鯨が消えた入り江のレビュー・感想・評価
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モヤモヤが残った
香港の人気作家ティエンユーは、新作小説に盗作疑惑が持ち上がり、世間から激しいバッシングを浴びた。心に深い傷を負った彼は、かつて文通していた少年が教えてくれた、天国につながるという、鯨が消えた入江、を探しに台湾へと向かった。台北の飲み屋でぼったくりに遭い、酔い潰れてしまったティエンユーは、地元のチンピラであるアシャンに助けられた。ティエンユーが旅の目的を打ち明けると、鯨が消えた入江を知っているというアシャンからそこへ連れていってあげると言われ、2人で旅が始まり・・・さてどうなる、という話。
ストーリーがわかりにくかったのだが、香港のティエンユーの自分の家の郵便受けと10数年前のアシャン少年の郵便受けが時空を超えて繋がっていた、という事だけはわかった。
そして、そこに違う手紙を入れたら現在が変わる、ということもわかった。
わかった上でモヤモヤが残るのはなぜだろう。
もし台北に行くな、という手紙がファイナルアンサーだったとしたら、そもそも自分の書いた手紙をもとに女性が本を書くことが出来なかったのでは、という疑問が湧いてしまった。
少年が殺されないように過去を変えようとする美しい話なのだけど、頭がついていけなかった。
そんな事考えずに、感じろ、と言われれば、良い話です。
BL少女漫画!?
BL少女漫画風があざとすぎて引きました。
(BLが悪いと言っているわけではないです、念のため)
良い映画なのにあざとい場面がてんこ盛りで乗れませんでした。もったいない。
レスリー・チェンがキーになってましたが、天宇がLGBTQであるのを匂わせたのかと思いました。
台湾ならではの風景と音楽がマッチ
ストーリーの前情報なしで鑑賞。前半は私の苦手なボーイズラブものと勘違いしたが、少々強引ながら伏線回収され最終的にしんみり。
これが日本の設定だったらストーリー展開に文句の1つも言いたくなるが、不思議と台湾ならありそう、古いのと新しいのが混沌としている風景や街に違和感なくなじんじゃう。
大好きな台湾ドラマ「時をかける愛」で時空モノに慣れてるのもあります。
1時間45分は少し長く感じたけど、暑い夏の締めくくりに爽やかなお話でございました。
⭐️テレンス・ラウは九籠城の時と全然違い爽やか。こちらの役のほうが好み。
亡きレスリー・チャンのコンサートが2023年に開催、それで過去が動いたとわかるシーンにグッと来ます
情緒しっちゃかめっちゃかになりました。謝謝。
とても良かった。
特に結末が本当にもう最後の最後の歌詞のワンフレーズに集約されてるところが最高。
最後のあの歌詞のあの〆の言葉で「そっかぁ」「そうなんだぁ」ってなってとても良かった。
個人的解釈かもしれないけれど、二人の関係性が明確に描かれないからこその雲の上を歩くような感覚が、ラストの歌詞のワンフレーズにより、「それならば良し」とさせたと言うか。
「抱けー!」とか
「もう付き合っちゃえよ」とか
「画が良すぎる。どこを切り取っても美しい」とか
「ブロマンスや良し」とか
観る人によって、二人に望む関係も様々なんじゃないかなと思う映像作品であり、それに応えてくれる映像作品であったと思うんですが、
その全ての祈りや希望に応じるラストであったなと思うんですよね。最高かっこいい。
とても良かったです。
あと、これはマジ個人的解釈になるかな、と思うんですが。
赤いヨット(比喩表現)で繋がった二人の間にクソデカ感情が生まれている様と、
それが幻ではない様子が、
SNSで繋がる人間模様が彷彿とさせられて、
視聴者の情緒はしっちゃかめっちゃかになりましたよ?ありがとうございます。
そうであれ(不安定な始まりの人間関係であっても、互いが大事な相手となる事よあれ)という祈りに応えられたような気持ちになり、帰り道の電車内でちょっぴり泣いちゃいました。
祈りの物語過ぎるだろうが!!最高。
ありがとうございます!!こんなん愛しちゃいますよ、監督。
という気分。
二人の未来が明るくありますように。
2回目鑑賞後の感想です。
全てを知っているが故に、始まって5秒ぐらいで涙腺が…。
レスリーの曲が掛かったところでボロ泣きしました。
大事な人だからこそ言えなかったこと、言いたかったことがある…主演2人のクソデカ感情の波に飲まれる映画でした。
観る人によって、観る視点によっていくらでも解釈できる余地があるところも良いと思います。
前半は割と分かりやすくドタバタとストーリーが進んでいくのですが、「花火の夜」をきっかけにまったく違う流れになるのも初見では予想できない展開で良かったです。
逆転して収束する花火、下から上に流れる滝は時間の巻き戻りを意味するようにも取れるし、電車の中で「2度」目覚めるのも繰り返し、やり直しを指しているように受け取れました。
全てを理解した天宇先生が必死に金潤發少年に手紙を書くシーンでもまたボロ泣き…。その後も再会できる未来に期待して健気に手紙を書き、待ち合わせできるようにライブのチケットを送り…いや、激重感情すぎんか??と心配になりました。
ラストはやっぱりハピエンで良かったです。
心が優しく強くなる愛のお話
[一回目]
2025年8月14日 アップリンク吉祥寺
ノスタルジックな映像と、
チルアウトな心地良い音楽と、
眼福のふたりと、
台湾の美しい風景も楽しめるロードムービー、
期待以上に良かった!
レスリー・チャンへのリスペクトも泣ける。
時空を超えた手紙のやりとりで、
お互いが心の支えとなり、
大切な人となった関係性は、
BLというより、
兄弟のような友情のような、
大きな人間愛のように感じました。
といっても、
ちょいちょい女子キュン場面を差し込んでくるところは、
良い意味であざとーい 笑
頭拭いてあげるところ好き!
ただ、それは、ほんのエッセンスで、
全体的に大きな愛と、
生きる、生きろ、という強い想いを感じて、
心が優しく強くなる作品でした。
あのラスト、とても素敵です。
本当に良かったな⋯
ふんわりと涙がこぼれました。
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[二回目]
2025年8月26日 シネマート新宿
ストーリーで解らないところもあるんですが、なのにとても惹かれるのは⋯。
わたくし、この作品のサウンドトラックが、とっても好きです。
台湾の美しい景色と、曲のたおやかさで、
視覚と聴覚が、とてもやすらぎ癒されていることを、
2回目で深く実感しました。
二つのミラクル、「どこでもドア」の郵便箱と花火
香港の人気作家ティエンユーは、2020年の新作に盗作疑惑が持ち上がるが、編集者の奔走により、和解に漕ぎ着け、盗作は認められないという契約書にサインする。
その時、相手となった女性の作家から、ジン・ルンファという8歳の少年と、2003年頃、文通したことがあったのではと言われる。女性作家は、その少年を保護し、手紙を見せてもらっていたのだ。ところが、ティエンユーの側から見ると、手紙を受け取ったのは2013年、彼はまだ院生だった。二人は、10年という時間を飛び越えて、香港の家の玄関先においた郵便箱を介して手紙をやりとりしていたことになる。あの郵便箱は「どこでもドア」の郵便箱版だったわけだ。
ティエンユーにとっても手紙をやりとりしたことは大事な思い出だから、読んでいなかった女性作家の小説と彼の作品が似ていても、何の不思議もない。その時、ティエンユーは、少年に台北に引っ越したらとアドバイスしていた。
盗作騒ぎのなか2020年に渡航した台北で、ティエンユーは成長したジン・ルンファと巡り合う。彼はアシャンと呼ばれ、フル・エスコートと言う危ない稼業に身を染めていた。二人は、いつか手紙で語り合った「クジラの消えた入江」を目指すことになる、過去の経緯には全く触れず。二人は、アシャンが関わっている海沿いのペンションにたどり着き、夏の花火大会に出かけることを約束していたが、そこで、事件が起きてしまう。
事件に気づかぬまま、香港に戻ったティエンユーは、アシャンとの再会を心待ちにしながら、新作を準備し、大成功を収める。
3年後、台湾に再渡航して、真相を知ったティエンユーは、あの時の花火大会の海岸で開いた花火を、逆戻りさせたいと思うようになる。これが、第二のミラクル!原題にある’A Balloon’s landing’(奇跡が降りてきた!)なのだろう。
ホールを埋め尽くしていた女性客の様子を見ると、こうした筋書きはともかくとして、イケメン俳優の二人が、豊かな自然の光景の中で、BLのように触れ合うのを楽しむことができれば、それで良いのではと思った。
【”君が居たら、私も美しいのに。”今作は不思議な郵便箱が繋いだ、香港の人気作家と台湾の青年との関係と奇跡を台湾の美しい自然を背景に描いたBL要素を漂わせたファンタジーである。】
■新作で、盗作疑惑が起きた香港の人気作家、ティエンユー(テレンス・ラウ)は、逃げるように且つて文通をしていた台湾の少年に教えられた天国に繋がるという”鯨が消えた入り江”を探しに、台湾に旅立つ。
そこで、彼は慣れない土地もあり、台北の繁華街で酔いつぶれるが、それを助けたのがチンピラ風だが、笑顔が素敵なアシャン(フェンディ・ファン)だった。
◆感想Caution!内容に触れているかな?>
・ファンタジックなストーリー展開であるが、どこかノスタルジーも感じさせる作りである。台湾を舞台にした映画は、何故に見るとノスタルジーを感じるのだろうか。
■ティエンユーとアシャンが”鯨が消えた入り江”を探しに、車で出かけた際に、エンストして、野良犬について行った先で見つけた美しい滝が流れ込む湖で、二人が裸になって戯れるシーンなどは、隣の女性が“ハア”とため息をついたほど、景色も二人も美しいのである。
・ティエンユーとアシャンが、徐々に距離を縮め、”鯨が消えた入り江”を探しに原チャリで二人乗りで走るシーンで、ティエンユーは開放的な気分になり、アシャンと共に手を窓から出すシーンや、手を放して両手を上げるシーンは「青春18×2」そのものだし、アシャンの腰に手を回すシーンなどもう、BLである。
だが、テレンス・ラウとフェンディ・ファンだからねえ。画になるのである。
・ティエンユーがアシャンが自分を守ろうとした事から起きた悲劇を知り、郵便箱に紙を入れて未来を変えようとするシーンなども、ファンタジック要素バッチリである。
<未来が変わる中、香港では大きく”レスリー・チャン 2023年ワールド・ツアー”と看板が出ている。
そして、ティエンユーがアシャンに会いに再び台湾に行った時に、列車の中でアシャンが好きだった”粽”を通路を挟んだアシャンそっくりの青年に上げるティエンユーの嬉しそうな表情。花火の夜に交通事故で亡くなったアシャンは、名こそ違えど生き返ったのである。
今作は不思議な郵便箱が繋いだ、香港の人気作家と台湾の青年との奇跡を描いたBL要素を漂わせたファンタジーである。>
1990年代香港カルチャー好きなら情報収集せず見て欲しい
私にとって、最高の映画だった。
そして、1990年代に張國榮をはじめとした香港カルチャーが大好きだった人には、間違いなく重く響く映画だと思う。
理由は、張國榮が生きていてくれたら、というあれから20年以上たっても誰もが消せない願いを、純化し結晶させ、ふたりの主人公の切ない願いの物語にしてくれたから。
物語の起点となる2003年は、レスリーがこの世を去った年。
この映画の英語タイトルも、レスリーの歌に拠っている。
レスリーが旅立って20年後の「2023年張國榮ワールドツアー」の看板に目を見張る。
そしてここぞというところにかかるレスリーの曲、「春夏秋冬」。
主役ふたりの、一方からすると唐突な、一方からすると運命に思える出会いから、少しずつ縮められ、クロスしてすれ違った関係が、からまりあってひとつになったことが楽曲で表されたかのようだった。
花火の逆回しは、なんて切なくて綺麗なんだろう。
冒頭で流れた映像に、時を巻き戻したい願いが込められていると知った時、すべての感情があふれて持っていかれた。
よくあるストーリーでとくにひねり無し
過去に戻り誰かを助ける、または助けようとする映画が多い中でとくに光るものを感じなかった。
2人は同性愛者ではないと思うが、接し方が同性愛者ぼくて感情がよく分からなかった。
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