恋愛裁判のレビュー・感想・評価
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眠っていた魂が目を覚ますまで。
深田監督は本作の企画を10年がかりで掘り下げていく中で、はっきりと何かを糾弾するのではなく、現実のいくつもあるレイヤーを踏まえて問題提起する映画に変わっていったと語っているが、ものすごくハッキリとひとつの筋道を語っている作品だとも思う。冒頭のライブ会場に到着するシーンで、真衣はバンの中で眠っている。そしてラストシーンでは、その時に起こしてくれた梨紗と一緒に浜辺で朝日を眺めていて、おそらく徹夜の運転で眠いながらもばっちりと目を覚ましている。ひとりの女性が、無自覚に自分の中でごまかしていたものに向き合い、自分自身の主体性を取り戻す“心の旅”を描いた作品として、とてもストレートな物語ではないか。これまでの深田作品に蠢いていた「世間的には奇人」が出てこないことも、今回のモチーフに向き合った誠実さのあらわれだと思っています。
Dawn
女性アイドルの恋愛絡みでの謝罪や脱退ってアイドル事情にそこまで詳しくない自分でも月1ペースで見るなーと思い、少し前乃木坂のファンだったので、かなりエグい恋愛絡みの件もあったのを覚えていたので、今作のような裁判にまで発展した場合という事は考えた事はありましたが、実際に映画という形になるとどうなんだろうと興味を持っていたので鑑賞。
カンヌ総立ちのところで怪しさは感じていましたがこれ如何にという気分も込みで。
タイトルである恋愛裁判がちっとも面白くならないという致命的なものを背負っており、アイドル活動の場面はかなり良かったが故にメインテーマのせいでブレてしまったなという印象です。
ライブハウスを埋め切るアイドルグループの"ハッピー⭐︎ファンファーレ"は軌道が乗り始めたタイミングで、メンバーの1人の菜々香の恋愛がバレてしまい、その恋愛がひとつきっかけで山岡真衣の気持ちも揺らいでいくといった感じのお話で、アイドルと恋愛どっちを取る?と言った話を期待していましたが、割と恋愛よりの話に早い段階でなってしまいます。
菜々香のファンが凶器を持って握手会にやってくるというのはかなり有名な握手会での事件をモチーフにしているのかなと思いました。
いざ現場にそういう人が現れたら怖いですし、勇気を持って止めに行ったファンもすげぇなと感心してしまいました。
中学時代の同級生の間山くんと再会し、惹かれあっていくという点も間山くんにそこまでの魅力を感じれず、パントマイムができる人以外に人の良さだったり、行動力だったりよりも他の人と違うことをやっているというブランドに惹かれているようで、そこも恋愛への深みが無かったなと思いました。
衝動的に間山くんと逃亡するところも急すぎて普通に驚いてしまいました。
根本である裁判シーンはヌルッと描かれ、どちらかというと裁判での和解だったり提訴だったりが多く描かれるので、そっちのシーンは別にいいかなと思うのにそればかりお出しされるのでなんだかなぁって感じでした。
なんかこのまま負けるのは嫌だ、よく見たらルールと自分のやってる事は違うじゃん、ならば勝負しよう!という少年漫画なら激アツな展開ですが、裁判でこっちの方向に行ってしまったのでなんでやねんとツッコミざるを得なかったです。
どう考えたって和解の方向で行った方が賠償金も無いし、その後の経歴も傷付かない、何より人生設計がやり直せるはずなのに意地を張って裁判に挑んでいく姿はカッコよくもなく、ただただおバカじゃんってなってしまいました。
菜々香宅へ行って2人で話すシーンでの「今は真面目にやってるメンバーしかいないんだよ」的な発言は最初に恋愛トラブル、しかも裏垢にあげるとかいうバカタレ行為をした菜々香が言ってもちっとも説得力が無かったのはある意味面白かったです。
まぁまぁヤバめなやらかしをやってもアリーナツアーまで行けるんですからアイドルグループとしては強いんだなと思いますが、菜々香の一件や楽曲面の強さが中盤からは弱くなってしまうのでそこにも説得力が薄くなってしまうのも残念でした。
地味なポイントですが検事や弁護士の方の演技が詰まりまくっていて本職の人にやらせたのかな?と思うくらいには演技が入ってこずなのはかなりノイズでした。
リアルな感じは出ていましたが、あくまで映画として観ているのでそこはかなり気になりました。
agehaspringsが作った楽曲なのもあって1曲1曲のクオリティが高く、ライブパフォーマンスもきょんこが引っ張っているのもあり見応え抜群でした。
大きな握手会には参加したことはありますが、このような形の握手会は参加したことがないのでそういうところでも新鮮味がありました。
距離が結構近いんやなぁと。
映画としての面白さはかなり薄く、もっとバチバチの法廷劇や恋愛によって崩れていくアイドルグループの様子を観たかったのでズレがあったかなと思いました。
アイドルの恋愛禁止という暗黙の了解は今も昔もこれからも続いていくんだろうなとは思います。
今は熱心に応援しているアイドルグループはいませんが、今後応援したいグループが出てきて、推しが出来て、その後が恋愛したら自分の気持ちはどうなるんだろうなんて考えたりしながら劇場を後にしました。
鑑賞日 1/25
鑑賞時間 16:35〜18:55
偶像か人間かの選択
法的には
たとえ読み合わせのうえ署名しても
「恋愛禁止」条項は有効か、
次に、それに基づく損害賠償請求は可能か、
可能ならその額はどう算定するか、
という点が問題となるはずだけど、
この映画では、その辺は
「なんとなく」描いているという程度。
分かりにくくしたくなかったんだろうけど、
かえって分かりにくくなってないか。
ただ、映画の中心はそこではなくて、
偶像(アイドル)たるべきか、
それとも人間たるべきか、
というところにあると感じた。
真衣(齊藤京子さん)は、
いくつかの出来事の後、
もはや偶像でいたくはないと思った。
全てを投げ出しても、人間になりたいと思った。
そういうことなんじゃなかろうか。
ただ、
その最大のきっかけとなる恋愛の始まりが、
どうにも説得力なく。というのも、
間山敬の大道芸に心を動かされたはずなんだが、
そのパントマイムが、お世辞にも上手いとはいえず、
イギリスで3年修業したとはとうてい思えず。
挙句の果ては、超能力? 幻想?
ここで萎えた。
齊藤京子さんも小川未祐さんも
えびちゅうの仲村悠菜さんもよかっただけに、
残念。
それにしても、
現役アイドルを2人もこういう映画に出演させるとは、
スタダは太っ腹だわ。
(ももクロは結婚してもアイドルだし)
何のために戦うのか
誰が見ても長続きしないだろうなって相手と、一時のテンションで一緒になりアイドルから逃げた主人公。
感情移入も出来ず、彼女が何をしたいのかもわからないまま終わってしまったなという印象でした。
いや、正確にはわからないわけではなかったです。
ナナカちゃんも言っていた通り、マイは後悔している。
アイドルという自分がどうしても叶えたかった夢の職業を手離してしまったことを。
で、多分ケイと生活する中で、一生一緒には居られないだろうなってことも気付いている。
でも、あの瞬間、衝動的に全てを捨てて彼を選んでしまった。
捨ててしまったものの大きさに後から気付き、後悔したものの、今更また事務所に戻してくれとは言えず、もう出来ることと言ったら自分を正当化することしかない。
だから意地になって和解の提案も却下し、基本的人権の尊重を盾に、逆に今度は事務所を訴えた。
と、私は理解しました。
何と戦っているのか、と本当に思った。
幸せを追求する事は全ての人に平等に与えられた権利だから私の恋愛を認めて!ってわけでもない。
もう裁判の終盤、ケイに対する恋愛感情無さそうだったし。
こんなの、ただの腹いせだよ。
ナナカがYouTuberの彼氏と別れた時、ケイはマイに言った。「ルールに従うだけでいいのか。大人だろう。」と。
ケイが言うようにマイは大人なのだから、事務所に迷惑をかけた分はきちんと償うべきだと私は思う。
それを和解という形でチャラにしてくれると言うのだから、もういいじゃないか、と。まだやるの??と思ってしまった。
意地になって逆に事務所を訴えた結果、恐らくあの感じだと勝訴したんだと思うけど、じゃあ何が残ったんだろう。
結局彼女はもうアイドルには戻れないだろうし、元アイドルのマイちゃんとして、ちょっとそれっぽい配信とかしながら一般人と同じように普通に働いて生きていくしかないんだろうな。
あれがリアルな描写なんだろうけど、ふーんという感じで、何かが心に響いたりすることもなく、首を傾げながら2時間が終わったという感じでした。
個人的にはアイドルでも恋愛したって良いんじゃないのと思うんですけどね。
でも突然男と失踪するのは良くないかな。
真衣よりも菜々香の方が仕事の面では信頼に値するかな。
法廷シーンがメインでところどころ数年前の回想シーンを挟むのかと思いきや、時系列に沿って話は進みます。
まぁアイドルの恋愛禁止については結論の出しようのないテーマかと思いますけど、少なくとも会社組織が損害を被った分の弁済弁納を求めるのはごくごく真っ当な話かと。
それを人権侵害云々と言い出すのなら、最初からアイドルなんて諦めるか、フリーランスで活動するかしかないと思いますけどね。
結局のところ真衣にはアイドルとしての覚悟も力量も十分には備わっていなかったのでしょう。
ところでアイドルファンの男性って
①ある程度の収入
②全国どこでも駆けつける行動力
③他人からどう見えようとも気にしない鋼のメンタル
この三つが備わっているように思えるのですが。この要素があれば現実世界でも恋人を作ることは可能かと思うのですが如何なんでしょう?
まぁ大きなお世話ですけどね。逆を言えば私には上記の三点が全く備わっていないので特にアイドルに興味が湧かないのでしょう。
そんなことを考えながら観てました。
お客さん5人しか?いなかったなぁ。
2026.1/27
パントマイマーの世界は厳しい
あの芸があればはちゃめちゃ稼げるハズなのにね。
3年イギリスで修行した稚拙なパントマイムではなく
マジシャン名乗ればラスベガスのホテルショー満員でしょうよ?
出し惜しみしてるからクルマも彼女も手放す羽目になる。
そんな教訓をいただきました。
きょんこにょうはスタジオの鏡に映った姿がひっくり返るくらい可愛かったし、小川美祐は隠しきれないWLW感が良かったし、スタダの2人は扱いが違い過ぎたし、元STUの今村美月はもう少し出てもいいかなと思ったけど、ここでも出尺はアイドルの世界と同じで人気順。人気商売は残酷です(敬称略)。
個人的には特典会のオタクの解像度が高かったのと、暴れてるオタクを止める勇者のオタクがいたのがツボ。まあそんなに積んでないオタクに爆積みのオタクがキレただけかもだけど。あとコールもっと頑張れ。
トータルどこの誰をターゲットにしてるか全然わかんなかったな。アイドルの人権の話がしたかったのかもしれないって隣の人が言ってた。
口直んなかったな。それではハバナイスムービー!
法廷シーンは少ないよ
予告を観て気になってた映画だったので鑑賞しました!
人気急上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める山岡真衣は、中学時代の同級生・間山敬と偶然再会し、恋に落ちる。
アイドルとして背負う「恋愛禁止ルール」と、抑えきれない自身の感情との間で葛藤する真衣。
しかし、ある事件をきっかけに、彼女は衝動的に敬のもとへと駆け寄る。その8カ月後、事態は一変。
所属事務所から「恋愛禁止条項違反」で訴えられた真衣は、事務所社長の吉田光一、チーフマネージャーの矢吹早耶らによって、法廷で厳しく追及されることとなる。
というのがあらすじ!
タイトルや予告を観たとき法廷ものだと思ったらそんなとこはなく法廷シーンとかはちょとだけでしたね笑
序盤はメンバーで恋愛している菜々香の自撮り写真が裏垢から流出し炎上して配信者の彼氏と別れることに…
真衣と梨紗は協力してて応援してたのにね
裏垢で仲間内であっても写真をアップするのはだめだよと見てて思いました…
絶対に売るやつがいるから…笑
心理的に写真に撮ってみんなに見せたくなっちゃうんですかね?
このことがきっかけでファンが暴走。
似たような事件が現実でも起こってましたよね
怖いですね…
メンバーが彼氏と別れたこととこの事件がきっかけになったのか…
敬と惹かれあったことでまさかの2人で逃走します笑
そして8ヶ月後に2人は裁判所に。
和解を持ちかけられ和解したのは敬だけ…
ハピファの車が通ったとき泣いてましたね
泣いたってことはやっぱり後悔してたんですよね
後悔してるのがところどころ出てた
結局は2人は別れたみたい…
しかも裁判は勝ったみたいで何を勝ち取ったのか特に言ってなかったような🤔
気になるところですね
そして他のメンバーの梨紗は夢を叶えて菜々香は人気者。
同性同士の恋愛は確かに契約上の違反じゃない笑
最後に梨紗とだるま太陽を見てエンディング!
アイドルのファンの人や推してる人たちがいる人たちにとってはあんまりいいエンディングとは思ってなさそう…
好きなというか推してるアイドルグループはいるのですが自分はそこまでガチファンではないしむしろあのライブ会場の雰囲気とかなんかちょっと苦手です…
かなりのお金を使ってアイドルに入れ込むファンの気持ちはあんまり理解できなかったし…
推してる人が出てる番組とか配信は観たりはします
なのでガチファンからしたらファンとは言えないかもしれません
でもファンがいることで成り立ってるしいろいろ難しいですね…
そしてアイドルはなんで恋愛禁止が暗黙のルールになってるのか正直に言うと謎ですね
アイドルだって1人の人間だし恋愛することあるだろうに…
むしろ幸せならそれを応援しようと思わないんでしょうか?
いろいろな考えはあると思いますが…
でも人を傷つけてたらだめですよね
アイドルのファンがいる人にとってはいろいろ考えさせられる映画だったと思います!
あと思ったのがマネージャーの役をしていた人よくあの役を受けたよねと思いました
恋愛で関係者にいろいろ迷惑かけた人でしたよね笑
アイドルってかなり大変だなと改めて思ったしいろいろ考えさせられる映画でした
ありがとうございました😊
もう一歩
原作は未読です。
アイドルグループのメンバー山岡真衣は中学時代の同級生と偶然出会い惹かれていく。
そして地方に移動する際に仕事をすっぽかして逃亡する。
場面が変わると8か月後に移り眞衣は契約違反で所属事務所から訴えられている。
個人的にはこの8か月間にどんなやり取りがあったのか描いて欲しかったと思う。
当然事務所からの説得があったと思うのだが、それに対する眞衣の主張、覚悟を描いてくれると眞衣に対する感情移入が出来たかもしれない。
この話だけだとただ無責任に契約違反をして居直っているようにしか思えない。
さらに和解を拒否して反訴するというところで物語は終わる。
恋愛禁止ルールの是非については色々な意見もあるだろうから視聴者の判断に委ねるというのも分からなくもない。
ただ恋愛裁判というタイトルをつけたからには一旦白黒を付けたほうが良かったのではないか。
何か消化不良なままで終わってしまった。
出演者の演技については良かったと思う。
特にに金髪アイドル役だった子。
ちょっとは期待したが。
期待せず見たので良かったです。
本日AUマンデイでTOHO新宿で鑑賞しました。
ここから、ネタバレします。
あまり期待はしていなかったので楽しめました。良かったです。
芸能界のアイドルの恋愛についてのストーリーでしたが、途中でワンクッション入れているので最後にそれらが、ストーリーとテーマに重みが出たと感じました。
前半と発煙のシーンは、某アイドルと被り
「まじ、大丈夫」と思いました。
まあ、齊藤京子はそのアイドルグループの妹グループに所属していたので納得はしました。
私は、今自分の境界線や自己決定やいろいろ考え日々過ごしているので、4人の生き方がそれぞれ交差しながら(助け合い、
傷つけながら)成長していくところは
共感しました。
ラスト近くで齊藤京子がダンススタジオで
次の予約のキッズに遭遇しダンスを見るシーンは
ストーリーとしては、出来過ぎなような気がしましたが、それはそれで希望がある映画になって良かったと思いました。
今回は、人では無く、シーンが心にのこりました。
たぶん🤔後半にワンシーンに大きな木🌲🌲が2本ありましたが、人間の心理的距離.境界線も、相互依存ならこんなイメージかなあと感じました。
共依存なら、枝、幹が交差するんだろうかなあと感じました。
人間関係は、根が張ってないと上手く🤔🧐いかないのかなあと勝手にイメージして気づき、共感しました。
この映画の関係者様の皆様お疲れ様です♪
ありがとございました。
♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪🥹👍😊😀
タイトル倒れの迷走感。リアリティの欠如と「作り手の都合」がノイズになった残念な一作
【全体感:期待との乖離】
予告編やポスターのビジュアル、そして『恋愛裁判』というタイトルから、アイドルのスキャンダルを巡る重厚な「法廷劇」か、あるいは世間のバッシングに晒される「社会派恋愛ドラマ」を期待していた。しかし蓋を開けてみれば、法廷シーンはわずか2回程度。裁判映画でもなければ、恋愛映画としてのカタルシスもなく、どっちつかずの印象が拭えない。
【設定への不満:スケール感の不足】
劇中のヒロインは「ようやく人気が出始めた」という立ち位置だったが、物語の構造を考えるなら、いっそ誰もが知る「国民的アイドル」という設定にしたほうがスキャンダルの社会的影響力や、失うものの大きさが桁違いになり、物語に緊張感が生まれる。「裁判」と銘打つわりには、人気上昇中のアイドルという設定にとどめたことで、事件のスケールが小さくまとまってしまった印象が否めない。
【脚本の違和感:大道芸人というノイズ】
最も没入感を削いだのは、相手役の「若い男性大道芸人」という設定。
おそらく制作サイドとしては、限られた尺の中で「アイドルが一瞬で恋に落ちる説得力」を持たせるためのギミック(非日常的な出会い)として採用したのだろう。しかし、現代日本において「若いイケメンの大道芸人」という存在自体のリアリティが薄く、その作為的な設定が物語のノイズになってしまっていた。
これなら、ごく普通のファンの青年や、あるいは業界内の格差恋愛(芸能人同士)のほうが、まだ地に足がついたドラマになったはずだ。
【構成の矛盾:主人公だけ「無風」の違和感】
劇中、別のメンバーが恋愛発覚により握手会で襲撃されるというショッキングなシーンがあり、スキャンダルの「恐怖」や「外圧」が提示されていた。
しかし不可解なことに、肝心の主人公自身の恋愛については、ファンからの反応や世間の声といった描写がスッポリと抜け落ちている。
「他人の恋愛ではあれほどのリスクを描いておきながら、主人公の時だけ無視されるのか?」という矛盾が際立ち、物語が当事者間だけの狭い世界で完結してしまっているため、アイドル映画としての緊張感が維持できていない。
【演出の疑問:もはや超能力】
余談だが、二人が出会う屋上のシーンでのパフォーマンスには苦笑せざるを得なかった。
ロープ一本で浮遊するマジックなのだが、ヒロイン(齊藤京子)がロープに触れてもなお浮き続けている描写は、物理法則を無視しすぎており、マジックというより単なる「超能力」。ここで完全に現実に引き戻されてしまった。
【商業的な透け感】
劇中のアイドルグループを現実世界でも売り出そうとする商業的な意図が透けて見えた。近年でいう『推しの子』の実写化成功などの「二匹目のドジョウ」を狙っている感が透けて見え、映画そのものの純度を下げていたように感じる。
総じて、設定のリアリティラインの甘さと、商業的な下心が目立ち、素材の良さを活かしきれなかった惜しい作品といえる。
主人公にどこまで感情移入できるかが...
ソーシャルメディア上で話題になっていたので、公開日に見に行きました。アイドルのリアリティ云々というのは、当方がアイドルへの見識がないので,よく分からなかったですが、丁寧な作りをしているなあと感じました。
物語が動く、あるアクシデントとそれに伴う主人公の女性の行動、そしてその後の展開があまりにも突飛でついていけなかったです。
アイドル=偶像を求められることは、イメージ商売で得る対価とリスクのバランスにおいてそこまで異常性を感じるものではなく、むしろそのルールのなかをうまく振る舞うことが求めれるのではないかと感じました。
アイドルの運営側を悪の権化のように描かなかったことが単純な二元論に終始しない点で良かったですが、そもそもグロテスクな商売(同じCDを大量に買ったり、握手やチェキで接触を図ったり)であることの前提が全体にどこまで共有されているかがよく分からないなあと感じました。
理想と現実の狭間で掴み取る、"私"というアイドルの矜持
イントロダクション:夢の先にある「現実」の高解像度な描写
アイドルになるという夢をようやく叶えた女性たち。しかし、その先に待っていたのは、煌びやかなステージだけではなく、理想と「ビジネス」としての現実の狭間での葛藤でした。
本作は、彼女たちが互いに励まし合いながら活動する姿を描きつつ、リアルなアイドル像と運営の実態を極めて高い解像度で映し出しています。単なるサクセスストーリーでも、暴露的なバックステージものでもない、等身大の「痛み」と「輝き」が同居する導入部から、一気に物語の世界へと引き込まれます。
前半:圧倒的なライブパフォーマンスと、崩れゆく理想
物語の前半は、アイドルグループとしての活動にフォーカスが当てられています。特筆すべきは、ライブシーンにおけるダンスと歌唱の迫力です。制作に10年を要しているためか、描かれる現場の風景には少し前の時代の空気が漂いますが、それがかえって運営の「リアルな質感」を醸し出しています。
メンバーたちは人気の序列を意識しつつも、普通の女の子として友情を育んでいきます。しかし、ある炎上事件を機に、主人公の意識は大きく揺らぎ始めます。ファンの顔など見ていない運営の冷徹な認識を目の当たりにし、「自分の求めていた理想はここにはない」という残酷な事実に気づいてしまうのです。
後半:すれ違う恋人と、孤立する魂
物語は後半へ進むにつれ、より個人の内面へと深く潜っていきます。主人公にとって、自身の行動に自信とプライドを持ち、同じ理想を共有していると思われた恋人。しかし、同棲生活や訴訟という現実的なプロセスを経て、彼は徐々に変節していきます。「運命共同体」だと信じていた二人の心はすれ違い、主人公が描いていた「恋愛」という理想もまた、音を立てて崩れ去っていきます。
孤立感を深める中、かつての炎上のきっかけとなったメンバーと再会するシーンは、本作の白眉です。自身の訴訟を「アイドルの恋愛の正当性」を訴えるためだと語り、理解を求める主人公。対して、成長した彼女はすでに現実(ビジネス)を受容しており、主人公を拒絶します。ここでの仲村悠菜の無機質な名演が、主人公の孤独をより一層際立たせています。「アイドル」としての理想からも乖離し、絶望の淵に立たされる主人公の姿には、胸を締め付けられるリアリティがあります。
エンディング:自らの声で戦うことの尊さ
これまでの生き方を外部から否定され、全てを失ったかのように見えた主人公。しかし、彼女は再びダンスの練習に打ち込みます。かつての自分のようにアイドルを目指す子供たちと踊る中で、彼女は気づくのです。彼女たちが目指す「アイドル」像とは、他者からの評価ではなく、「自分を大事にすること」なのだと。
現実というビジネスに埋もれ、かつての尖ったパフォーマンスを失った恋人。そして、裁判における安易な「和解」。主人公はそれらとの決別を選びます。外部から与えられた「アイドル」や「恋愛」といった外形的な理想ではなく、憧れ、苦労してアイドルになった自分の行動が間違っていなかったことを証明するため。彼女は自分の声で主張し、裁判を続けることを決意します。
本作が優れているのは、現実を受け入れ「恋愛禁止」のルールの中でアイドルを続ける道を、決して間違いとして否定していない点です。しかし、主人公があえて「恋愛禁止」=「アイドル」という強固な通念の打開に挑戦することで、アイドル業界が抱える構造的な問題に対し、我々観客もまた疑問を持つべきだと鋭く突きつけています。
本作は、アイドルと裁判というフォーマットを借りながら、女性たちがそれぞれの人生を選択していく姿を描いた、優れたヒューマンドラマです。
タイトルから連想されるような法廷劇のクリシェや、業界の闇を暴くといった扇情的な演出にあえてフォーカスせず、表情、台詞、小物、背景を通して主人公の心の機微を丁寧に追うドキュメンタリーに近い手触りがあります。
観客の意識を静かに、しかし力強く主人公の「魂の選択」へと誘導する制作陣のこだわりが際立つ、必見の一作です。
アイドルは恋愛禁止
とりあえずのメモ
慣習VS個人。チカラ尽くではないのに、パワフルな映画
”たたかう”この映画は
バトル(戦闘、対戦)ではなくストラグル(奮闘、苦闘)の方であると思う。
プライドをめぐった話であると感じた。
派手な展開があるわけでもなく、
いつも通りの深田晃司ドラマで、淡々とした描写が多い。
故に、静かに、パワーのあるストーリーだったと思う。
いつもと違うのは、感情表現がとてもわかりやすいところ。
特に、真衣がアドトラックを見て号泣するシーン、
スタジオでアイドルに憧れる少女たちを見守るシーン、
ここは真衣の揺らぐ気持ちが伝わってとてもよかった。
あと、屋上のシーン。
あのロープマジックは非現実的で最初「?」だったが、
恋にかかる魔法→あのマジック、ということか?
たしかに、好きになり始めって、どんなことでもキラキラしているように見える。
でも、成就してしまうと次第に現実も視えてくる。
それが、後半の大道芸は、一般的なジャグリング、もっというなら、真衣にもできたジャグリング。これは、倉さんのインタビューを読んで気づいた。
そう考えたら突然のファンタジーシーンも凄いと思った。
そこは深田作品、わかりやすくしても、
演出に無駄なことが一切ないのだ、露骨ではない伏線回収である。
さて、タイトルやビジュアルから、
バチバチの法廷バトルを想像するかもしれないが、
この映画は、ひとりの女性が「自分」としてどう生きるかの物語だと感じた。
その自分、というは、
①アイドルという職業の自分
②真衣という一個人の自分
のことであると思う。
そもそも、本件は民事裁判。めちゃ地味な事案である。
『HERO』のような「新しい証拠が出てきてて!!!」のようなどんでん返し的な展開もあまり望めない裁判の種類。
恋愛行為(不倫等は除く)そのものは、社会的には罰せられることではなく、本件では、ビジネスのルール、不履行案件。賠償の額は800万円。行ってるビジネス規模、劇中でのこれからの展開を考えるに、補填額も大した額ではない。事務所側にとってはコスパは良くない争い、と思う。
しかし、事務所の方は”アイドルの個人的な恋愛OK”な前例をつくってはいけないし、ルールを守っているメンバーへ示しをつけなければいけない。
一方、真衣は、アイドルという世界線では契約不履行な行為であり、一部のファンには失望させたことはわかっているが、自分の正直な感情を殺してまで、憧れを提供する仕事を続けるべきなのか、その抑制は、自身が目指したアイドルという職業とイコールであるべきなのか、を問う物語なんじゃないかな。
慣習VS個人。
失ったものが多いのは誰かというと、
仕事・時間・恋人・友人・金銭的財産と真衣である。
まあ、この映画が問いたいことを度外視したら、ビジネスのルールを破った真衣に非があるのは避けられない。個人的には、違法行為ではないので、バレなきゃいい、と思っている。不法と違法の違いである。
元々応援してくれていたファン(消費者)から支持を失うのはある程度仕方がないことだし、ファンにも好き嫌いの自由がある。もちろん、暴力は論外だが。
なのできちんと契約書を読む、契約書は真衣を騙した訳ではないと思うので、何度もいうけど、社会的に見たら真衣に非があるさ。
でも、恋愛とかプライベートなことには干渉しないアイドル業界、事務所があっても良いよね。これまでの社会通念の常識を疑問に思ってもよいよね。
やはり、疑似恋愛をマジ恋愛寄りの距離感をつくりだすことも危ういことなんだ思う、そこはファンサイドも推し活のリテラシーを築かないといけないのかな、と思ったり。やはり構造の問題はあるし、そこを指摘している作品。
いつもの深田作品と違い、嫌な人はでないし、ヴィランも存在しない。一個人や一会社批判ではなく、業界構造に対しての指摘。
まあ、感情の面ではハッキリとしないモヤモヤはあるので、ドライブインでの梨紗の発言は業界の社会通念にアッパーを喰らわせたスカッとシーンである。そこは深田的パンチなシーンだなと思った!
あなたのアイドルにはなるが、あなただけのアイドルではない。
決して所有物ではないのだ。
この映画を観た方が”推し”の個人としての幸せ(=プライベート)を考えるキッカケになれば良いと思う。
ちなみに、ポスターはフランス版のほうが好き。
この映画は、
アイドルシーンなどのカラフル・キラキラした物語と
法廷やプライベートなどモノトーンでクリアな物語の対比を観るもの。
冒頭でも、法廷バトルではないと言ったが、法廷でのカットはティザービジュアルにしておくと、観客の捉え方が変わったのかな、と思う。
東宝配給になったことで従来のメジャー映画感になったかというと、
ある意味”映画の色”のレパートリーが増えただけで、深田映画の骨子は保たれていた。
これまで予算や配給規模の都合か、
地味に視えていた部分は少し多様的なマーケティングになったことは感激した!
あなたのそれは、恋とか愛とか呼ぶものですか
観終わった感想はね、「深田晃司監督作品だな」ってのしか出ないの。
なんか、描く内容なのか、描き方なのか、とにかくすごいことをやってくるよね。
オープニングの画がすごいね。こりゃ良い映画だなと、もうそこで思うの。撮影が《ドライブ・マイ・カー》も撮った四宮秀俊さんということで納得。
そこからは、楽しいアイドル活動なんだよね。
「深田晃司がアイドル撮ってる!」という驚きがあるんだけど、筒井真理子をきれいに撮れるんだから、そりゃアイドルも撮れるかと、なんか納得すんの。
齋藤京子と倉悠貴の出会いのシーンもいいね。
だんだんと惹かれる二人で、車を降りるときの齊藤京子の握手はエロい。
そこでアイドルグループメンバーがYouTuberと付き合ってることが発覚し、大問題に。
いや、こっちで裁判すんのかと思ったよ。違ったけど。
ここで『たくさんの大人があなたたちのために動いてるんです』とか『他の子は大丈夫だよね』とか追い込んどくのがうまいね。
『アイドル辞めるか、別れるか、どっちかだ』ってなって、このメンバーは別れることを選ぶの。
「『別れなさい』って言われたら、気持ちを抑えることができる。そんなものを恋とか愛とか言ってるから駄目なんだよ」とこのときは観てて思ったね。
しかし、そのメンバーに尽くしてきたファンは、キレてメンバーを襲います。
齊藤京子とファンがなんとか助けて無事で終わるんだよね。
しかしここで社長が『○○さんって誰?』と襲ったファンのことなんて俺知らねえよに見える態度を取ってしまう。
ここで齊藤京子は「私たちはファンに喜んでもらうためにやってるけど、たくさんの大人たちは違うもののためにやってんだ」と思ったんだろうと思う。
心配で見守りにきた倉悠貴の車に乗って「やってられるかよ!」と恋の逃避行です。
『お前らに何言われたって、この気持ちは止められねえんだよ』という感じで、「そうだよ、その気持が恋とか愛だよ」と、このときは思いました。
カッコいいね。ここでメデタシメデタシで終わっても良質な短編映画なの。
しかし8ヶ月後にとんで、キレた芸能社長に損害賠償の裁判起こされてんだよね。
ここでの唐田えりかの演技がスゴイ。
唐田えりかも劇中では元アイドル設定で、齊藤京子の気持ちが分かるんだよね。
恐らく気持ち的には齊藤京子の味方で、訴えた社長はやりすぎだと思ってる。
でもマネージャーとして会社側にいる自分はそれは言えない。
という感情を、目の演技だけでやりきってる。すごいよ。
深田晃司の次作は唐田えりかだと思うね。
裁判を続ける中で齊藤京子と倉悠貴もすれ違いはじめてしまう。
止められない気持ちを成し遂げて、お互いに満足なはずだけど、お互いがお互いの夢を奪ってしまったかも知れない状況なんだよね。その辺がツライ。
そして負けたときの費用負担でも、意見が割れちゃうの。
ここで、齊藤京子が金を稼ぐ手段の一つとしてやることが、配信ってのが、泣ける。
自分が一番もってるスキルが何かというと、アイドルのスキルなんだよ。
配信してるときの倉悠貴のパントマイムが、壁にはばまれてそっちにいけないマイムで、そこで二人に断絶があるんだなってのも悲しいの。
そして急転直下。芸能事務所が理解ある会社に買収されたため、ほぼほぼ訴えを取り下げるに近い和解案が提示されました。
ここまで色々描いたんだから、ここで和解してシャンシャンでいいじゃん。
でも深田晃司は、ここから描く。
齊藤京子は和解に同意するか迷うの。
それで、あの襲撃騒動を起こしたメンバーに会いに行くんだよね。
『あなたのためにも戦うんだ』みたいなこと言うんだけど、『それは、あなたがアイドルになる夢を棒に振ったことを悔やんで、こっちを羨んでるだけだろ。こっちを巻き込むな』みたいな返しにあって。
弁護士からも、ここで同意しないなら、これ以上の弁護は無理ですみたいなこと言われんの。
それで、どうなんだっていうと、齊藤京子は和解に同意せず、逆に芸能事務所を人権侵害で訴えるんだよね。
倉悠貴どうすんだよ!ってところで、倉悠貴は逡巡した後で『和解に同意します』と述べる。
この逡巡って「私と別れる? どうする?」っていう逡巡でもあるんだよね。倉悠貴は別れることを選ぶの。
止められない想いを恋とか愛とかよんで、それに人生を賭けて、それが素晴らしいと思ってたんだけど、こうなってみるとどうなのさ。恋とか愛とかなんなんだよ。
ということを観てて思ったな。
作品の中くらいなテーマとしては「アイドルってどうなのさ?」みたいなとこなんだよね。
本当はまさに偶像崇拝なの。偶像としての存在と実体は分けて考えなきゃいけないんだけど、分けられないんだよね、観る方は。
そこを敢えて分けさせないようにして、いわばつけこんで、金を巻き上げてる面もある。
それでもアイドルで、本当に救われてるんだって言う人もいう。
「そこ、どう考えます?」っていう作品だとは思うんだよ。
でも、そうやって観てたのに『愛とか、恋とか、なんだろう?』と観る方を考えさせることができる、深田晃司はスゲエなと思ったな。
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