劇場公開日 2025年7月4日

「捨てる神あれば拾う神ありだが、キツイ人生だね。」テイクアウト Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0捨てる神あれば拾う神ありだが、キツイ人生だね。

2025年6月15日
PCから投稿

映画を見始めて、三十分たったが、人生はきついね。アメリカ国籍でも、働けるビザを持っていても、解雇が多くて大変なのに。ミンMing Ding は不法移民のようだから(ゴキブリの出るような蛸部屋八人以上も住んでいるからー後から不法移民だとわかる)もっと大変だ。それに、高利貸しから金を借りていて、今日までに$800返さなければ、それが2倍に膨れ上がると、高利貸し、Jiang の部下のチンピラがいう。ミンは六ヶ月も米国にいるのに、奥さんに一銭も送っていないと。高利貸しから金を借りる(利率が30%だって!驚くね。)ようだから、同僚,ヤン(Young)がいうように金銭感覚がないのかもしれない。それとも、他に何かあるのかもしれない。

同僚,ヤンはミンに今日一日の自分が配達する分もミンにさせてあげる。他の働き手にはミンは体重を減らしたいから仕事をあげたと。ミンは大雨の中でも、自転車でほとんど一言も英語を喋らず、微笑まず、出前をこなしていく。店は忙しくなってきたから、ヤンに出前をやれろ。ヤンはミンに「俺はゆっくり出前をやるからな」と。ミンは出前をこなしていくが、チップをもらえなかったり、品物は十三ドルなのにチップを混ぜると十五ドルだけしかもらえなかったりで.......出前はタフな仕事だね。一人の客は出前のチキンを見て『俺はビーフを注文した。店に戻って持ってこい』という。 わざわざ部屋から出てきて階段の上から『Go, Run, Quickly..Fu..Idiot』と。ミンを人間扱いしてないね......でもこの客は二度目にミンが行った時に、はっきりわからないが余分に?チップをくれたようだ??もしそうならこの客のチップに関する態度は正解だね。ミンは二度も配達してるからね。

愛想のないミンにヤンは『微笑んでありがとうございます』と客にいうことを教えるが、ミンは真似てはみるが実行にうつさない。郷にいれば郷に従え精神がいるね。それに、気分が乗らない時、微笑めないようなことをヤンに言ったが、冗談のように同じことをいう出前先の客が出てきたね。それに他の客の方から『ありがとうございます』と皮肉を込めて言われるようだ。

ところで、この映画は2004年のなんだね。出前の料理の値段が安すぎるから。そのあと、よく聞いていると、2001 年の9.11の話で、この前後によって、不法移民の入国の厳しさが違ってくると。ミンは後なのに、捕まらなかったのが幸いだったようだと。密入国させる人が上手だったんだねと。それに、カナダから不法入国者だったからと。ヤンは『共産党は悪い、中国に戻さないでくれ!子供が一人しか作れないよ』と戯けていう。政治難民のビザを再申請すると言っているものもいる。

この中で一つ興味のある話し合いがある。ミンと折り合いが悪いコック長、ウエイWei(Justin Wan)は『レストランの自転車を盗んで他のレストランに売り飛ばし、それを続けている悪党から自転車を買うことはCreate the demand(需要を生み出す) だと。誠に!しかし、ミンは自転車が盗まれたら、百ドル出して新しいのを買えっていうことか? まさに、これも然りあり。その後は、話題が続いていかなかったのが残念。ミンは借金をしている立場で、折り合いの悪い相手はコック長のような存在の人だからある程度の収入はあるんだろう。

ミンが大雨のなか、出前先とレストランを何度も行ったり来たりしている。寡黙に働いているだけ。自転車にはライトも付いていず、黒いカッパを着て乗ってる。事故を起こしそうな気がして、落ち着いて見ていられなく、映画を途中で止めてしまった。
それに、リアリズムスタイルの映画が好きだが、ジョーン・ベーカー監督の目的は何?なぜこの映画を作った?視聴者に何を訴えたいのなどと考え出したら、頭の中がどうどう巡りをしてきた。リアリズムの映画をどう料理しようが視聴者の勝手なんだが......

先ほど書いたようにこの映画は2004年に配給されていて、2001年に9.11が起きている。入国管理局の取り締まりが世界中で厳しくなっていた時代だ。しかし、当時、アジア系はどうだったんだろう。

あと、もう一つ、ミン側から映している撮影のスタイルかもしれないが、出前を受け取る側の人は主に家の中で口を聞くので、その言葉が英語でもよく聞き取れないし、たとえば、スペイン語など、中国語以外だと自動字幕がついていない。(中国語から英語の自動字幕のせいかも?)しかし、英語を全く話せない出前人ミンに対して、この地域の白人、黒人などが
いる多様的な人種の社会の人(収入があまり高くない地域に出前をしているようだ?)はミンに優しくないようだ。ミンが英語が話せないのがわかるから、何を言ってもわからないと思っているのかもしれない。ミンの無愛想な態度にも問題があるが。映画のシーンからではチップをいくらあげているのか全部わからない(手の動きをよく見ればわかるかも?)が、少なくても大雨の中自分が外に出る代わり出前をしてくれるのだから最低20%はあげてほしいね。でもね、出前のチップは、給仕のようなもので、ミンの態度によって多くあげるか決まるんだよね。。

*気が向いたら、また続きを見てみよう。そして、書こう。

Big Sisterと言われる人(女性で店を切り盛りしている人)は忙しく動き仕事ができるね。一日最後の出前で、ミンは一日の給金とチップを全部取られてしまう。店に戻ってくるなら、お金をもって出前にいくべきではなかったのは確かだが。。精神的に参ってストレスが溜まっている
ミンに手を差し伸べてくれたのは折り合いの悪かったコックのウェイだった。彼は事情も聞かず、いくらいるんだと聞いてきた。ウェイはミンに青あざがあること意外何も知らなくても、肌で感じ取っていたのである。ミンと同じような経験をしてきたのに違いないから。

監督は不法移民に反対している姿勢をとっているわけでもなく、同情しているわけでもない。時代は遡っているが、また、どの国でも不法に滞在している人々はいる。また、ステイタスが何か尋ねない世界でもあるし、最低賃金以下で働いている人々もいる。チャイナタウンにあるこの中国料理の店に関わっている従業員や客を、ドキュメンタリーに近い手法で描き出している。我々、視聴者がどう受け取るかは我々に任されている。監督は視聴者に考えさせる機会を与えたと思う。

Socialjustice