「繰り返すおこない。」九月と七月の姉妹 かなりあさんの映画レビュー(感想・評価)
繰り返すおこない。
自我が強い姉・セプテンバーと、ぼんやりしていて後先を考えない妹(自分がからかわれている、騙されているのに気付かず好きな人とのメールにテンションが上がりヌード動画を送る)・ジュライ。
ただこの好きな人であるライアンはジュライを気にしていないというか、友人たちに「(からかうのは)やめとけ、不憫だろ」なんて言うし、おそらくこのメールを送ったのも友人たち。後述の復讐時にライアンはいないし。
で、セプテンバーはそんなジュライをからかう・バカにする輩から主に暴力で守るんだけど、「セプテンバーは言う。○○をして」とジュライを支配したり、「妹の世話が得意」と言ったり。
ジュライも特に嫌がらない。力関係がはっきりしている。
中盤、ちょっと衝撃的な展開に。
ジュライのヌード動画は拡散され、セプテンバーが憤怒し、いじめっ子たちにナイフを持ち出す。その後退学(セプテンバーは1年で4回停学になっている)or引っ越し。
その後セプテンバーの支配(「マヨネーズ全部食べて」「首を傷つけて」とか)、度が強くなる。
気付かなかったね、セプテンバーが上記の復讐時に一人死んだとは。つまり引っ越し後のセプテンバーはジュライの幻覚です。
引っ越し先で出会った男の子から、夜のビーチパーティ誘いを受けた際、2人が異なる返答をした際に「ん?」となったものの…。
しかしこの男の子!可哀想!
おそらくジュライに惚れて、愛の言葉を紡いだり頬へ軽くキスなどジャブした後、海辺での性行為の後日。
チョコケーキを持って挨拶へ来たら『テラリウム(ミミズ農場)』を見ちゃうは、「お互い初体験だね」って言ったらジュライにその瞬間何故か「海辺での性行為は姉としたんでしょ」と言われてテラリウムをぶつけられるは…。
ちなみにビーチパーティにてジュライ(か、ジュライの妄想のセプテンバー)は「美人」と言われていたので、学校では『変人姉妹』と言われていたけど顔は良かったのかも。性格は変わっていますがね。
そして結局、ジュライが妄想のセプテンバーに「腹に穴を開けて私の場所を作って」と言われ実行しようとするも、母に見つかり止められる。
母は母で直前にスーパーでとある家族にすれ違いざま『アバズレ』と言われていたので精神高揚状態。
そもそもカウンセリング受けてたみたいだし、元々少し弱い部分があったのかも。
で、ここね。母が「セプテンバーのように話さなくていい」なんて素敵なことを言ってる…と思ったら、今度はセプテンバーのようにジュライを支配するようなセリフを吐くんだよね。
「私のブランドであなたのために服を作る」「友達も彼氏と作って…いや彼氏は駄目、あなたの父はクズよ」「大学に行って成功させる」などなど。
で、それを言われているときのジュライ、満更でもなさそうなんだよね…。
そして外出時。
車に乗ろうとしないジュライを、セプテンバーがしていたように口笛で呼ぶ母。
車内で突如口から液体が垂れたジュライに、慌ててウェットティッシュを取るべく車を停めてトランクを開ける母。
ふらりと外に出て崖の上に行くジュライ。
するとセプテンバーの後頭部が見え、あの口笛が。それにビクッと震えるジュライ……END。
はたしてジュライはセプテンバーに呼ばれるように海に落ちたのか(鏡の中のセプテンバーに「私の代わりに死ぬって約束したのに」と言われていたので、ジュライとしてはセプテンバーが死ぬことになったことに後悔してそう)、
それともジュライはセプテンバーの幻覚から逃げられらないのか…。
大きな感情の動きや揺さぶりはなく、いい意味でぼんやりと眺めるように観る映画だったかなと。
その割には母がバーで知り合った男を連れ込んで口淫される&手淫するシーンが長く、母の心の声もしっかりで焦ったけどな!!
これは家族で観ると気まずい。『クリ……』とがっつり5文字言ってるし、男の射精時、股間は映ってないけど男の顔まで精液飛ぶし。
あと驚いたのは、車椅子に乗っている女の子がいじめの主犯になっているところ。
その子は可愛いし男の子が周りにいて、姫みたいな感じ。
車椅子に乗る子って、いじめ主犯格にならないと思っていたので驚きでした。
思っていた雰囲気とは違ったものの、のんびり観られる映画という感じ。