罪人たちのレビュー・感想・評価
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俺たちみんな罪人なんだよね!
「フロム・ダスク・ティルドーン」を下敷きにしながら、差別され、抑圧され、奴隷として扱われてきた黒人やアイルランド人の歴史的背景に加え、ブルースという音楽の文化的背景などをふんだんに盛り込んだ映画。
たぶん、上記どころかヴァンパイアの常識というかルールすらよく知らない日本人にはハマりにくい要素がこれでもかと詰め込まれている。
ヴァンパイアであるレミックがサミーに対して「おまえの歌と物語をよこせ」というセリフなど、ブルースが盗用されてきた歴史を見事に皮肉っていると思う。
そういった痛烈にシニカルに描いているところは素晴らしいと思う。思うのだけれども、個人的には映画本線である人間vsヴァンパイアの戦いでもっと魅せてほしかったなぁという印象。もっとブラックエクスプロイテーションしてほしかった。ラストでKKKを乱射していくシーンが一番ワクワクした。
ああいう感じで、本線の部分でもっとB級映画のようなブチかましをした上で、前述したような様々な要素があれば最高だったのに…と思ってしまう。
決して悪くない。むしろよくできている。スゴイと思う。ただ、個人的にはそれほど面白いとは感じなかった。
この作品が日本で劇場公開されて、昨年の「陪審員2番」が配信ストレートかぁ、という思い。
ブルース・ブラザーズ+フロム・ダスク・ティル・ドーンを、クーグラ監督とマイケル・B・ジョーダンが料理した逸品
ネタバレあり
デビュー作からコンビを組んでいる俊英ライアン・クーグラー監督とマイケル・B・ジョーダンのコンビの最新作で、途中で味変ならぬジャンル・チェンジする作品で、約137分の長尺もダレなく進む。(説明セリフは多め)
ジャンル・チェンジすると言っても冒頭からフリが、あり初見でも感の良い人ならわかる様に構成しておりその巧みさに唸るのと、内容的には同じ構成の傑作『フロム・ダスク・ティル・ドーン』に『ブルース・ブラザーズ』的な前半を、クーグラ監督達のアイデンティティでもある黒人音楽の要素と系譜をたっぷり描き、自分達の所謂ルーツを託した大ヒットマーベル映画『ブラックパンサー』と並ぶテーマを扱っていると思う。
1930年代の初頭なので悪名高い禁酒法も残っており、その頃のアメリカ南部の濃厚な描写も映像もIMAXの65ミリフィルムを使い堂々たる風格を感じる(残念ながら都合で通常版での拝見ですが…)
音楽物とホラーにジャッキー・チェンやジャン・クロード・ヴァン・ダムなどの活劇スターやウィル・スミスもやっていた一人二役(双子設定が多い)で主演するジャンルものエクスプロイテーション映画の様相もありますが、ライアン・クーグラー監督作だと若干弱かった活劇面の捻りが足りないとは思うが、その辺は興味ないのかも?だが、突発なワイヤーアクションや画面にマッチしないCGなどを、乱用されるより良いかも。
個人的には、吸血鬼を追っていたネイティブ・アメリカンのハンターの佇まいに凄みとカッコ良さもあり活躍して欲しかったかな。
悪魔を魂を売るや呼び込むと伝えられるブルースを題材にその発祥で現代のロックやヒップホップまで発展させたアフリカ系アメリカ人による正しい面や同じ奴隷労働に準じて差別を受けていた中国系アジア人の真っ当な描きかたなども、トランプ以降のアメリカでこの作品が超ヒットしたのは救いだと思う(と思うたらイラク攻撃のニュース流れてきてガッカリだよ)
長年映画を観ていた映画ファンなら元ネタ的な『ブルース・ブラザーズ』や『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を、クーグラ監督とマイケル・B・ジョーダンが、自分達のルーツとして料理したなかなかの逸品で一見の価値はあるので、音響の良い映画館での鑑賞がオススメです!
余談
チャドウィック・ボーズマンが存命だったら今作はマイケル・B・ジョーダンと兄弟役で見たかったかも
ブルースで思い出す映画として70年代から80年代に優れた活劇映画を作り映画ファンに信頼されていたウォルター・ヒル監督のフィルムグラフィティーに妙な作品がありタイトルは『クロスロード』(1986年)
ブルース・ギタリストを目指す青年のラルフ・マッチオ(当時は若手人気スター)が、ブルースの為に悪魔に霊を売ると言われるクロスロードを目指しギター対決をする寓話的作品で、最後のギター対決で意外な手を使って勝つのだが、ブルースが題材なのにそれかよ!と一部音楽ファンからツッコミを受けた作品で、ロックの寓話と謳った『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984年)撮ったヒル監督がコレかよと思った。(ちなみにアメリカから一年程遅れて、少な目の規模でひっそりと日本公開された)
スタックと連れ添うヒロインにあたるメアリー役の設定は、片方の親がのハーフ(だよね)黒人白い肌のアフリカ系と割と珍しい印象ですが、思い出すのは、映画『攻殻機動隊』などで、海外でも人気のある士郎正宗の近未来SFアクション漫画『アップルシード』の主役でヒロインでもあるデュナン・ナッツで、彼女も明るい髪と白い肌の女性だが、母方がアフリカ系のクォーターで、劇中で白い黒人と言われていて母親は人種差別者に突然射殺された過去があり、相棒で恋人のブレアレオス(事故で全身をサイボーグ化してる)もヨーロッパ生まれの黒人の設定で発表された80年代当時としては進んでいたのだが!日本で2000年代に劇場版アニメ化された時に、人種設定がデュナンとブレアレオスが共に白人に再設定されており、ハリウッドの実写版攻殻機動隊で、主人公の草薙素子を白人スターが演じていて日本でも批判されたホワイトウォッシングを日本でもやっているのが残念(ガイナックスが80年代に手掛けたOVA版にはその説明はない)
クオリティ高い
人種差別に真っ向から中指を突き立てた怪作ホラー
賛
エンタメとして最高級の完成度でありながら、全編にわたって明確に強いメッセージ性を含んでいるハイクオリティな作品だという印象。
映像もさることながら、この映画は音楽が素晴らしい。自分が劇中最も震えた、サミーが"I Lied to You"を歌うと同時に様々な時代の音楽が登場するシーンでの音の重厚感が半端ないし、歌曲だけでなくスコアも良い。
本作においてブルース音楽は代表的な黒人文化として扱われており、それにつられて酒屋に現れる吸血鬼たちは小さなコミュニティ独自の文化を無理矢理併合して吸収しようとする大衆のメタファーだと思った。
最初のスモーク&スタック兄弟の登場シーンカッコ良すぎた。マイケル・B・ジョーダンの持つ華が半端ない。
否
個人的には若干規模が小さく感じてしまった。アル・カポネの名前が登場した時点でギャングの介入を期待してしまっただけに、一夜限りの騒動で終わってしまったのは本当に少しだけ残念。
あとこれは完全に好みの問題なのだが、人種差別と絡めるには吸血鬼という存在は少しファンタジーが強すぎるかなとも思ってしまった。
コントラストが効いてくる
前半は差別的な社会で強く生きようとする人々と音楽の人間ドラマ、後半は打って変わってガッツリとしたアクションホラーで、そのコントラストも全体の物語としてうまく効いており、とても面白かったです。
基本1日の出来事ということで、時代背景や登場人物の人となりが伝わる前半から、突然の惨劇をどう乗り切るかという後半まで、テンポよく分かりやすくまとまっていると思いますし、差別や宗教的な罪について描かれているのも印象深いです。
黒人への理不尽な襲撃は現実と重なりますが、今作の襲撃者も理不尽な迫害を受けて来た移民であったと思われ、理不尽な暴力の連鎖に複雑な気持ちにもなります。
襲撃者を倒した後の展開は、失われたものへの想いや覚悟など、目頭が熱くなってしまいました。
音楽が重要なキーとなっていますが、音楽に詳しいわけではないということもあり、中盤の音楽の魔術的力が示される場面はカオスでシュールで面白い表現とは思ったものの、それ程入り込めませんでしたが。
とは言え、全体として音楽の力は強く伝わり、希望を感じるもので良かったです。
ラストに登場した二人にとっては、ハッピーエンドだったのかもとも。
しかし、人間社会では一緒になれなかったということでもあり、やるせなさも感じます。
盛りこみすぎでは?
全米で脅威の大ヒットということで気になっておりましたが、あらすじを読んでも要領を得ないので劇場へ。
一言でまとめるとタイトル通り盛り込みすぎだと思う。
天才的なブルースの才能をもつ少年サミーの歌はある種シャーマンの神おろしの如き効果を発して、彼の歌で人々の持つルーツ、そしてそれぞれの神や体内に脈々と流れるリズムがクラブの一つの場所に集結して踊り狂う。まさに文字通り血湧き肉踊る深部の高まりを感じる場面だった。個人的に出色はその場面がピークで、その後の吸血鬼との戦いのくだりは、えーと、これって何の話だったっけ?と首をかしげるような思いにずっととらわれていた。
でもエンディング近くで『最高に幸せだったあの時』な一面の綿花畑のど真ん中の一本道を、抜けるような青空へ向けて車が走っていく、あの場面は清々しくいい画面。ここで終わってほしかった。その後は私としては蛇足でした。
スコットランドルーツとの対比も興味深くはあれど。吸血鬼とのバトルは目新しいわけでもなく、ホラーとしてはたいして怖くもなく。ブードゥー魔術は雀の涙程度の効果でしかなく。ずっと生き続ける悲哀も羨望もない。愛情ある相手との対決ならばゾンビものでもっといいものありそうだ。
KKKをやっつけるから人種差別への対抗としての爽快さはあるんだろう。
ギルティではなくわざわざシンだから、キリスト教の原罪の意味合いでの罪人たちのはず。教えに背く罪?そもそもの存在の罪?兄弟での争い?それとも異教?各人が抱える足かせからの解放、自由への渇望が当時の時代背景からは罪ということ?とにかくあれもこれもと要素を入れ込みすぎて結局焦点が絞れてないのでは。
もしも黒人主軸だからと米国で評価が高いのであれば、ポリコレの弊害じゃないのだろうか…。
でも作品全編に流れるブルースはどれもよくって音楽に☆加算です。
ホラー映画史上最高傑作の一本‼️
何なんだ、この格調が高すぎるサバイバル・ホラーは‼️1930年代。ミシシッピ州の故郷の田舎町に戻ってきた双子の兄弟スモークとスタックは、いとこのサミーや仲間とともに当時禁止されていた酒や音楽を振るまう酒場 "クラブ・ジューク" をオープンする。しかしオープン初日の夜、三人の招かれざる客たちが現れる。彼らは血に飢えたヴァンパイアだった・・・‼️こう書くと流行のB級ホラー臭がプンプンするのですが、これはキューブリック監督の「シャイニング」と並ぶ、トンデモない名作ホラーだと思います‼️根底にあるのは当時の人種問題‼️ "クラブ・ジューク" が白人禁制だったり、劇中に度々登場するKKK、登場人物たちが差別を受けてきたバックグラウンド、ブードゥー教に精通したスモークの妻アニー、実はアフリカ系の血を引いていて当時としては法律違反だったヘイリー・スタインフェルドのメアリーのキャラクターなどなど‼️ "クラブ・ジューク" はそんな彼らの自由への象徴であり、サミーが牧師である父から禁じられたギターを演奏するのも自由への渇望ですよね‼️そんな彼らの自由への欲望の障壁としてヴァンパイアたちが現れ、ここでvsヴァンパイアの凄絶なノンストップ・サバイバル・アクションが展開‼️ヴァンパイアだらけのバーを訪問してしまう「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の逆パターンですね‼️このシーンは阿鼻叫喚の凄まじいバトルが展開するんですけど、木の杭やニンニク漬けで抵抗する、昔ながらのヴァンパイア退治の戦法が好感持てるし、ヴァンパイアのビジュアルもモンスターもどきではなく、赤く光る眼と鋭い牙のみのシンプルなもので、そのシンプルさゆえに恐怖感が倍増してます‼️殺戮シーンもグロさは控え目にしてあるのもイイですね‼️スモークがKKKもどきの連中と繰り広げる凄まじい銃撃戦も強烈な見せ場です‼️そして今作を単なるヴァンパイア・ホラーとは一線を画すものとしているのは、ストーリーはもちろんのこと、全編にあふれてる素晴らしき音楽たち‼️サミーをはじめ、黒人たちが演奏するブルースはもちろん、ヴァンパイアの三人が奏でるアイルランド・ミュージックをはじめとするカントリー・ミュージックもホントに心酔させられる‼️ラスト、現代で年老いたサミーによるライブ・シーンもホントに胸が熱くなります‼️そんな年老いたサミーをスタックとメアリーが訪ねるシーンも印象的ですね‼️ヴァンパイアとなっても、昔の仲間だったサミーの生き方を長年尊重してきたスタックとメアリーの優しさや心情、哀愁が垣間見れる素晴らしいラスト・シーンだし、現代のファッションに身を包んだスタックとメアリーもとてつもなくイカしてる‼️一人二役を演じたマイケル・B・ジョーダンは見事だし、わがゴヒイキであるヘイリー・スタインフェルドもホントに魅力的‼️そんなジョーダンと名コンビであるライアン・クーグラー監督も、アフリカ系アメリカ人たちの深い文化や歴史をヴァンパイア・ホラーと融合させた手腕はホントに素晴らしいと思います‼️早くも名匠の域に達している‼️思えば「ロッキー」のスピリットをスタローン以上に解っていたのはクーグラー監督だったし、今や一大フランチャイズであるMCUで、アカデミー作品賞ノミネートの実績があるのもクーグラー監督だった‼️これからもクーグラー監督の発表する作品にはチョー期待です‼️
タイトルなし(ネタバレ)
※ネタバレになるかもしれない感想
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』と比較してる感想もみるけど、序盤から出てくるのであそこまで唐突ではありません
というかあの頃はSNSもなく映画情報も月イチの雑誌くらいしかなかったのでネタバレとかも中々喰らわなかったですが(浜村淳氏からくらいですか)、『フロム・ダスク〜』もあまりの展開にホントに劇場でビックリしたものですがああいう体験は最近では難しいですね。
IMAXで上映中に画角変わることにそれほど効果あるかなと感じることも多いのだけど、この映画は結構効果的だなと思いましたし、音楽的な面からもIMAXがお勧めです、と言いたいけど上映館少なすぎですよね。
アンコールまである極上LIVE
部分的にIMAXのシーン、音と画面の広さに、
今流行りの没頭を堪能できる映画館で観るべきで、それを選択できてしあわせ。
女、酒、音楽、ダンス、リズミカルな銃撃戦、あと男
オマケで吸血鬼
いちばん好きなとこ 家族一つになった三人
あと最後のアンコール、ギターとうた声
今のところ今季ベストワン
肩透かし。今後、『グーグラー』の期待チェックを外すべし。本作は『ブルースギター』を弾いている人専用。
WOWOWの全米映画番組が無くなって、ネットしか売上順位の画像を知れなくなったが、突如350億ドル超え売上1位のニュースで日本緊急公開。
「ホラーだホラーだ」なんて煽ってるから『マイケルジョーダン』が出る「黒人恐怖映画」ってどんなだ?ってことで観に行きました。池袋。
前に「ブレードランナー」観に行ったんだけど、「そんな大したことないなぁ。この映画館。」と、不満げに帰ったことしか覚えてなかったが。
なんだかわからんけど上映館少。洋画観客減少のあおりだろうが、ここは500人劇場の2/3は埋まった。
いる・いる・出た。でた。『じ・えくそしすと』とか『ざ・しゃいにんぐ』とかこうゆうところでTシャツ着ちゃう『お上り感100%』のやつ。
着たいんだろうなぁ。他に着て恰好つくところ無ぇもんなぁ。あっ、あれか?「コミコン」かぁ?どこで買うのかなぁ。『自作かぁ?』
「IMAXGT+」なんて銘打って何が凄いんだよ?と思いながら入ると巨大スクリーンが嫌でも目に入る。「こんなんだっけかなぁ?」
横25.8mX縦18.9m?
「縦幅なんてもっとあるんじゃないの?」「デケェなぁ。」で、上映開始。
さすがに上記寸法でのフル上映の場面は迫力あり。縦18.9mは凄い。なるほど、一度は観に行く価値はある。
続けて『メトロポリス』を観たが、冒頭の「ドライバー」のシーンの壮大さは他では出せない。(寝たが。)ただ、前の奴の頭がジャマ。
で、内容なんだけど。
結局『ブラックパワーPART2』の一言。
別にホラーって訳では無いよな。黒人が『タランティーノ』をパクっただけじゃん。って訳でも無さそうなのが、
テーマは「吸血鬼」じゃなくて『黒人魂』。
純粋に「黒人が作った恐怖映画ってどうなるのかなぁ」なんてワクワクして観に行くと肩透かしに遭う。
これでいきなり500億円だろ。どうなんだろうねぇ。最近の「アカデミー賞」なんて『ブラックパワー』丸出しだもんなぁ。
「追悼コーナー」なんて酷いもんだよなぁ。「白人監督や俳優」が画面に出されても「シカト」なのに何故か「クインシー」コーナーは別格で別枠だもんな。
確かにいくつか作っているけど誰もがしってる曲作ったかぁ?『ゲッタウェイ』くらいしか俺は今思いつかねぇよ。
だいたい聞いたことあんのかよ。『ゲッタウェイ』の曲なんて。観たことあっても「憶えちゃいねぇだろ。」
これからは、ハリウッドも『ユダヤからブラック』になるのかねぇ。
いや、舐めちゃいけませんよ。舐めちゃ。
あっ、『舐める』といえば『筆おろし指南』(前段階ね。)もあったけど、いざ覗いてみたら『ボタン』じゃなかったらど〜すんだろうな。『さがす』のかね?
「黒人至上主義』も悪いとは思わないけど、度がすぎるのもねぇ。「トランプ」も黒人潰しには行ってなくてハリウッドはもはや『渾沌の民主党状態』だから来年はこの映画が獲るんだろうが、日本向けでは無いよな。「ブルースがどうとかこうとか」言ってる『知ったかぶり』は居るだろけどホントのところ黒人の考え方や肌感覚なんて多分何一つ分かっていないんだから。「ピーターバラカン」だって知っちゃいねぇよ。
最後に一言。最近、本編に入る前にスマホを見てると「消せよ!」とか言ってくるやつがいるがそんな義務なし。
俺なら、『逆ギレ。』
本編はダメよ。
“悪魔と取引せずともBluesを手に入れていた男の物語”な映画
魔法のギターとギターテクで、本当に悪魔を魔界から呼び寄せてしまったミシシッピー・デルタ地帯のある恐怖の一夜の物語。
最初のエンドクレジットのあと、Buddy Guyの生ギター演奏が聴けます。
*正直、ホラー映画としてのカタルシスを期待するとかなり肩透かしな作品でした。タランティーノやロバート・ロドゲリス的なものを勝手に期待していました笑
*ロッテントマトの評価がえらく高かったので、平日休暇の昼間から割引も利用せず、正規料金2000円を払って鑑賞したけども、個人的にはそれに見合う満足度は得られませんでした。鑑賞前に早まってパンフレットを買わずに良かった笑
*ハーモニカとピアノを弾いていたあのオッチャン…風貌がどこかSonny Boy Williamsonみたいなのが、ずっと気になってしょうがなかった…笑
*どうも、この監督さんの作品とは相性が悪いのか、あまり面白いと思ったことがない気がする笑
とにかく、テーマ性を出したいのかも知れないが、どれもこれも表面的で、深みが無いというか…。例えば、ラストに近いKKKの襲撃場面だけど、これが全然恐ろしくない!もし、あれは「単なる白人の酔っ払い集団」なんて設定が与えられていたら、たぶんそういう風に信じて観ることが出来たと思う。
そして、“ブルース”を扱っていたけれども、既視感のあるシーンばかりで残念でした。
吸血鬼ホラー部分の出来が悪すぎる
前半の「七人の侍」のような仲間集めのシーケンスとミュージカル部分は楽しめましたが、後半の吸血鬼ホラー部分の出来が悪すぎてガッカリ。ホラーになった瞬間、出てくる人のほとんどがひたすら説明セリフをしゃべりまくります。ウソみたいに下手くそな演出でビックリしました。
後半はまさに蛇足そのもののシーンが3つもあって、本当に説明してばかりの演出なんだなとウンザリ。
演奏シーンはどれも素晴らしい。オープンカーのバックシートで「Traveling」をやるシーンは本当に気持ちがよかった。吸血鬼を呼び寄せる原因となる酒場での演奏シーンも素晴らしかった。
あと、「黒人だけでなく、アイルランド系や中国系の人たちの差別被害を重層的に描いていて立派」だという評価をやたらと見かけますが、ホラー映画定番の「絶対やっちゃいけないことをやるバカ」を中国人女性にやらせてるのは、めっちゃ中国人差別で女性差別では?
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