「あの会話で笑える友人たちのメンタルも怖い」ローズ家 崖っぷちの夫婦 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
あの会話で笑える友人たちのメンタルも怖い
オリビア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチ、二人の演技が物語の大半を占めます。表情豊かでスクリーンに引き込まれそうでした(終盤までは)。
性差により脳の構造が異なるようで、それ故に思考も当然異なるのだと、どこかで脳科学者のどなたかが言っていたようなことを観ている最中に思い出しました。
極めて理論的に説明している(つもり)の夫、しかしその論理には「そもそも」の大切な部分が欠落しているから、ややもすれば妻が発するワードのあげあし取りになりかねません、観ているワタシの口からは「あ~あ、だめだこりゃ」と自らを俯瞰し、世を儚むような溜息すら漏れてしまいます。
物事を解決するためのタイミングはそこかしこにあったのだろうと思います。
友人の弁護士が発した「悪いことばかりじゃなかっただろう?良い時のことだけを覚えていて暮らすのさ」そんな内容の言葉が的を射ていたのではないでしょうか。
しかし、ラストに向けての夫婦でのバトルもそうですが、新居完成時に友人たちを招いての食事におけるみんなの会話がエキセントリック過ぎて、そこからのワチャワチャ感には離脱寸前の気持ちになってしまいました。
それでも、ラストシーンはワタシ好みで、何とか持ちこたえて微笑みながらスクリーンを後にすることができました。
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