「大人の鑑賞に堪える良作」トリツカレ男 おぽ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
大人の鑑賞に堪える良作
この映画はもちろん恋愛要素もある(それが軸になって物語が展開していく)けれども、それを通じて「自己とは何か」そして「人生」というテーマが浮かび上がってくる。翻って考えてみれば、「トリツカレ」という言葉自体が「自己の存在とは何か」をテーマとし得ることを示していたと鑑賞後に気付いた。その「トリツカレ」が他者への献身に100%振り切ったときに、「自己」(本作では自己の中に形成された「他者」を鏡とする)と対峙し、同時に自己が充たされるという(ともすると逆説的な)構造を鮮やかにかつ説得的に描いている。ただの「恋愛もの」ではなく、本気で自己と向き合うこと、本気で他者と向き合うこと、つまり「人生」を語っているのだと思った。鑑賞中は、よく分からないけれども泣けてきてしまったのだが、こういうテーマが心に沁みたのではないかと思う。本物の良作。
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