「相当な理解力が前提にないと詰まるか…。」三日葬 サミルチャン yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
相当な理解力が前提にないと詰まるか…。
今年172本目(合計1,713本目/今月(2025年7月度)21本目)。
今週の韓国映画のホラー枠です。なお、確認しましたが「一般指定」で正しいようです(PG12でもない)。
移植手術によって取りつかれた主人公(娘)をめぐるホラーもの…のはずで、いわゆる日本で見られるお葬式等は、日韓で多少の違いはあっても文化の推定は聞くので理解はしやすいですが、韓国は日本よりもキリスト教文化が盛んで、日本ではキリスト教「も」ある、に対して、韓国ではキリスト教「が」あるというように大きく異なり(ここは、江戸時代の鎖国政策など、かなり古い時代の影響による)、途中からキリスト教の話になるなど、理解がある程度ないとまるで何を言っているかわからず詰んでしまうような気がします。
さらに、仏教とキリスト教だけならともかく、おそらく他宗教の話も入っており(この点後述)、かなりの理解度がないと何を言いたいかわからず大半の方が理解に詰まってしまうのではないかな…といったところです。このあたり、日韓の文化の違いは推定がきくところと、まったくできないところ(特に宗教関係は、日本ではキリスト教「も」ある、に対して韓国では大きく事情が違う)があり、その後者の話である上に、そのキリスト教も、日本で一般教養の範囲となるカトリック/プロテスタントの範囲を超えてしまうため(詳細ネタバレ回避)、ここがどうかなぁ、といったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
----------------------------------------
(減点0.4/レーティングの指定が一般指定でよいか疑問が残る) ※2つ飛ばしは0.4固定
一般指定ですが、心臓手術のシーンや目玉が飛び出すシーンなど、R15ついてもおかしくないのでは…といったところです(ホラー映画が苦手な方は避けるのも一つの手?)。
(減点0.2/最初の北斗七星や北極星の話が何を意味するか分かりづらい)
ここは、日本にも韓国にもある「曼荼羅」の文化のうち、北極星を崇める「星曼荼羅」の文化がどちらにもあり(日本では衰退し、ごく一部に残るにすぎません)、その北極星を探すときに(理科で習うように)北斗七星かカシオペヤ座で探すという趣旨で序盤に登場します。ただ、このことはおそらくこの趣旨(星曼荼羅)ではないかと思いますが、何らか誘導が欲しかったです(突然、北斗七星をなす7つの星の名前が始まったりするので、???な展開になる)
※ なお、北斗七星「それ自体」は星座ではありません(星座なのはおおぐま座。北斗七星はそのおおぐま座の1/7の面積を占めるに過ぎない)。
(減点0.2/北斗七星から北極星を探すときの数え方)
字幕では「4,5,6…」と数えていますが、北斗七星のα星、β星(ひしゃくの先端)を結んで、その5倍先にあるのが北極星なので(実際は5.2倍くらい)、6まで数えるのはオーバーしています。
(減点0.1/日本で見るときに必要とする教養が極端にマニアックで理解が難しい)
いわゆる日本式のお葬式、キリスト教以外にも、さらに(おそらく、上記の解釈で正しいなら)星曼荼羅の話など、実にいろいろな宗教の話に飛ぶので、ある程度の知識前提がないと完全に詰むような気がします(見る方によっては、まるで何かわからず詰んでしまう)。
----------------------------------------