先すべきでしたし、ロンドのブチギレ理由が描写されてないことになるんですよね。そこだけ惜しいなぁ。
あと最終決戦で先の展開をナレーションで喋っちゃうのもいらんかったですね。

まあそんな感じで編集に若干の不満はありつつ、ゲームの素晴らしいシナリオを迫力の大画面で追体験するには最高の映画でした。音楽もTVアニメ水準の生収録音源ですから劇場で流しても遜色ないクオリティでしたし、鉄血ならではの格好良い効果音も堪能出来ます。

最後にウィスタリオの演技について。
僕は好きです。そもそも彼、まだたった13歳の子供です(※ゲーム第1話シナリオ、展望台のシーンより)。純粋で素直で、信念を持って物事を決定する芯の強さがある子供。そんな声を生駒さんは適切に表現出来ていると思います。パンフレットにて生駒さんは「舌が短く滑舌が悪い」と自己評価されていますが、「子供」を演じるには逆に良いシナジーが起こっていると感じています。

極端に言えば、彼の発する言葉はただ真っ直ぐであればいい。変に深みや背景を想起させる声色の表現の幅は必要ない。素直に夢を追い求める純粋な声こそが、ウィスタリオをウィスタリオたらしめる要素になっています。だからこそ彼は魅力的な主人公として応援したくなりますし、その夢をこの目で見届けたいと私達観客に思わせてくれます。

鉄血世界の新しいモビルスーツの活躍、個性豊かで魅力的なキャラクター達、熱くワクワクする物語を是非この機会に観て欲しいです。
スタッフの皆様方、楽しい作品を魅せて貰いました。ありがとうございました。

さかゆう
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