「テンション」新解釈・幕末伝　U-3153さんの映画レビュー（感想・評価）

前作よりも「新解釈」を押し出してた。
あくまでも仮説で、教授の脳内で再生される妄想なのだ。従来の歴史を学習している層には不可解な事も多いだろうけど、現役中高生とかに有益な学習になっているとしたら、この新解釈シリーズの功績は大きいとも思える。

元来、歴史なんてそんなものなのだと思うのだ。
史実に浪漫を加えるとか、小説やら戯曲やらで英雄と奉られた人物も多かろうと思う。
学者が行うプロセスをチーム福田がやるとこうなるって事なのだと思う。
なので面白い場面は面白かった。
寒い場面や寒い人は寒かったけど。
今回、残念なのがやたらにテンション全開のパートが多すぎた事だ。お腹いっぱいというか、またステーキかと嘆くと言うか…内容は違えど同じ切り口のコメディを連続的に見せられるとしんどい。
演者は相当大変だとは思うのだけど、その大変さの割には見返りが少ない仕上がりのように思う。
そんな中で声を出してまで笑ったのが、
佐藤二郎
山田孝之
松山ケンイチ
の3名
佐藤氏はポジション的なとこもあるのだけれど、山田氏は…もう全うしている感じが素敵だった。嘘がないと言うか無理がないと言うか。匙加減が絶妙なのかもしれない。松山氏も雑念が無かったように思う。おそらく咄嗟にでたのであろう「たのもうーっ！」思い出した今も笑ってしまう。
いやー、良かった。
2人とも借物ではなかった。

実はの新解釈シリーズに壮大なコンセプトがあって…既存の価値観に捉われないとか、独創性を打ち出す勇気とか、おおよそ新しいモノを生み出す時に必要なモノが地盤にある。そしてマニュアル社会の軋轢に押し潰されそうになってる連中の先陣を切る形で福田監督は鼓舞しているのだと思う。敢えて前例を作ろうとしてくれているのだ。
続け若人よ。過去に縛られず自由であれ！と。
新解釈シリーズの意図を俺なりに解釈するとこうなるw