「やめろと言われたのでやめた」ジュリーは沈黙したままで ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
やめろと言われたのでやめた
本作を観て、パワハラ啓発を読み取る者もいれば、困難の中で育まれる友情や目標に向かって努力する姿に感動する者もいるだろう。あるいは指導する側・される側双方の重圧がテーマかも知れない。いずれにせよ多様な見方が可能と思われる。
主演が本物のテニス選手だけあって特別なリアリティがあった。軍隊式腕立て伏せを女子があの回数できるのは凄い。ではあるが、これはテニスそのものを描いている訳では勿論ない。何かのハラスメントを匂わせてはいるが、それは「ジェレミー→アリーヌ」なのか「クラブ→ジェレミー」なのか、あるいは意図的か否かに関係なく選手達に情報を伝えず不安なままにしておく「クラブ→選手達」かも知れない。さらに、特別扱いは勿論、期待さえも形を変えたハラスメントとなり得ることが示される。
監督の意図とは多分違っているだろうけど、指導や雇用を通じて発生する上下関係の居心地の悪さを意識せずにはいられない。
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