劇場公開日 2025年8月8日

「美しい海岸線と煌めくような太陽、そしてじっとりと肌に絡みつく湿気」鯨が消えた入り江 ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 美しい海岸線と煌めくような太陽、そしてじっとりと肌に絡みつく湿気

2025年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

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香港で人気小説家のティエンユーは、盗作疑惑が持ち上がり、精神的に追い込まれていた。台北で出会ったアシャンと、かつての文通相手の少年が教えてくれた天国につながる「鯨が消えた入り江」を探しに行くロードムービー。

冒頭から台湾の自然あふれる美しい海岸線とまさに煌めくような太陽、そしてじっとりと肌に絡みつく湿気、映画は台湾の南国風情を美しく描いている。観る者に倒錯的な幻想性を想起させる。そしてティエンユーのこのひと夏の経験へ朧気な記憶が、太陽の光の中に少しずつ差し込まれていく描写は実に巧妙だった。
陽気な地元チンピラ、アシャン演じるフェンディ・ファンが良い。ティエンユーと対照的な、野性味あふれる笑顔がまさに南国のような存在だ。

勝手解釈だが、全年齢対象映画でもありストーリー重視なので仕方ないが、わざわざレスリー・チャンをトリビュートしているので、友情を超えた愛のカタチの描き方も微妙な線で止めず、もう少し突っ込んだらさらに幻想性が高まる、と感じた。

とはいえ、俳優もストーリ本筋も優しい作品なので、気楽に原題「我在這裡等你」の意味を考えながら素直にお楽しみいただけます。

ihatakaeight