「Vox」マーヴィーラン 伝説の勇者 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Vox
今年インド映画多いなと思いながら何本か取りこぼしてしまったので、今作は初週に観に行きました。
神話をモチーフにしたとかではなく、物語のキャラクターの力が宿るといったテイスト違いなところもかなり気になりました。
そこまで深く考えこまず観れるちょうど良いインド映画でした。
漫画家が漫画のキャラクターを力を得れるっていう誰しもが考えたことのある妄想を一風変わった形とはいえ叶えてくれますし、ポンポンぶっ飛ばしていく感じも好みでした。
流れ的にもうちょい短くいけただろうなとは思いつつも、そこを求めるのは酷やなと自分を納得させました。
主人公のキャラクターがインド映画としてはかなり珍しい部類で、気弱な大人しく他人の顔を気にしいという感じで、序盤はその気弱さにヤキモキさせられましたが、漫画で一旗上げてやろうという気持ちは心の底からあり、自分を救い上げてくれた副編集長や家族や団地のためにイヤイヤしながらも力をつけて英雄になっていくというのも良いキャラ造形してるなと思いました。
悪役の政治家もしっかり外道で同情の余地もないくらい清々しいんですが、声に踊らされるという点で主人公と共通点があり、主人公よりも長く支配されてきたんだなと思うと同情の余地があるじゃない…となる不思議な魅力のある悪役でした。
支えてくれてた秘書の言葉が重荷になっていたというのも難しいところでした。
今作はダンスシーンが序盤に1回ドデカいのがあるくらいというインド映画としては珍しい形になっていましたが、その分ストーリーがかなり詰め込まれているのでその辺は良い調整だったなと思いました。
天の声が語りかけてきて物事がその通りになったり、その指示を受けることが対抗策になったりという日本でいうなろう系みたいな感じはありつつも、主人公も力に戸惑いながらなんとかなっているというバランスが絶妙に良かったです。
攻撃よりも避けるアクションの方が圧倒的に多く、避けた先に人がいて攻撃が当たったり、たまたま取った武器が盾代わりになったりとコメディチックに描かれていながら中々エグいことをやっているのも面白かったです。
主人公のお母ちゃんが肝っ玉超えてヒステリックなので、登場するたびに眼光カッと見開いては捲し立ててくるのでちょっとカロリー過多でした。
思わず出てしまった言葉とはいえ「あんな息子なんて死んだって構わない」という発言もなんだかなぁって感じで引っかかってしまいました。
終盤は力を失い苦境に立たされながらも、天の声と再び心を通じ合わせての復活、最初から提示されていた住居の倒壊問題も合わさって大変な状況に立ち向かっていくというド派手な絵面があるのですが、倒壊からオチまでは個人的には蛇足かなーと思いました。
まぁ倒壊問題をほっといて終わるのもアレだったので仕方ないんですが、もっと派手にぶっ倒れぶっ壊されまくって欲しかったです(畜生)。
神話絡みではないので軽く楽しめるインド映画でした。
軽く楽しめるインド映画…?
もうこれは侵されてしまっているようです。
鑑賞日 7/15
鑑賞時間 13:15〜16:10
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