劇場公開日 2025年10月3日

ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価

全668件中、1~20件目を表示

4.5全てのバランスが完璧!これぞハリウッド!

2025年10月7日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ドキドキ

こんなにいろんな要素取り込んでるのに、物語がとっちらからないのが本当にすごい。

男女の愛憎劇や親子愛のヒューマンドラマ
ハラハラドキドキのクライムアクション
思わず声を出して笑ってしまうコメディ
現代の世相を表しているソーシャルスリラー

ここまで様々な種類のジャンルが詰め込まれていたら、それぞれの要素が中途半端だったり、広く浅くすぎて物足りなかったりしそうなものだけど、どこをとっても満足で、見終わった後の満足感や充足感がすごかった。

今作では、キラキラなレオ様は全くおらず、本当にあなたは以前愛する人を救うためにタイタニック号と共に沈んだ方ですか?と思うぐらい、今回のディカプリオは最初から最後まで頼りなくてカッコ悪い。
でもどこか憎めず応援したくなるのは、ものすごく人間らしくて、親近感をもてるから。
パスワードのところは最高だったなー!声を出して笑った。

そしてこれまた同じくらい印象的だったのは、清々しいほど最初から最後まで変態なショーンペン。変態すぎて笑ってしまう。お見事すぎました。

作品の軸には、暴力や報復劇の裏に、白人至上主義・人種差別・社会分断 という重めのテーマがあるけれども、ユニークなキャラクターやストーリーのおかげで、そこまで重くならず162分があっという間だった。

そしてストーリーだけではなく、カメラワークや劇伴の使い方、音響の演出がとても好みだった。
時間の都合でIMAXで見れなかったが、これはIMAXで見たかったなー!

ハリウッド映画の質の高さをこれでもかと見せつけられた作品だった、オススメ!!

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AZU

4.5意味なんてどうでもいい。なんだか面白い162分🎬

2025年10月6日
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興奮

驚く

斬新

『ギルバート・グレイプ』にはじまり、世界中にその名を轟かせた『タイタニック』──
恥ずかしながら、私の記憶はそこで止まっている…😅
そして久しぶりにスクリーンで観たレオ様は、確かに歳を重ねていた。若い頃のプリンス・レオ様のイメージしかなかった私なので、あまりにもしがなく、ダメで人間くさいボブ(ディカプリオ演じる本作の主人公)の姿に、いい意味で驚かされた。

他のクセ強俳優たちの快演もとにかく凄まじい。
とくに無慈悲な軍人ロックジョーを演じたショーン・ペンからは、ひと時も目が離せない。怖い😱を通り越してキモい。日本で万が一リメイクするとしたら、この役をやれるのは鈴木亮平さんくらいしか思い浮かばない🤫彼の異常なまでの圧迫感が、この作品に強烈な緊迫感を与えている。

そしてもうひとり、娘の通う空手道場のセンセイ役を演じたベニチオ・デル・トロ。不思議な役どころだが、ピンチにふっと現れて、飄々とカッコよく主人公ボブをアシストする。とにかく作品に良いスパイスを与えているのだ。

怒涛のカーチェイスというより、どこか一風変わったカーチェイスも本作の見どころ。
「凄い」というより「上手い」と唸りたくなるシーンなので要必見です。美しい映像や迫力あるアクションも素晴らしいですが、ピアノやドラムなど打楽器を駆使した“音”にも注目👀不協和音で不快な感情を巧みに表現し、映像とともに感情を盛り上げています。

元革命家でありながら、どこかしがないダメ親父のボブ(レオナルド・ディカプリオ)。とにかく口が悪く、薬に逃げては暴言を吐きまくる。だからこそ愛おしく、時に可笑しく切ない。

最愛の娘のために、そして“本当の自由”のために恐れず奔走する父親ボブの姿に、最後は思わず胸が熱くなる。
「蛙の子は蛙」。勇敢な母の血を受け継ぐ娘もまた然り。
「生みの親より育ての親」。DNAや真実なんて、もはや意味を持たない。
一緒に過ごした時間こそが、愛なのだと気づかせてくれる。

白人至上主義などの風刺もあった…のかしら?
詳しくはよくわかりません😅
でも、意味とか難しいことを考えずに、まずは作品に身を委ねてみてください。
とにかく飽きないし、面白いのだけは確かです!!

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ななやお

3.5「権威」が「スターウォーズ」撮りました(by プリ夫)

2025年10月5日
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ポール・トーマス・アンダーソン

一般的に崇められて評価されるのは、「マグノリア」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「ザ・マスター」あたりだが、その後の作品(「ファントム・スレッド」は若干毛色が違うが)について。

「インヒアレント・バイス」では、1960年代のヒッピーやカウンターカルチャー世代の理想が終わり、「カネ」と「権力」への時代の到来が背景にあり、「夢を見た世代」が覚めていく時代を描いた。ヒッピー探偵はドラッグと陰謀の中で「何が現実か」分からなくなっていく。

そのあとの「リコリス・ピザ」は、その「夢の残骸」を生きる若者たち。「失われていく時代」への郷愁を描いた。

この時期から、PTA作品は大学の映画学カリキュラムや映画史の論文でも頻繁に取り上げられるようになり、「権威的」作家として定着。

当人は撮りたいものを撮っただけのように見えるが、共通するのは、父性、男性性、カネ、権力、SEX、(あと下品!ね)を作品に盛り込み、評論家や映画オタクの面々を喜ばせるのだから、すごいことだ。

そんな彼の、プリ夫主演、大予算を獲得しての

「ワン・バトル・アフター・アナザー」




プリ夫はインタビュで、サングラスを盗むシーンを振り返って、こう言っている。

「ボバ・フェットみたいな、顔をぐるりと覆う光学ゴーグルのイメージがずっと頭にあった。この映画には、どこか奇妙な“スター・ウォーズ的テーマ”がある。この映画は本質的には“娘を取り戻そうとする父親”を描いたアクション映画なんだけど、その裏には非常に緻密で複雑なレイヤーが重ねられている。ここには賞金稼ぎがいて、レイアのような存在がいて、ヨーダもダース・ベイダーもいる。ただし全部、“現実の世界”の中に存在しているんだ。」

PTAは時代を批評しない。

全くその通りだと思う。(帝国も反乱軍、そしてシスとジェダイも「極端」な思想のもとに構築されているのが「スターウォーズ」。)

ここにあるのは、その時代に生きた人物の「父性」、「男性性」が極端な形で描かれ、「下品な物言い」、「SEX」といったPTAならではの要素で作ったアクション映画。

多くの人が指摘するように、本作はPTAより少し上の世代の監督作へのオマージュがちりばめられている。スコセッシの「グッドフェローズ」、スピルバーグの「続・激突 カージャック」、そしてミラーの「マッドマックス」などが分かりやすいが、ベースはなるほど、ルーカスの「スターウォーズ」かもしれない。(そりゃ、スピルバーグもスコセッシもコッポラも絶賛するわな)

もう少し深読みすると、「インヒアレント・バイス」から、「リコリス・ピザ」で若者が時代に翻弄されて生きた姿を描いていることからも、本作はその系譜にある。

思い切って言うと、「青春映画」としての着地なんだよね。PTAの作品には珍しく、甘い結末は、「大予算の娯楽作」ゆえ。

「トランプ政権だとか、なんとか」の声が大きいのは、娘側の視点が少し弱いからか。(プリ夫とデル・トロ、ペンにどうしてもフィーチャーせざるをえない)

ただし、扱いが非常に難しいのは、母親。冒頭からそんなに活躍しているるようには見えない爆弾プロのプリ夫(結局、全編通して、活躍していないプリ夫)が活動を止めて、落ちぶれて、のほうで「バランス」をとっているのだろうが、「娯楽作」の体なので、このキャラクター造形は危険。

あとは、プリ夫の演技が過剰で、PTAのデイ・ルイス、フェニックスと比べてしまうと、ね。言っても仕方ないことだけど。プリ夫の「フラワー・・」の演技は超笑えたんだけどね。

なんだけど!なんだけど!

そんなことをぶっ飛ばす、クライマックスの、互いに事情を知らない3人、3台のカーチェイスは映画史に残る名シーン。ここだけでも映画館見る価値十分。本当にすごい。

追記

本作において、やたら比較されているのだが、少し私見だが、タランティーノとPTAは時代との「寝方」が違う、といったところか。

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しんざん

3.5タイムリーでドメスティックな社会風刺色強めのPTA風活劇

2025年10月4日
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ニコ

4.5たえず展開し、奇想天外に加速していく傑作

2025年10月23日
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まるで161分間、ビスタビジョンが映し出す壮大な夢を見ているかのようだ。闘いは次から次へと展開し、その肝心の目的は主人公の人生過程において刻々と変移を遂げているかに見える。これは登場人物の誰もが「己を定義づけるものは何か?」という命題の下、もがき続ける物語。革命に燃えるパーフィディアは忽然と姿を消し、脳と体が酩酊しっぱなしのボブは自らを証明する合言葉が思い出せない。秘密結社に属したいロックジョーは審査段階で苦悩にさらされる。後半はウィラが鍵を握るが、彼女も己のアイデンティティに関わる混沌に呑まれ、夢の波間を漂うかのような前代未聞のカーアクションに身をさらす・・・。だが、根源的な主軸はやはりボブだ。世界を変える力のない彼が、娘だけは何が何でも守り抜こうと、自己認証や組織の力を越え、ひとつの個として父の愛を示す物語。激動の米社会を背景に、PTAならではの「家族をめぐる闘争」を描いた傑作である。

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牛津厚信

5.0“駄目プリオ”の哀愁が最高。PTA映画では「マグノリア」「インヒアレント・ヴァイス」との接点も

2025年10月7日
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酒とドラッグ浸りでよれよれになった中年親父のレオナルド・ディカプリオが、こんなにも哀れでみじめでダサいのにたまらなくチャーミングだなんて、最高に嬉しい驚きだ。

鬼才ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)がスター俳優からかっこ悪いキャラクターの演技を引き出す手腕という点で、群像映画「マグノリア」に起用したトム・クルーズが思い出される。同作でクルーズが演じるマッキーは、男性受講者らに意中の女性をモノにする方法を伝授する自信満々のカリスマ講師に見えるが、幼い頃父親に捨てられたコンプレックスを虚勢で隠しており、久しぶりに再会した危篤の父に感情を爆発させる。あのキャラクターも、クルーズ自身のカリスマ性を観客が納得しているからこそ、さらけ出した弱さ、歪んだ感情に驚きながらも人間味を感じて心を寄せることができた。

「ワン・バトル・アフター・アナザー」には、ディカプリオ演じるボブがトム・クルーズばりのスタントに挑むシーンが2回ある(2回目などは、ベニチオ・デル・トロ演じるセンセイとの会話にも「トム・クルーズ」の名が出る)。だが2回とも、クルーズが演じるヒーローのような華麗さや軽快さとは程遠く、中年太りに相応の鈍重さで落ちる、転がる。爆笑を誘うそんな場面にも、哀愁が漂っていてちょっと切なくなる。

トマス・ピンチョンの小説が原作ないし原案であることから、2014年製作の「インヒアレント・ヴァイス」ともいくつか類似点が認められる。ホアキン・フェニックスが演じるヒッピーの私立探偵ドックも、酒とマリファナの常用でぼんやりしていて、ダメ中年の一歩手前だ。元恋人から依頼を受け「seek & find」(謎を追い、答えを見つける)の定型で物語が始まるが、ドックが殺人の濡れ衣を着せられて「run & chase」(逃げる、追う)の要素も加わる。

一方の「ワン・バトル~」では中盤からボブとその娘ウィラが離ればなれになり、軍人ロックジョーと彼が指揮する部隊を追手とする二筋のrun & chaseが並行して進む。だがその後、ウィラを追うロックジョーをボブが追い、さらにロックジョーを追う秘密結社の男も加わり、複雑にからむrun & chaseがクライマックスへとなだれ込む。

ハリウッドスターが片言の日本語を口にするユーモラスな場面も、「インヒアレント・ヴァイス」との共通点。同作では、ドックを日本料理屋に連れて行った刑事ビックフット役のジョシュ・ブローリンが「もっと、パンケイク!」(パンケーキおかわり)と叫ぶ。「ワン・バトル~」ではベニチオ・デル・トロが空手道場の師範役で、ディカプリオが「センセイ」を連呼する。主人公を支える重要人物を日本通として描くのは、PTAが日本文化へのリスペクトをさりげなく表しているようで、これもわたしたち日本の観客にとって嬉しいポイントだ。

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高森郁哉

5.0これまでのポール・トーマス・アンダーソン監督作品の中で、最も万人向け。人物描写や音楽の使い方などが秀逸で、名作の域に達しているエンタメ作品!

2025年10月3日
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これまでのポール・トーマス・アンダーソン監督作品はツウ向けが多い印象でしたが、本作では最も製作費をかけてアクションシーンを増やすなどエンターテインメントを追求した楽しい作品になっています。
本作のメインは子供が成長した「16年後」ではありますが、前半の展開が「16年後」において重要な意味を持ってきます。
そこで前半も時間を確保してしっかり描く必要性があるのです。
上映時間が162分ではありますが、前半は前半で面白いですし、「前半」との対比のもと「16年後」の父親役のレオナルド・ディカプリオの姿や、娘との関係性などが人物造形において深みを与え、長さを感じさせません。
メインの登場人物が奇抜な役柄になっていますが、レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロというアカデミー賞受賞経験のある個性派俳優3人の“競演”も見どころの1つです。
これまでポール・トーマス・アンダーソン監督が培ってきた人物描写手法や音楽の活用法などを駆使し、アカデミー賞でのノミネートも多数期待できる、演技も展開も楽しめる名作です。

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細野真宏

5.0「見てよかった」

2025年11月10日
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今年335本目。

109シネマズプレミアム新宿で。
最後の車の所が凄過ぎる。ここでもう見てよかった。レオ様主演なんですがショーン・ペン、今年9月「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」ベニチオ・デル・トロなど他の俳優さんが輝いている。そしてやっぱりレオ様の達観した演技がお気に入りです。ほどほどにな。まさか。最高の言葉。

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ヨッシー

1.0いうほどアクションなし

2025年11月9日
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ふらんすぱん

5.0裏の話を

2025年11月9日
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dd2e07

3.5バイオレンス満載だけど清々しさを感じた、もう1度観たくなってきたぞ

2025年11月8日
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ざらっとした質感の、バイオレンス満載の、クレイジーな映画。
けれども、なんだか清々しさを感じさせる不思議な作品です。けっきょくテーマは「愛(家族愛)」なのか?

ディカプリオやテヤナ・テイラーたちの演技も見応えがあったけど、変質的な役どころのショーン・ペンがとくによかった。
音楽も very nice👍

エンドロールに映し出される写真や言葉の意味するところは僕にはわからなかったのですが……。

僕はこの映画のトーンが好きです。
なんかもう1回観たくなってきたぞ。

それにしても、もうちょっと気の利いた邦題にできなかったのかなぁ。

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peke

4.5かなり好き

2025年11月7日
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ドキドキ

情けないディカプリオとスペイン語のデルトロ、そして怖すぎるショーンペン
ポールトーマスアンダーソンの傑作だと思います
途中からコメディだと気がついて、めちゃくちゃ笑った

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brightside

5.0最高!

2025年11月6日
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面白すぎる...!

レオ様のダメ親父っぷりが何とも愛おしいし、
コメディとしてもアクションとしてもめちゃくちゃ面白い。
伏線とその回収までのテンポが良く3時間の長尺さを感じさせない作りなのも良かった。

終盤のカーチェイス?シーンは新鮮で、親子の抱擁シーンは号泣。
ラストのパーフィディアの手紙は何だかまともな母っぽくなってたけど、
彼女はどんな生活を送っていたんだろう。どんな心境の変化があったのかも気になる。

そして本作のキーマンであるセンセイもめちゃくちゃいいキャラだったな。
かつてパットらが行っていた革命とは全く別の方法だけど、センセイは立派な革命家なんだなぁと思った。

最高の映画でした!

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ぞの

4.5「極上のエンターテインメントとテーマ性の見事な融合」

2025年11月6日
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興奮

ドキドキ

 戦いが次々続く。まさに冒頭から「ワン・バトル・アフター・アナザー」である。
移民排斥で抑留されている人々を「フレンチ75」という革命家集団が救出するところからバトルとチェイスが始まる。ただこの映画の根底におかれている移民排斥と異人種差別のテーマは揺るぎなくラストに続く核心となっていて単なるアクション映画ではない、

 冒頭「フレンチ75」のバトルシーンで、ボブ(レオナルド・ディカプリオ)が「俺は何をやればいいの」と戸惑っている姿がコミカルであり、ベルフィディア(テヤナ・テイラー)が抑留所の責任者ロックジョー(ショーン・ペン)に屈辱的な仕打ちをするシーンは変態的でエロチックでありコミカルでもある。しかしロックジョーの復讐心をかきたててしまう。

 ベルフィディアとボブは恋に落ちベルフィディアは妊娠する。ただベルフィディアは黒人で、ボブは白人という設定が重要なポイントになる。ベルフィディアがほぼ臨月でお腹がパンパンなのにマシンガンをぶっ放す姿はまさに革命家だ。娘が産まれてもベルフィディアの生き様からボブと娘を捨て革命家の道に進む。しかしベルフィディアはロックジョーに捕らえられ仲間を売ることになる。

 ボブと娘ウィラ(チェイス・インフィニティ)は名前と土地も変え隠れるように暮らしていく。ボブは過保護的にウィラを溺愛している。ウィラが高校生になったときロックジョーはあることから再度執着心たぎらせ、ボブとウィラを探し出し捕えようとする。ここから逃げる、逃げる、逃げるシーンの連続。ボブは家が襲われ逃げ惑う、追う警察、このチェイスがすごいスピードで撮られている。車で逃げる途中、ウィラの空手の先生(ベニチオ・デル・トロ)が別の顔を持っていて、ボブの逃走を助ける。中年のさえないオヤジになっているボブは走って逃げても仲間の最後尾、段差に足をかけて飛び越える、ビルの間を飛ぶが飛び越えられず警察に捕まるという、レオナルド・ディカプリオのコミカルな演技が絶妙だ。ウィラも逃げたが結局ロックジョーに捕らえられる。そこであることが判明する。捕まったボブは仲間に救われウィラ救出に向かう。

 ボブはひたすらウィラを探す。先生も協力してくれ二人でウィラを探す。ここから二転三転するアクションとカーチェースと効果音の入れ方が絶妙で見ごたえ充分。捕らえられたウィラの戦いはさすがに革命家の母の血を受ついでいる勇敢さを見せつける。ボブの懸命な追っかけ。ウィラとボブとロックジョー、そして謎の会の車の起伏ある坂を利用したカーチェースはぞくぞくするほど興奮度MAXだ。そしてラストは・・・ウィラがラストシーンで見せる行動はさすが革命家女性戦士の血がたぎっている姿にうなずくだけだ。

 登場人物のキャラクターの設定のうまさ、バトル、チェイス、変態チック、エロチック、コミカル、スピード、音、スリリングなカーチェース、血、家族愛。一本の映画にこれらの要素がてんこ盛りになっていた。しかもレオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、オスカー俳優3人の共演もさすがに魅力的で、他の俳優の演技も見事であり、エンターテインメントとして見る者を酔わせた。

 さすがのポール・トーマス・アンダーソン。脚本を書き、製作も担当し撮影し監督している。彼の頭の中にあることをストーリーにし、彼が望むカメラのフレームに映像をしっかりと収め、俳優に効果的な演出をして、迫力と魅力を兼ね備え、しかも移民排斥、異人種差別が現在アメリカにも存在するというテーマ性を最後まで訴求し続けた映画作家に讃歌を送りたい。まさに映画とともに戦いに次ぐ戦いに圧倒された2時間42分であった。

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かな

1.5左翼臭ぷんぷんの酷い映画

2025年11月5日
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ドン・ホセ

3.5ポスター(チラシ)のディカプリオのビジュが…

2025年11月4日
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ドキドキ

 「スピルバーグが3回観た」に釣られて観に行ってしまった。ディカプリオは映画内で普通にカッコ良かったので、内容も悪くないし、ポスター(チラシ)にもっとカッコいい写りのを採用したら女性グループとか入ったと思う。

 音楽の使い方(劇伴)が印象的で、物語に引き込む役割を果たしていたと思う。編集も上手いのかな。監督はアメリカで今いちばんホットな監督?略してPTAと言うんですね(他の方のレビューで知りました)。

 最初はシリアス&セクシー路線で失敗したかなと思ったけど、娘が生まれてからはコメディータッチになって面白かった。ディカプリオのポンコツぶり、溺愛パパぶりが良かった。

 ショーン・ペンの変態性が際立っていた。ディカプリオと会話するシーンはスーパーでのワンシーンしか無かったけどゾッとして面白かった。さすがは天才同士ですね、もっと二人の絡みが見たかった。

 クライマックスのカーチェイスシーンが絶賛されているようですね。同じような画が続き、派手さはないけど、でも不思議と気になって見入ってたら、まさかの…で「そう来たか〜!」と唸った。

 娘のサバイバル能力、頭脳は母親譲りか。幼少期のディカプリオとの父娘シーンがあったらなお良かったな。続編で見せてくれるに違いないと淡い期待を抱いていよう。娘役の子も華があって良かった。これからどんどん出てくるだろうな。

※以上、鑑賞後に備忘録的に書きましたが、下書き保存していたのを見返して今更の公開です。この作品の続編は望めますかねぇ?アカデミー賞にノミネートされるかもという記事もあったので楽しみ。複雑な内容ながらもディカプリオのコメディーセンスは抜群で面白かったし、この父娘のその後も観てみたい。そしたら次の敵役は誰がいいかな?メガロポリスの主役の人とか面白そう。ショーン・ペンに匹敵するくらいの変態性(演技力)のある大物でないと。
あとやっぱり作品のメインビジュアルは客層に大きく影響すると思うんですよ〜、チャラい印象にしたくなかったかもしれないけどディカプリオは美男子じゃないですか。劇場は予想よりかなり空いており、ほぼ男性客でした。おじさん、男友達同士が一席空けて座ってたり。二十歳前後の男性が一人で見入ってましたね。あと中年カップル。日本だけでもチラシのビジュアルは考えて欲しいです。洋画離れが激しいので。

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むりぶし

4.0致死量のハイウッドムービー要素を浴びた

2025年11月4日
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ボブが過去の栄光にすがりつく迷惑武勇伝おじ
ではなく
かつての活躍を完全に過去として区別している現実受入れおじ
であるのが良かった。これだけでノンストレスなのデカい。

そんなおじに育てられた娘が、まああ、有能で勇敢。
そんなウィラが時折見せる「等身大の16歳」が親心を大刺激。

本作で露わになっている社会問題の説明が無いことに、いかに「当たり前に存在してしまっている」かが伺える。
極端な思想が生むものは悲しみしかないんだよーーーー😢!

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葉

3.5そんな暗号どうでもいい!

2025年11月3日
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てんぞー

3.0前段が長い

2025年11月3日
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前段が長くてちょっと寝てしまった。直前にビール飲んだ自分も悪いけど。逃亡劇が始まってからが面白い。音楽はどうも趣味が合わない。革命は楽しそう。

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David

3.5生みの親より育ての親

2025年11月3日
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良いところ
親子の愛情

?なところ
子供は親の所有物じゃない
ポリコレ一直線
なんか終盤のシナリオ破綻してない?

結局のところ、血縁関係のない人同士の繋がりの方が強い、みたいな話。血縁関係の親子はくそみたいなやつばかりで、地下組織の仲間やら傭兵の突然の心変わりとかが人らしい。最後でいきなり親子の愛情みたいなもん振りかざす母親だけど、これって困窮して子供に依存しようとしてるだけじゃ?としか。
あの警視の行動がいまいち理解できない。子供連れ出して適当に処分すればいいのに、死体見つからない方法なんていくらでもあるだろ。自分で殺すのが忍びないと見える描写はなかったし、なんか都合で動いてるような。
kkk要るか?移民とかポリコレとかに絡めたかったのはわかるがどうにも一方的で響かない。あと、金持ち権力持ちの割に自分で動くのが割と面白かったよ。
でも、あれ客観的に見ると、飛ばして来ただけの車乗りを事故らせて謎の言葉浴びせて挙句射殺してるだけなんだけど。そもそもどういう位置関係でああなったんだ?あの車に娘が乗ってるってどこで知ったのかも謎。なんかこう、シナリオと描写が釣り合ってないような。

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木花咲耶
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