劇場公開日 2025年8月22日

「主役と監督に拍手」大統領暗殺裁判 16日間の真実 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 主役と監督に拍手

2025年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

観る前から、(当時のニュース、いろんな本や記事、映画で)知識を得てどうなるかの歴史は知っていて、つまりは被告となったキャラの行く末はわかっているのだが、緊張感があって目が離せない。

原題は『행복의 나라/Land of Happiness/幸せの国』で、幸せになる前の地獄の時代を活写。
全斗煥ら粛軍クーデターよって、軍に都合の悪いことは全て隠蔽された、史上最悪と言われた軍事裁判の16日間を映画化。
悪役のチョン・サンドゥは、全斗煥(チョン・ドゥファン)がモデルっぽい。
弁護士の存在は創作に思えるが、法廷のやり取りは史実を基に再現したものらしい。
裁判を裏で盗聴する軍から、裁判官に「こう言え。こう判断しろ」という指示メモが逐次届けられる、裁判と言えない茶番劇ぶりが本当にひどく。
創作映画として盛っている(演出している)部分もあるだろうが、往時の軍事政権の非道さが浮き上がってくる誠実な作り。
そして、勝って名を上げることだけを重視していた弁護士が、裁判を通して正義感をつのらせ、命を守る大切さに気付き、政治が国民の命を奪ってほしくないという願いを語る姿に、今の時代の価値観を乗せて提供していて。
説教臭くなく、想いを伝えるキャラとしての弁護士を演じるチョ・ジョンソという役者と、この脚本・演出を手掛けたチュ・チャンミン監督を賞賛したい。

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