「責められざる者」ジュリーは沈黙したままで regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
責められざる者
クリックして本文を読む
将来有望な高校生の女子テニス選手のアリーヌが自殺し、その指導員ジェレミーが休職処分に。同じく指導を受けていたジュリーは固く口を閉ざし…
ダルデンヌ兄弟が製作に加わっているだけあって劇伴もドラマチックな演出もなく、アリーヌの死の真相、ジェレミーとの関係、そしてジュリーが沈黙し続ける理由など、様々な謎が明かされずドキュメンタリータッチで進む。
ずっとテニス一辺倒だった彼女が、アリーヌの死によって1人の高校生であるという認識を強め、クラスメイト達もそんな彼女を疎外せずに楽しく共に学校生活を送っていく。明確には提示されないながらも、そうした心境の変化によりジュリーが沈黙する理由が察していけるような演出にしている。あと劇伴未使用と前述したが、あるシーンでのみ緊張感を煽るメロディを用いているのも印象強い。ジュリーは決して責められる者ではないのだ。
全編通してとにかく地味だが、秋シーズンの10月公開にじっくり観るに適しているかも。
コメントする