劇場公開日 2025年10月3日

ジュリーは沈黙したままでのレビュー・感想・評価

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4.5この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。

2025年10月3日
Androidアプリから投稿

@FansVoiceJP 様試写会にて

この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。

本作が長編デビューのレオナルド・ヴァン・デイル監督の才能が冴え渡る。

主役はテッサ・ヴァン・デン・プレックス。現役のテニス選手だ。なので黙々と練習シーンは見応えがありとてもリアルだ。

ジュリーと同じコーチに指導を受ける選手が自殺した。コーチは指導停止となる。テニスアカデミーは調査に乗り出し、コーチとも自殺者とも近しい所にいたジュリーも執拗な質問攻めにあう。

このシーンが辛い。ジュリーが2次被害を受けないかと心配になった。

ジュリーは何も言わないのに感情が痛いほど伝わってきます。

ジュリーは何も語ろうとせず黙々と練習に励む。

この練習シーンがまたいい。やはりここでも無言だ。無言でひたすらボールを追うジュリー。
ストレスを振り払うかのように、
集中力で雑念を追い払うかのように。

これ程無言のシーンで感情を描いた作品があっただろうか。

何かあったのか?何もなかったのか?描かれないまま映画は進む。その為シーンの度に幾通りにも受け取れるのだ。脚本が秀逸。撮り方もいい。演技も良かったです。

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snowwhite

3.0何を描くかではなく、何を描かないか

Kさん
2025年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

《試写会にて鑑賞》

コーチの指導停止と教え子の自殺。

ジュリーを待っていたのは大人たちからの
ヒアリングによる精神的負担でした。

実際の選手が演じているからこそ
息苦しさがリアルに伝わってくる。

事件の詳細な背景を描いていないところが
特徴的で観客の想像を掻き立てられます。

35㎜と65㎜フィルムで撮影された映像により
さらに重厚感が増した仕上がりに。

メンタルヘルスの重要性について学び、
そこには言葉にしない静かな抵抗がありました。

本日はありがとうございました。

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K

3.0責められざる者

2025年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

知的

将来有望な高校生の女子テニス選手のアリーヌが自殺し、その指導員ジェレミーが休職処分に。同じく指導を受けていたジュリーは固く口を閉ざし…
ダルデンヌ兄弟が製作に加わっているだけあって劇伴もドラマチックな演出もなく、アリーヌの死の真相、ジェレミーとの関係、そしてジュリーが沈黙し続ける理由など、様々な謎が明かされずドキュメンタリータッチで進む。
ずっとテニス一辺倒だった彼女が、アリーヌの死によって1人の高校生であるという認識を強め、クラスメイト達もそんな彼女を疎外せずに楽しく共に学校生活を送っていく。明確には提示されないながらも、そうした心境の変化によりジュリーが沈黙する理由が察していけるような演出にしている。あと劇伴未使用と前述したが、あるシーンでのみ緊張感を煽るメロディを用いているのも印象強い。ジュリーは決して責められる者ではないのだ。
全編通してとにかく地味だが、秋シーズンの10月公開にじっくり観るに適しているかも。

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regency