劇場公開日 2025年7月11日

  • 予告編を見る

「天の声「英雄は君だ」主人公「いや無理!💦」」マーヴィーラン 伝説の勇者 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 天の声「英雄は君だ」主人公「いや無理!💦」

2025年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

新聞の長期連載漫画「マーヴィーラン」で英雄を描くゴーストライターの漫画家サティヤは、英雄とは程遠くもめ事が苦手。気の強い母親が政府の立ち退き命令に抗議するのを必死になだめ、母と妹と政府の用意した高層マンションに移る。最初は新しいマンションに浮き立つサティヤたちだったが、そこは手抜き工事によるひどい欠陥住宅だったことが明らかに。
事故でマンションから転落し自分が書く漫画のナレーションのように「声」が聞こえるようになる。必死にあらがおうとするもなぜか声に従ってしまうサティヤ、しまいに手抜き工事を指揮した悪徳政治家ジェヤコディ一に立ち向かうことに?!

声が聞こえ始めてアクションをでジェヤコディ一の部下たちを倒しはじたところから、ああこうやって声に従って強くなるチート物かと思っていたら、そこから二転三転、予想できない展開が続く。

「英雄は民衆のために命をささげた」という声に、死にたくないと必死にあらがう主人公。そりゃそうだ。父親は実際に立派な政治活動をしていたらしいが死んでしまった。そうはなりたくないということなかれ主事の主人公がたとえ声が聞こえてたとしてもすぐに英雄のように生きる決意ができるわけではない。

『アンパンマンたいそう』でいうところの「アンパンマンは君さ」を脳内で言われ続けた主人公とでもいうべきか。しかしアンパンマンが毎回ボロボロになって戦うように、決して英雄になることは容易くないのだ。

主人公サティヤも声によって戦わされていた前半から一転、民衆のために立ち上がると決意してからの後半の展開も決して一筋縄ではいかない。

誰もが漫画のような勇者になりたがるが、勇者は突然ふって湧いてくるわけじゃなく、あくまで誰かのための行動の積み重ねということを教えてくれる。

そして悪徳政治家との対決がアクションだけに留まらないのがよい。最後の展開はぜひその目で確かめてほしい。できれば劇場で!

Jax