「見どころの多いバディムービー」映画ラストマン FIRST LOVE おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
見どころの多いバディムービー
■ 作品情報
全盲のFBI捜査官・皆実広見と、警視庁捜査一課の刑事・護道心太朗による無敵のバディが、難事件に挑むテレビドラマ「ラストマン 全盲の捜査官」の劇場版。監督: 平野俊一。主要キャスト: 福山雅治、大泉洋、永瀬廉、今田美桜、ロウン、月島琉衣、寛一郎、木村多江、吉田羊、上川隆也、宮沢りえ。脚本: 黒岩勉。
■ ストーリー
世界的な天才エンジニアであり、その技術ゆえに謎の組織から命を狙われている ナギサ・イワノワは、アメリカへの亡命を希望していた。ナギサから警護依頼を受けた、元恋人のFBI捜査官・皆実広美は警視庁の刑事・護道心太朗を伴い、北海道に向かう。皆実と心太朗は、護道泉、FBIから派遣されたクライド・ユン、CIA、北海道警の合同チームを組み、ナギサとその娘の保護、そして事件の解決に挑む。しかし、内通者によって情報が漏洩し、彼らは度重なる襲撃に直面する。
■ 感想
テレビドラマのファンとして、公開初日に鑑賞してきました。あえてクリスマスイブ公開にしたと思うのですが、あまりの客入りの少なさに逆効果だったのではないかと思えます。とはいえ、作品そのものはおもしろく、期待していた福山雅治さんと大泉洋さんの名コンビの活躍を堪能できました。
テレビドラマ版では複雑な人間関係が描かれますが、本作では冒頭で過去の経緯も含めてざっくりと振り返ってくれるので、ドラマ未視聴勢でもさほど困らないと思います。かく言う自分も、おさらいシーンや登場する犯罪組織にまったく覚えがなかったのですが、本作をしっかり楽しむことができました。
物語の中心は、国際的な重要人物の保護を巡る攻防のため、いくつもの捜査機関や犯罪グループが絡んできます。ですが、序盤でその関係性を整理しながらテンポよく描いてくれるので、非常にわかりやすかったです。その中で、内通者探しや鮮やかなどんでん返しといったミステリー要素が散りばめられ、盲目でありながらも圧倒的な能力を発揮する皆実の有能さに終始目を奪われます。さらに、学生時代の淡く切ない初恋が物語に絡んでくる展開は、彼の人間的な魅力と深みを増しており、物語に奥行きを与えています。クールな皆実が、心太朗との軽妙なやり取りで見せるユーモラスな一面もまた、このバディの魅力をいっそう引き立てています。
ただ、細かな点で、内通者探しに仕掛けたわかりやすすぎる罠、人質交渉中の長電話、追走する船上からわざわざ照明だけを狙っての発砲、なぜか危機一髪で助かり続ける主人公など、気になる点がなかったわけではありません。それでも、エンターテイメント性のあるおもしろい作品であることに変わりはありません。初日の客入りはイマイチでしたが、年末年始にはきっと多くの集客が見込めるのではないかと思います。主演のお二人やドラマ版のファンの方は、ぜひ劇場でお楽しみください。ちなみにポストクレジットもあるのでお見逃しなく!
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