「何かに夢中になること、自らを省みず愛を届けること」トリツカレ男 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
何かに夢中になること、自らを省みず愛を届けること
まず作画がすばらしく、これだけでも目が楽しい。
背景は水彩や油彩の絵画のようなタッチの時もあれば、
単純化してポスターのような平坦なタッチの時もあって多彩かつ大胆。
色彩もすごく鮮やかで美しく眩しい。
人物は詳細を書き込み過ぎないシンプルで独特な画風だが、
逆に想像力を刺激されて胸の奥深くまで感情が伝わってくる。
大きな声で泣いてない、笑顔なのに悲しいシーンが印象的。
歌は音楽をアピールする手段としてではなく、
登場人物たちの気持ちが高まって抑えきれずに
胸から溢れ出てくるというタイミングで出てくるので自然で、
主人公お二人の素直なクセのない歌声も
誠実なキャラクターにピッタリ合っていたと思います。
全体は、前半で提示されたいくつかの素材、エピソードが
最後にガチッと回収される構成、展開が見事。
登場人物たちの互いを想うほんとうに美しい誠実な気持ちが
重なり、溶け合うクライマックスシーンに落涙。
これから寒くなっていくクリスマスシーズンにぴったりな
アートとエンタメが見事にバランスされた、
心暖まる素晴らしい作品でした。
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