「正義とは、軍人魂とは。」大統領暗殺裁判 16日間の真実 Sister-Tamerさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とは、軍人魂とは。
主人公の弁護士がやや漫画チックなキャラクター設定であるため、取っ付きはわりと良かった。
「裁判は善悪ではなく、勝ち負けだ。」
弁護士は依頼人の利益を最優先とする。これが大前提である以上、彼の主義は間違っているとは言い難い。
しかし巨悪と対峙する中で、彼の生い立ちに根付いたそのポリシーが次第に揺らいでゆく。
彼が弁護を引き受けた暗殺実行犯とされる大佐は、法律上や社会上の善悪とは別の価値観を、非常に強い信念をもつ人物だった。
軍人魂だ。
軍人は命令が絶対です。
命令に疑問を持ってはならないのです、それが軍の統制だからです。
私は、この国が良くなると思って、上司の命令に従いました。
家族をダシにして謀略の主から懐柔を受けようとも
家族のためにも意志を曲げてくれと弁護士に懇願されても
大佐は最後まで、軍人魂を貫いた。
その強さと哀しさの中の、消えることなき愛国の思いを
イ・ソンギュンが生命を燃やし尽くすかのように
静かながら万感の思いを込めて演じている。
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