コンスタンティンのレビュー・感想・評価
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単なるCG多用作品ではない
正直「やたらCG使ってまたキアヌかよ」と辟易して見てなかった
大きな損をした
あらすじとしては
霊能力を持つ肺ガンで死にかけの主人公が天使に使われ悪魔祓い、
善行を積み天国を目指す、という展開
着目すべきは悪魔祓いグッズのデザインと
霊能力の覚醒方法
終盤登場するサタン(ピーターストーメア)のキャラクターである
とくにサタンのキャラクターは最高であり、この映画の一番の名シーンである
正直サタン降臨までは前座に過ぎない
エンドロールのあとのあのシーンは必要だったのか甚だ疑問で
その前の部分で十分オチとして面白かった
漫画のような面白さ。
この手のストリーに―したら、設定もリすぎて大判風呂敷広げすぎてわっけわかんなくなる。
というアレはなくて、面白かったです。
聖書、キリスト関係についてちょっとでも知識もってたりすると「ああ」っていう楽しみもあるかも知れない。
自分が一体どの程度になるかはわかりませんので、なんとも。
ただ結構面白いし、何によりビジュアル的に漫画・アニメ的なかっこ良さ(萌え)がありましたが。
ギミックや、主人公であるジョンの生き方とか。
こういうキャラ、こういうストーリー好きだわ。っていう感じで。
まさにパッケージや、あらすじみて「なんか面白そう」沸々としたオタク心の一部をくすぐられた人なら見ても時間泥棒!と叫びたくなるような駄作ではないと思います。
それなりに面白い。
徹底的にストイックなヒーロー
キアヌ・リーブス演じる主人公ジョン・コンスタンティンは、人間界に潜む天界や魔界からの侵入者(ハーフ・ブリード)を見ることのできる能力を持つ。
さらに悪魔退治の腕も抜群で、タバコを吸い終わる前に片付けてしまう。
それだけなら救世主的ヒーローとして喝采を浴びるところが、襟元はだらしなく開き、ネクタイは風になびき、髪もぼさぼさ。キアヌじゃなかったら不潔の烙印が押されそうなキャラクター。
さらに15歳から1日30本の喫煙で余命1年のガン宣告を受けていて、しかも過去の自殺未遂により死後の世界は地獄行きが決定しているという救いのなさ。
仕事にしている悪魔退治も、死後の地獄行きをひっくり返そうと、自殺未遂のペナルティを帳消しするため躍起になっているだけという人間的にも救いのない利己主義者。
しかし利己主義ではあっても、人間に対する悪意のカタマリというわけではないコンスタンティンは、その能力と行動とで周囲の信頼を得ているという逆説的ヒーロー。
品行方正で誰が見ても否定しようのない正義の味方とは違ったヒーロー像こそ彼の魅力。
美人の女刑事が登場するも、最初から最後まで艶っぽい展開にいかない。利己主義なだけでなく人間嫌いなのかも。「アレ、行ってたら、行けたぜ?(byタマフル/ちょこっとラボ)」状態をスルーしているとあって、野郎の観客からすると心底腹の立つやつ。
ところが彼の行動を追ってくうち、観客は少しずつ応援したい気持ちになってくる。
自己チューなだけに悪魔退治まっしぐらでわき道にそれないし、能力的にも優秀だから回りくどくない。自然、映画としてもスムーズな展開で観ていて気持ちがいい。
必然の展開で世界観と事件背景と人間関係が差し出される。
主演がキアヌということを差っ引いても、ぐうの音も出ない。実に計算され尽くした映画だと思う。
計算高さでいうと、群衆に潜む怪物といい、現実世界と並行的に存在する地獄といい、ホラーに耽溺している人なら、映画で再現されたお馴染みの世界観にウットリくるのではなかろうか。
また十字架や聖句が悪魔退治のギミックとして使われるのはキリスト教世界ではよく見られるが、水が死につながるモチーフになっているというのはおもしろい。死出の渡し守カロンも川で現世と死後をつなぐし、日本神道では穢れを水で祓う。
こういう古典的要素を無視せず、しかしヒーロー像は逆転的に造形するという新しい要素の加え方が実にうまい。
少し調べてみると、カソリックにおける自死が大罰という戒律や、キリスト教的"献身"の究極型であるサクリファイス(Sacrifice/直訳だと自己犠牲)という概念などがからみ、あっちの世界では物議をかもした作品でもあったようだ。
その点、この日本ではあっけらかんと楽しむことができる。少なくとも熱心なキリスト教信者でなければ大丈夫だろう。
とはいうものの、最後のオチはちょっと納得いかない。
ひねくれているのはコンスタンティンその人だけでいいんじゃないかと思う。
もっとも、ラストでいい雰囲気になりつつ、でもコンスタンティンそのものだったエンディングは、ダークな世界を最後まで貫いててくれてうれしかった。
あそこまで徹底してくれたら、「アレ、行ってたら、行けたぜ?」などと言うほうが無粋だ。
では評価。
キャスティング:7(キアヌが主演のコンスタンティンでよかった)
ストーリー:7(もたつかず、短すぎず。オチだけ勘弁)
映像:8(人間界に潜む天使や悪魔、地獄の映像が秀逸)
モチーフ:6(知らなきゃスルーされてしまう要素がふんだんに盛り込まれていてよし)
ヒーロー像:7(お上品なヒーローと対極にあって、しかし正統なヒーローとして成立している)
というわけで総合評価は50満点中35点。
退魔モノが好きな人にオススメ。
おためごかしたヒーローに辟易している人には超オススメ。
お前か!
最近すっかり恒例になり、精神安定剤にまでなってしまっている深夜の映画観賞。つまらなければそのまま寝ればいいのだし、面白ければ寝不足になるだけの話。というわけで、本作を観ました。
始まって10分で「この映画つまんなっ」と思ったのですが、それでもヒロインの女優さんが誰かと似ていることに気づき、ずっとそのこと考えてたら最後まで観てしまっていました。
内容は、一見複雑そうで極めて単純です。天国と地獄の真ん中にある人間界。地獄の大魔王サタンさまの息子がぐれて人間界で一花咲かせてやろうとします。それを阻止しようとする悪魔祓い氏のお話です。
これだけ読むとコメディのように思えますが、タッチはシリアスそのもの。でも、本作の内容は本当にこれだけなのです。笑える話をシリアスにしたものだから、本当につまらないのです。
善と悪の均衡を保たなければ何か大惨事が起きる、という作品全体のテーマはボードリヤールの思想から借用したのでしょうか。こういう勧善懲悪でない映画がアメリカで作られるようになったこと自体に、9・11後の閉塞感があります。
思えば「ダークナイト」もこの類のテーマがありました。なのに、本作は「ダークナイト」と違って観てて眠くなってきます。それは、やはり天国と地獄という本作の構成や霊感といったものが、わたくしには一向に切実に写らなかったからです。
ちなみに、ヒロインの女優さんは、わたくしの前の職場にいた女の子にそっくりだったということが、1時間半でようやく判明しました。
そう気づくと、それに気づくためだけにこの作品と最後までつきあったことと、あの子かわいかったんだと今になって知ったことの二重苦で、心底つかれました。
自己犠牲が彼を救う ~新ヒーローの旅路~
宗教色が強いので、なじめない人には好みが分かれる作品だろう。
しかし、同じヒーローでもマトリックスとは違うヒーローを演じているのが
この作品。 見ごたえあるアクションシーンもおススメだ。
過去に自殺経験を持ち自暴自棄でいる男が主人公、コンスタンティン。
悪魔払いである彼には、「ハーフブリード」と呼ばれる人間に化けた天使と
悪魔たちの姿が見えてしまう。
彼には他人には見えない、見なくてよいものが見えてしまうという宿命がある。
その宿命から逃れようと自殺を図るが天国へ召されたいがために、悪魔退治をしている。
「エゴ」と「トラウマ」を抱えた男の葛藤をよく描いている。
しかし、そんな彼にも一筋の希望がある。
この映画のテーマは「自己犠牲」だと思うのだ。
やさぐれて、反発しながらも1人の女性アンジェラに出会い、
その出会いが彼を「生きる」ことへの真剣さに目覚めさせてくれる。
自殺したアンジェラの妹を救うために、地獄へ向かうコンスタンティン。
彼の中で「誰かのために行動する」という意識が芽生えた瞬間でもある。
最後のセリフは、胸にぐっとくるものがある。
ぜひDVDでご覧になっていただきたい。
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