ジュリーは沈黙したままでのレビュー・感想・評価
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起きてみてるのが難しい
主人公ジュリーは日本で言えば女子高生のテニス選手。同期の友達が自殺してコーチのセクハラが疑われる、という話。
タイトルに沈黙したままでとあるが、意外と喋る。なんならブラックドッグの中国人男子の方が沈黙したままだった。
あっちの沈黙は、全然眠くならなかったが、こちらはテニスのポーンポーンというボール音が響き、メトロノームのように心地よく眠りの世界に。
ハッ!として、物語を追うが進展がない?
ごめんなさい、と謝りたい気持ちになるだけで終了。
新しい試みとしてはいいのかもしれないけど
やめろと言われたのでやめた
本作を観て、パワハラ啓発を読み取る者もいれば、困難の中で育まれる友情や目標に向かって努力する姿に感動する者もいるだろう。あるいは指導する側・される側双方の重圧がテーマかも知れない。いずれにせよ多様な見方が可能と思われる。
主演が本物のテニス選手だけあって特別なリアリティがあった。軍隊式腕立て伏せを女子があの回数できるのは凄い。ではあるが、これはテニスそのものを描いている訳では勿論ない。何かのハラスメントを匂わせてはいるが、それは「ジェレミー→アリーヌ」なのか「クラブ→ジェレミー」なのか、あるいは意図的か否かに関係なく選手達に情報を伝えず不安なままにしておく「クラブ→選手達」かも知れない。さらに、特別扱いは勿論、期待さえも形を変えたハラスメントとなり得ることが示される。
監督の意図とは多分違っているだろうけど、指導や雇用を通じて発生する上下関係の居心地の悪さを意識せずにはいられない。
ドラマとドキュメントを融合したほうがいい作品
ジュリーは沈黙したままでを観たが、色々考えさせられた。ベルギーのテニススクール内でのコーチと生徒のパワハラ騒動内での出来事をジュリーの視点で描いたが、むしろドラマとドキュメントを融合しても良かったのでは。日本だけでなく、世界のどこかでスポーツのパワハラがあるんだとこの作品で再認識。
うーん雰囲気映画過ぎるだろ
あやふやクラブ
エリートテニスクラブで、プロを目指して日々修練中の15歳の少女ジュリーが、コーチの謹慎、交代に揺れる話。
同クラブの有望株のアリーヌが自死したことを切っ掛けに、彼女のコーチでもあったジェレミーが、何かしらのよろしくない関与をしているらしい雰囲気を匂わされ、指導停止すると告げられて始まって行く。
選手が相談できない空気がー的なこと言いつつ、その説明の場すら言いたいことを言えない空気感ですが…と違和感を覚えつつ、選手への個別聴取となる中で、タイトル通りジュリーは沈黙する訳で、さて何があったのかということですね。
核心部分は明確には示されないけれど、沈黙する理由はまあわかるし、ジュリーの機微のみせ方も良いけれど、バッキーとの関係は良くなったということなんですかね?
自分にはそうはみえなかったんですが…。
ムダな間やシーンも多いし、どうせこの尺使うなら、練習だけで良いから事前のジェレミーとの関係性を序盤でみせるとかしたら良いのにと感じた。
サスペンスじゃないよー。
この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。
@FansVoiceJP 様試写会にて
この映画凄い!とても上手く出来た脚本でした。何通りにも解釈出来る脚本。
本作が長編デビューのレオナルド・ヴァン・デイル監督の才能が冴え渡る。
主役はテッサ・ヴァン・デン・プレックス。現役のテニス選手だ。なので黙々と練習シーンは見応えがありとてもリアルだ。
ジュリーと同じコーチに指導を受ける選手が自殺した。コーチは指導停止となる。テニスアカデミーは調査に乗り出し、コーチとも自殺者とも近しい所にいたジュリーも執拗な質問攻めにあう。
このシーンが辛い。ジュリーが2次被害を受けないかと心配になった。
ジュリーは何も言わないのに感情が痛いほど伝わってきます。
ジュリーは何も語ろうとせず黙々と練習に励む。
この練習シーンがまたいい。やはりここでも無言だ。無言でひたすらボールを追うジュリー。
ストレスを振り払うかのように、
集中力で雑念を追い払うかのように。
これ程無言のシーンで感情を描いた作品があっただろうか。
何かあったのか?何もなかったのか?描かれないまま映画は進む。その為シーンの度に幾通りにも受け取れるのだ。脚本が秀逸。撮り方もいい。演技も良かったです。
何を描くかではなく、何を描かないか
《試写会にて鑑賞》
コーチの指導停止と教え子の自殺。
ジュリーを待っていたのは大人たちからの
ヒアリングによる精神的負担でした。
実際の選手が演じているからこそ
息苦しさがリアルに伝わってくる。
事件の詳細な背景を描いていないところが
特徴的で観客の想像を掻き立てられます。
35㎜と65㎜フィルムで撮影された映像により
さらに重厚感が増した仕上がりに。
メンタルヘルスの重要性について学び、
そこには言葉にしない静かな抵抗がありました。
本日はありがとうございました。
責められざる者
将来有望な高校生の女子テニス選手のアリーヌが自殺し、その指導員ジェレミーが休職処分に。同じく指導を受けていたジュリーは固く口を閉ざし…
ダルデンヌ兄弟が製作に加わっているだけあって劇伴もドラマチックな演出もなく、アリーヌの死の真相、ジェレミーとの関係、そしてジュリーが沈黙し続ける理由など、様々な謎が明かされずドキュメンタリータッチで進む。
ずっとテニス一辺倒だった彼女が、アリーヌの死によって1人の高校生であるという認識を強め、クラスメイト達もそんな彼女を疎外せずに楽しく共に学校生活を送っていく。明確には提示されないながらも、そうした心境の変化によりジュリーが沈黙する理由が察していけるような演出にしている。あと劇伴未使用と前述したが、あるシーンでのみ緊張感を煽るメロディを用いているのも印象強い。ジュリーは決して責められる者ではないのだ。
全編通してとにかく地味だが、秋シーズンの10月公開にじっくり観るに適しているかも。
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