九月と七月の姉妹のレビュー・感想・評価
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え、いつから...
え、いつから...と途中から脳みそフル回転になる。
支配された者は支配していた者がいなくなったあとも、支配され続ける。
九月に生まれ、七月にまた生まれ、母親から受け継いだ業に苦しむ子ども。
近しい女同士は特に自他の区別が曖昧になりやすく、一体何が問題なのか、誰が問題なのかあやふやになりやすい。
それは姉妹にも母子にも起こり得る現象だ。
「本当はあなたが...」
この言葉が指しているのは明確にどの場面か、誰もが理解できるように映画は作成されている。
でも、この言葉が適用される場面は、きっと数限りなくあったに違いない。
だからこそ、支配被支配の関係性が生まれたに違いない。
夫唱婦随
不思議な映画・・・
ひと足先に「九月と七月の姉妹」を見てきました。本作品が原作が話題になり映画化されたのことですが、本作品、大変に不思議なんですが、ブライアン・デ・パルマ監督作品の「悪魔のシスター」を彷彿させるような作品で、私的には、「キャリー」も思い浮かべました。本作品を見ていると、ホラーにした方がいいんじゃないと思わせるのですが、ホラーにはならなく、姉妹の何とも奇妙と言ったいいのかな、姉妹の間の愛情とも言いましょうか・・・家族的な間のお話とでもいいいましょうか・・・
原作を読んだ人なら、すんなり内容に入れるんだろうけど、原作を知らずに見た私は、冒頭からお話が進んでいく過程で????ばかり・・・・ま、最後に「あっ、そうなんだ」となるんだけど、もしかすると、1回じゃ、理解出来ないかな・・・
ちょっと、難解でもあり、不思議な内容になっています。
何でも、ホラー映画のオマージュ的な要素も含まれているので、「悪魔のシスター」を上げたのは、決して遠い勘ぐりではなさそうです。
しかし、邦題のタイトルも本作品を見ると分かるんですが、原作のタイトルなどを含めて、よく考えたかな・・・・
本作品、感想に少し困るよな・・・見た人によって捉え方も違うだろうし、原作を読んだ人にも、捉え方があるだろうし・・・
ちょっと不思議な内容でした・・・・
音の怖さ
試写会にて鑑賞。
共依存の姉妹。支配する姉と弱気な妹。と言いつつ二人とも十分サイコな姉妹。好きな男子への遠慮のない視線や行動、それを囃していじめるクラスメイトの中心は車椅子の少女。母はデザイナー?でなぜか小さい頃の服をずっと姉妹に着させて写真をとる。事件後引越しした先では美女と崇められ、新たな恋を始めるも。。な妹。みんなちょっとずつおかしい。
シーンとしての怖さはそんなにないが、気味悪さや不快なシーンはちょこちょこある。そして何より音が怖い。関心領域の音響さんと聞いて納得の怖さ。やめて!って叫びたくなる。追い込まれていく感じ。
そしてこの不思議な二人、特に内気でちょっと頭のおかしい?妹の演技が演技に見えず。すごいなあ。。
原作では父も出てきて、セプテンバーの心情の変化なども出てくるらしい。映画はそれを説明せず汲み取る感じ。最後サプライズもあるが、それがなくても不気味さを楽しめた。
September saids..
Silly July.
主従関係を“絆”とする姉妹の哀しさ
わずか10カ月違いで生まれた気の強い姉と内向的な妹。常に姉に従う立場の妹が、学校で虐めを受け続けた事をきっかけに…
ヨルゴス・ランティモス監督のパートナーの初監督作という宣伝で、一筋縄ではいかない内容ではと察していたが、いざ観たらやっぱりその通り。粗筋を説明するセリフの省略、中盤以降から発動する観る者の心をざわつかせる音響(『関心領域』のスタッフが手がけたと知り大いに納得)、そして何より絶対的な主従関係にある姉妹のミステリアスな存在に至るまで、作品全体がなんとも言いようがない不穏に包まれている。
とにかく主従関係を絆の証にしていた姉妹の姿が哀しさを誘う。彼女達がカースト制度のあるインドがルーツなのも意図した事なのだろうか。ついでに言えば、妹を虐める生徒の中心人物が車いすの女子というあたりに(演じた女優自身が脳性麻痺を抱えているとの事)、「障碍を持つ者も悪さはする」というファレリー兄弟作品を思い出させた。
ストーリーの終盤にさしかかる前でオチがぼんやりと分かってしまったのが残念だが、鑑賞後に原作を読み、作者がスティーヴン・キングのファンと知って腑に落ちた。というのもストーリーがキングの某小説と重なる箇所があるし、何よりも冒頭での姉妹の振る舞いが映画化されたキング小説へのオマージュとオチの伏線にもなっているではないか。実にしてやられた。
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