ジュリーは沈黙したままでのレビュー・感想・評価
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この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。
@FansVoiceJP 様試写会にて
この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。
本作が長編デビューのレオナルド・ヴァン・デイル監督の才能が冴え渡る。
主役はテッサ・ヴァン・デン・プレックス。現役のテニス選手だ。なので黙々と練習シーンは見応えがありとてもリアルだ。
ジュリーと同じコーチに指導を受ける選手が自殺した。コーチは指導停止となる。テニスアカデミーは調査に乗り出し、コーチとも自殺者とも近しい所にいたジュリーも執拗な質問攻めにあう。
このシーンが辛い。ジュリーが2次被害を受けないかと心配になった。
ジュリーは何も言わないのに感情が痛いほど伝わってきます。
ジュリーは何も語ろうとせず黙々と練習に励む。
この練習シーンがまたいい。やはりここでも無言だ。無言でひたすらボールを追うジュリー。
ストレスを振り払うかのように、
集中力で雑念を追い払うかのように。
これ程無言のシーンで感情を描いた作品があっただろうか。
何かあったのか?何もなかったのか?描かれないまま映画は進む。その為シーンの度に幾通りにも受け取れるのだ。脚本が秀逸。撮り方もいい。演技も良かったです。
何を描くかではなく、何を描かないか
責められざる者
将来有望な高校生の女子テニス選手のアリーヌが自殺し、その指導員ジェレミーが休職処分に。同じく指導を受けていたジュリーは固く口を閉ざし…
ダルデンヌ兄弟が製作に加わっているだけあって劇伴もドラマチックな演出もなく、アリーヌの死の真相、ジェレミーとの関係、そしてジュリーが沈黙し続ける理由など、様々な謎が明かされずドキュメンタリータッチで進む。
ずっとテニス一辺倒だった彼女が、アリーヌの死によって1人の高校生であるという認識を強め、クラスメイト達もそんな彼女を疎外せずに楽しく共に学校生活を送っていく。明確には提示されないながらも、そうした心境の変化によりジュリーが沈黙する理由が察していけるような演出にしている。あと劇伴未使用と前述したが、あるシーンでのみ緊張感を煽るメロディを用いているのも印象強い。ジュリーは決して責められる者ではないのだ。
全編通してとにかく地味だが、秋シーズンの10月公開にじっくり観るに適しているかも。
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