劇場公開日 2025年10月3日

「もはやトムとジェリー」ワン・バトル・アフター・アナザー N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 もはやトムとジェリー

2025年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

何の予備知識もなく、トレーラーで興味がわいたため鑑賞。
米国を代表する対立要素が何重にも絡んだ、サバイバルとサスペンスがスリルを極める1本。
よく考えるとディカプリオ出演作品は「インセプション」以来だった。「タイタニック」から思えば、いい役者さんになったんだなぁと存在感に圧倒される。

黒人、ヒスパニック、エトセトラ、生きにくいがために団結する移民らの、訴える革命活動家らの結束がもはやプロのスパイ集団で見ていて、まず痛快。
対する白人、警察側の保守も保守、時代遅れなマッチョ嗜好や病的な偏見が不気味と描かれ、そんな互いが追いつ追われつを繰り広げる本作の、
久々にスパイ映画を彷彿とさせる先の読めないスリリングな展開にハラハラし通しだった。
もはやトムとジェリーである。

生み出す脚本がとにかくパーフェクトで、まるきりカッコいいところのないディカプリオの応援したくなるじれったい演技がなおさら手に汗握らせる。
久しぶりに見た、憎たらしい悪党にも拍手だ。
後半、うまい具合に主役が娘へバトンタッチされていたことも、どんな人たちの物語かを明確にしていたように感じる。
ゆえに見ようによっては政治的なメッセージを汲み取れなくもないが、これは単純に2つの組織のつばぜり合いを楽しむエンタメだと受け取った。

屋根から落ちるシーンと、糖尿病検査で抜け出すシーンが本当に不意を突かれて目が覚める思いだった。うまい、うますぎる。
唯一、最後の手紙のシーン辺りは蛇足かなぁと感じて止まない。

追記
鑑賞中もどこかで見たことがあるなぁ、と思っていれば本編、基本構造は「レミゼラブル」ではないか! ジャベールとバルジャン、そしてコゼットでは。

N.river
N.riverさんのコメント
2025年10月10日

>トミーさん
コメントありがとうございます。
噛み合わないままテンパりつつ奮闘するディカプリオが時代に翻弄される現代人そのもで、哀しさが愛くるしく、哀れ極まり滑稽でハマりましたね。

N.river
トミーさんのコメント
2025年10月9日

病院にも支援者が!その後渡されたバッグにもガトリング砲?と思いきや、普通のライフル。おまけに狙撃に失敗、反撃雨あられ、つくづく外して来ますよね〜。

トミー
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