よみがえる声

劇場公開日:2025年8月2日

解説・あらすじ

2025年に90歳を迎える在日朝鮮人2世の映画作家・朴壽南(パク・スナム)が、娘の朴麻衣と共同監督し、歴史に埋もれた声なき者たちの物語を描き出したドキュメンタリー。

1935年3月、三重県に生まれた在日朝鮮人2世の朴壽南は、1958年に起きた小松川事件の在日朝鮮人2世の少年死刑囚・李珍宇(イ・ジヌ)との往復書簡「罪と死と愛と」で注目を集め、その後も、植民地支配による強制連行や、広島と長崎で被爆した在日朝鮮人の声を掘り起こした証言集を出版。さらにペンをカメラに持ち替え、1986年に朝鮮人被爆者のドキュメンタリー映画「もうひとつのヒロシマ」で初監督を務めた。その後も「アリランのうた オキナワからの証言」「ぬちがふぅ(命果報) 玉砕場からの証言」「沈黙 立ち上がる慰安婦」といったドキュメンタリー作品を送り出してきた。

本作は、そんな朴壽南がライフワークとしてきた朝鮮人原爆被爆者の実情と今日の課題に再び焦点を当て、約40年前から撮り続けていた16ミリフィルムを基に制作。広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人のほか、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の慰安婦にされた女性たちの声なき物語を描き出す。

2025年製作/148分/日本・韓国合作
配給:「よみがえる声」上映委員会
劇場公開日:2025年8月2日

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映画レビュー

3.5 70点ぐらい。埋もれた声

2025年12月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

在日朝鮮人の監督の作品ですが、日本を糾弾する内容ではないです。

アジアは仲良くすべきだと言います。

1番印象に残ったのは慰安婦のことかな。

その次は「君が代」について。

このドキュメンタリーを観て考えが変わった。

もう1回観たいです。

配信してほしい。

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RAIN DOG

3.5 罪なき女性の尊厳は…

2025年11月30日
iPhoneアプリから投稿

在日朝鮮人2世である映画作家・朴壽南さんは元々、記者だったが、自らの体験や想いをうまく言葉にできない人々のメッセージを伝える手段として「映像」表現を選んだという。朴さんが魂を込めて記録し続けてきた声なき声を聴けてよかった。
そして、共同監督として、この作品を世に出してくださった娘の朴麻衣さんにも感謝。

この映画で、在日朝鮮人の男子学生・李 珍宇が二人の女性を殺害した小松川事件を初めて知った。李青年が殺人事件を起こすに至った背景に朝鮮人差別問題があったとして彼の減刑を求める動きが起こることは理解できるが、被害者遺族が「日本人は朝鮮人に大きな罪をおかしてきたのだから、娘がこうなったからといって、恨む筋あいはない」というような発言をした点については、どうにも納得がいかなかった。
罪なき女性が凌辱され殺されたのだ。犠牲となった彼女に人権はないのか。せめて遺族は、被害女性の立場に立って犯人と対峙し、若くして命を絶たれた彼女らの無念を晴らし、尊厳を守り続けてあげてほしかった。

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ひげしっぽ

4.5 本当に元気が出る

2025年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

驚く

癒される

圧巻でした。ひとの経験をリスペクトする、とは、こういうことなんだ…と見せていただいた感じ。ヤン・ヨンヒ監督が「元気が出る映画」とおっしゃっていましたが、観終わって、「よし、へこたれている場合ではない!!」」と本当に元気が出ました。すごいなあ。

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にわっち

未評価 今年のベスト級ドキュメンタリー

2025年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

斬新

母が残したドキュメンタリーの整理を娘としながら、在日韓国人の虐げられた歴史を知る。

オープニング親子喧嘩からはじまるのだが、母の映画作家としての自負が凄い。あえてわかりやすくする必要なんてない。これは記録なのだからと。言葉に出来ないことをその人の表情でもって辛い歴史を伝えてた。ドキュメンタリーだけど一つの映画論としても観れるかも。

彼女の強さは朝鮮学校が政府によって潰されそうになったとき校庭へ逃げながら警察に踏みつけられて警棒で叩かれたことから、逃げていてはやられる立ち向かっていかなければと思ったそうだ。それからの彼女はヤクザが来ようが怖いものなしだった。

きっかけは小松川事件で死刑囚となったイ・チヌ(日本名金子鎮宇)で日本で差別受けて育った境遇が日本人女子高生殺しになったということで、何回も面会して彼の気持ちに共感することが多く、最終的には彼を改心させてイ・チヌとして死にたいと言わせる。その交流がベストセラーになったとか。

彼女は被害者の母にもあって話を聞いていた。それによると関東大震災の時に日本人による朝鮮人の虐殺を見ていたという。そういうことから自らの民族の歴史を探っていく。広島の原爆被害者や軍艦島の朝鮮人労働者、沖縄の虐げられた歴史、またしばしば韓国にも渡ってその生存者を探したり、北朝鮮の労連からは、殺人凶悪犯に肩入れするのは朝鮮の印象が悪くなるのでやめろと言われ除斥されたとか。そんな彼女の撮る映像はストレートで怒りや哀しみの表情を映し出す。

娘が私の中にも日本人の血が入っているというと、それは歴史とは別だというような。とにかく記録を残してカメラに収めること。そして残すことが後の人が考える切っ掛けになるというような。そこにはわかりやすくとか日本人に見やすくするという映像はない。ただ彼女のスタイルは目が悪くなり盲学校に行っても卒業式の君が代は聞かないという徹底ぶりで、意志が強い親分肌的なところがあり、それが娘との齟齬を生むのかもしれない。娘さんも朝鮮人差別に小さい頃から出会って逃げてきたという。同じ在日監督のヤン・ヨンヒとはどうだったのだろうか。両方とも頑固な性格だから合わないかもしれない。むしろ娘のほうが話が通じるかも。次第に目が見えなくなり、その声だけで当時の人々(亡くなった人ばかりだという)を思い出すという。タイトルはそういう意味も含まれていた。

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やどかり