罪人たちのレビュー・感想・評価
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思い込み
内容紹介を見ないで鑑賞したのですが、勝手に当時の人種差別の物語だと思って見てたら、なんか少し違ってました💦吸血鬼との戦いの物語でした。ストーリー的にも少し残念でした。
歌と欲と暴力の物語
序盤、ダレてしまいました。
鑑賞前の想像では、まずは「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のようなパニックアクションを妄想していました。
事実、物語の導入から恐怖感を植え付ける演出が有ったので、予想通りのパニックやグロさを覚悟して鑑賞したところ……小一時間でダレてしまいました。
導入のサミーの緊張感ある映像から、その本題到達までが……長過ぎた。
前半小一時間の前置き物語も長過ぎました。
それでも、物語の根幹に深く繋がりがあるのかなと、想像して観続けた結果、あの小一時間の前置きは、相当量カットしてもいいのではと思いました。
くどいようですが、導入の「見せ方」からして、多くの人がパニックとアクションを想像せざるを得なかったと思うのですが、小一時間の起句が、普通のロードムービーのような、ある意味安定した緩やかな語りだった。
それ自体は別にいいのだが、本作をバンパイアとのアクションを想像していた限りでは、あの小一時間の導入は、個人的に受け入れられなかった。
途中バンパイアが進攻してくる映像を入れていたため、「戦いはいつ始まるの?」と、ウズウズしてしまった人も少なくないのでは。
結局、本格的なバトルは、なんと終盤の15分程。
これには、ド肝も抜かれた。
この映画は、アクションではなくロードムービーの様な、音楽と人種問題と酒と女の映画に少しホラー要素を盛り込んだ作品でした。
映画のタイトル「罪人たち」には当てはまる描写は多く有った。
主人公の兄弟自体、当時のシカゴから下ってきた有名な悪党だし、青少年の不倫、セックス、酒、暴力、差別、音楽(これも罪として描いていると感じた)、その巣窟に襲いかかる悪の象徴。
KKKとの確執やネタ明かしや争いに関しては、もう、何がなんだかの目線で勢いで見るしかなかった。
バンパイアとの争いとは直接関係ないし、物語の本筋と捉えるには、あまりに中途半端な存在感だった。
この映画、おそらく欲との攻防、差別問題、人間愛、それを紡ぐ音楽(ブルース)を見せたかったのだろうと考察する。
バンパイアは取り入れなくても良かったのでは。
そもそもバンパイアの設定や見せ方自体が中途半端で留まっているし、明らかにアクションやホラー要素は二の次になっている。
途中で度々退散するバンパイアとか、何で家に入れないのかと、また誰でもいいから入室を許可しただけで何で入れるのかとか、何でサミー(音楽)がバンパイアにとって重要な要素なのか、説明がまったくなかった。
バンパイアとの最後の戦いの幕開けも、何とも無理矢理感(中国人女性の我慢が出来ないがための発声。限界を超えた緊張感が伝わらなかった。)が否めなかった。
ラストはあっちこっちに飛んで何とか結末を納めたが、正直、首を傾げる物語でした。映像の見せ方も中途半端と言わざるを得ない。
評価する点は、音楽やブルースの映像は良かった。
マイケル・B・ジョーダンさんの最後の黄昏も悪くはない。
サミーじい様のくだりや、サミー青年のギターソロのくだりも、それだけ切り取って観れば、悪くはない。
各演出や見せ方を個別に切り取って観れば悪くはないのだが、それでは1つの物語として成立しない。
いかんせん物語の結合性が、あまりに無理矢理だった。
バンパイア無しで、ブルースと差別をテーマにしたヒューマンドラマで良かったと思う。
バンパイアの存在に、大きな意味が有ったとしたら、申し訳ないが自分には理解できなかった。
妙なミュージカル性やパラレル性を取り込んだり、制作者は色々と、複雑な全てを表現したい気持ちが強すぎたのかもしれない。
見る人が見ると、また違った見方ができるのかもしれない。
Devil of the Delta Blues Singers. ジャンル全部載せ、灼熱のガンボ・インフェルノ!!
1930年代のアメリカ南部を舞台に、若きブルースマンとその仲間たちが体験する恐怖の一夜を描くミュージカルアクションホラー。
監督/脚本は『クリード チャンプを継ぐ男』や『ブラックパンサー』シリーズの、名匠ライアン・クーグラー。
新たに酒場をオープンした双子のギャング、スモーク&スタック兄弟を一人二役で演じるのは、『クリード』シリーズや「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」のマイケル・B・ジョーダン。
スタックの元恋人、メアリーを演じるのは『はじまりのうた』や『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズのヘイリー・スタインフェルド。
神楽、読経、雅楽、聖歌、ゴスペル、ケチャ、ハカ、レゲエ、ナシード等々、古来より洋の東西を問わず音楽は“異界“との交信の為に用いられて来た。精霊や御霊、神を鎮魂、あるいは礼賛するのが目的なのだが、往々にして彼方の存在は正邪の境界が曖昧になるものである。
従来の西洋的“清きもの“へのカウンターとして生まれたブルースは、「悪魔」と結びつけて語られる事が多い。“史上初のロックスター“とも称される伝説的ブルーズマン、ロバート・ジョンソンは十字路で悪魔と契約を交わし、天才的なギターの腕前と引き換えに自らの命を捧げたという。享年27。この後、天才的な才能を持つミュージシャンが27歳でその命を落とす事例が頻発する。ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウスなど、悪魔を魅了しその魂を引かれた者たちの事を「27クラブ」という。
ロバート・ジョンソンをはじめとする27クラブのメンバーに限らず、ブルースの世界では傑出したミュージシャンの早逝は珍しい事ではない。
「20世紀前半で最も優れたブルース歌手」リロイ・カーは30歳、「ロックンロールの祖」スリム・ギターは32歳、「キング・オブ・ザ・カントリー・ブルース」ブラインド・レモン・ジェファーソンは36歳、「天才ハーモニカ奏者」リトル・ウォルターは37歳、「三大キング」のひとりフレディ・キングは42歳、「キング・オブ・ザ・スライドギター」エルモア・ジェームスは45歳。作中、プリーチャー・ボーイが持つギターの前の持ち主だとされた「デルタ・ブルースの父」チャーリー・パットンも43歳で亡くなっており、この様に50歳以下で魂を悪魔に奪われたブルーズマンは後を絶たない。
この場合の悪魔とは「病」あるいは「事故」、はたまた「酒」や「ドラッグ」などを指すわけだが、今作ではブルースが文字通り本物の“悪魔“を連れて来てしまう。
前半、アル・カポネの下から金を持ち逃げしてきた双子のギャング、スタック&スモークが仲間を集め、黒人専用の酒場をオープンさせるという件(舞台となる1932年はまだ禁酒法が施行中であり、酒場で酒を提供する事は“罪“とされた)から一変、後半では迫りくる吸血鬼を酒場で迎え撃つアクションホラーが展開される。更に最終的にはKKKとの銃撃戦まで繰り広げられるという、正にジャンル映画の“ガンボ・インフェルノ“である。
怠惰、強欲、色欲、暴食、嫉妬、傲慢、憤怒といった“大罪“を享受する酒場の面々vs吸血鬼という、内容だけ聞くとバカバカしい映画の様だが、天才ライアン・クーグラーがただ騒がしいだけの映画を撮る筈がない。長編デビュー作『フルートベール駅で』(2013)で見られた人種差別への鋭い視線や、『ブラックパンサー』(2018)で描かれた黒人文化へのリスペクトが全編を貫いており、非常に知的で洗練された印象を受ける一本である。
黒人たちを襲撃する、ジャック・オコンネル演じるヴァンパイアにも注目したい。
ブルースに誘われただけあり、彼もまた音楽的な素養に溢れている。彼とその下僕たちの演奏には黒人たちも「悪くないな」と感心してしまうほど。
ここで彼が演奏しているのはアイリッシュ・フォーク。白人音楽であるフォーク・ミュージックは黒人音楽のブルースと交わり、やがて「スキッフル」というジャンルに変化。海を渡ったスキッフルはイギリスで流行し、ブルースの派生系である「ロックンロール」と同化。イギリスで「ロック・ミュージック」として生まれ変わったこのジャンルは祖国アメリカをも席巻した。
この現象は「ブリティッシュ・インヴェイジョン(英国の侵略)」と呼ばれるが、その名が示す通り、黒人音楽のブルースは白人音楽のロックに取り込まれ衰退してしまう。考えてみれば、これは「文化の盗用」と呼ばれるギリギリのラインである。
ジャズの世界ではベニー・グッドマンが「スウィングの王様」、ロックンロールではエルヴィスが「キング・オブ・ロックンロール」、ヒップホップではエミネムが「史上最も影響力のあるラッパー」と、常にブラック・ミュージックは後に出て来た白人アーティストにそのジャンルのお株を奪われて来た。もちろんこれはそのアーティストに天才的な才能があったからこそだが、ただそれだけではないと言う事も頭の隅に置いておく必要があるだろう。
『ブラック・イナフ?!? -アメリカ黒人映画史-』(2022)という、デヴィッド・フィンチャーとスティーヴン・ソダーバーグがプロデュースしたドキュメンタリー映画があるが、これは映画界における白人による黒人搾取=「ブラックスプロイテーション」に着目した作品である。これに描かれている様な黒人の文化が白人に搾取され続けている現状に対する批判的なメッセージを、彼はフォークミュージックを奏でる白人ヴァンパイアという形で暗に示しているのだ。
全米で大ヒットしたというのも頷けるエンタメ的な面白さと、批評家を唸らせたというテーマ性が見事に合致。ジャンル映画的な観点でいうと、ちょっとスマートすぎて下品さが足りないという不満もあるが、まぁここまでの完成度の映画はなかなかお目にかかれない。見事っ👏
本作はクーグラー監督の長編5作目だが、早くもキャリアを総決算するかの様な力作を作り上げてしまった。この後が大変だと思う一方、次にどんな傑作を作るのか興味が尽きない。
今最も注目されている映画監督、ライアン・クーグラー。彼の動向に目が離せませんっ!
※「世界で最もセクシーなアニオタ」ことマイケル・B・ジョーダン。クーグラー監督はデビュー作から一貫して彼を起用し続けている。監督した長編映画5本全てに出演しているどころか、プロデューサーを務めた『スペース・プレイヤーズ』(2021)でも死ぬほどしょうもない使い方で彼を出演させている。今作でももちろん彼を起用しているのだが、まさか2人に分裂させちゃうとは…。どんだけ好きなんだよっ💦💦
何はともあれ、本作を観たトム・クルーズはBジョーダンの演技を絶賛し、「次の映画では絶対彼と共演するっ!」と息巻いているらしい。確かにトムクルとBジョーダンの共演は観てみたい!Bジョーダン、あんた多分近いうちに上空3,000mくらいのところでで格闘スタントやらされるぞ!気をつけなはれやっ!!
鑑賞動機:アメリカでの評判5割、あれもしかしてFDTD系?4割、ヘイリー1割
おや、またジャック・オコンネルと遭遇。
IMAXサイズなのは一部分だけ。確かにそのシーンは驚いたしすごいなとは思った。開店までが長すぎるのと、終盤の乱戦が今ひとつというか、もっと少数で戦える状況を作って欲しかった。でもディープサウスと吸血鬼はやっぱり合う気がする。
なるほど
話題作ということで観ました。
特殊な時代背景の中で描かれる吸血鬼の物語としては、確かに斬新だし、メッセージ性も強く感じた。
ただ、単純に物語の展開だけを見ると、言うほどどんでん返しがあるわけでもなく、むしろさまざまな要素がうまく噛み合っていないように感じた。
音楽が悪魔を招くような話は何度もあったけど、一番最初に現れた吸血鬼がそれと関係なく、ただ唐突に現れて、どこから来たのも最後まで不明なまま。途中で一人謎の死があったが、それも解明されてない。さらに女性が怒りにまかせて、何の準備もないまま吸血鬼を部屋に入れて共倒れするような展開にも、正直納得できなかった。結局この話にはなぜ吸血鬼が必要なのかよく理解できてないです。
この映画が評価されているのはストーリーではなく、ほかの要素によるものだと思う。
NO ジャンル
ライアンクーグラーとマイケルBジョーダンとルドウィグがタッグ組んだら期待値上がるけど、それを超えてきた。
映像もワンカットも綺麗で見やすくて、不気味なとこは怖い。人間くさいこと描いてるのに非常に上質なバンバイア映画に仕上がっている。そしてサントラがすごくいい!!
日本人の私が書くと陳腐な言葉しかでないけど、いろんなこと混ぜてるのに落ち着くとこがすごい
終わってからジワジワ…これは映画館で見て帰り道でいろいろ考えたくなる映画
あ、エンドクレジットでてもまだ帰らないでね!
追記 遅ればせながらサインインやり直したら、今までの履歴が消えてしまった泣 移行トライしてるけど疲れてしまった
クーグラーの新境地
昨今の映画製作では原作や続編物が多い。もちろん、それらの前提がある物の方が興行的な見通しも立てやすすく、制作会社からしたらリスクが少ないだろう。
本作はライアン・クーグラーによる完全なオリジナルである。この挑戦的な作品を作ろうとしたクーグラーやそれに賭けてみようとしたワーナーには賞賛を送りたい。
これまでにも人種問題を取り上げつつ、エンタメとして成している作品は主にスパイク・リーなどが作ってきた。クーグラーはブラック・パンサーの一作目からその傾向が強かった。
白人の純血以外は認めないというジム・クロウ法をもとに白人=ヴァンパイアという視点やパブの扉を人種の境界としている点、アイリッシュミュージックとの対比も素晴らしい。
ヴァンパイアが感情共有を共有して苦しむ様はどこかカルト宗教的なものを感じる。
また本作は劇中にほぼ絶え間なく音楽が流れている。
彼らがつらい扱いを受けているときでも歌を口ずさんで乗り越えてきたような文化を象徴とさせる。
クーグラーには続編には向いていないのかもしれない。
ブラックパンサーやクリードも一作目が素晴らしいが続編になるにつれて弱くなっていく。
本作のインタビューではフランチャイズから離れたかったという発言もしている。
フランチャイズで実績を積みつつ、本作の様な作品が今後も観れるのであれば否応なく彼の作品は観続けるだろう。
前半サイコー!後半…?
とにかく前半は文句なしに最高!!
仲間が揃うまでの流れはずっと音楽が鳴り続けていて
どの画面もキマっていてかっこいい!!
特にサミーとスタックとスリム3人の道中で囚人に会った後、
スリムがその囚人の過去の酷い経験を話す所。
絵的には車でスリムが語っているだけだが、その語りの展開に合わせてBGMで争いの声や殴る音が流れてくる。
情景を見せずに音を聞かせる事でこちらの想像を掻き立てられるすごい演出だった。
そして店でのサミーの歌のシーンは文句なしにすごすぎる!!
あのシーンだけで音楽がなぜこんなに心を打つのか、どれだけ素晴らしいものか視覚で伝わってきて
映画でしか表現できないシーンで本当に感動した。
ただ店での歌のシーン以降の後半はなんだか納得がいかない事が多かった。
冒頭で"超常的な力を持った音楽"という設定の説明があった時に、音楽パワーで色んな事が解決するんだと勝手に期待してしまったからかも。
まずは吸血鬼について。
音楽の呪力とは関係ない怪異が急に登場した事で
え、何で急に⁈と色々考えてしまい、集中が途切れてしまった。
そもそも吸血鬼の設定にする必要はあったんだろうか…
(自分の不勉強かもしれないが、何か歴史的な関係があるの?)
歌の呪力が、力を与える代わりに悪いものを作り出すなら
サミーの歌に力を与えた代償にレミックたちが悪者にされてしまい襲ってくる、とか
吸血鬼の設定を無理やりくっつけない方がスッキリする気がしたけど、どうなんだろう?
もうひとつは最終的に敵は吸血鬼なのかKKKなのか、最大の見せ場は何処なのか要点がよく分からなかった所。
吸血鬼と主人公たちはルーツは違うけど、同じように不当な扱いを受けていた同士だから、そこが対立するのは何だか疑問に感じてモヤモヤした。
あと吸血鬼vs主人公勢、スモークvs KKKも普通に物理暴力対決で、
せっかく音楽呪力という唯一無二の設定があるのにそれを使わないのはもったいない気がした。
例えば主人公の酒場に吸血鬼が来たあと
主人公サイドも全員吸血鬼になっちゃって
結果、さまざまな地域の音楽のルーツがごちゃ混ぜになってスゴい音楽ができちゃってそのパワーでKKKをぶっ倒す!
とかくらいファンタジーバトルものに舵を切っちゃっても良かったんじゃ…
音楽をテーマにするには歴史など語らなければいけないことが沢山あるのは分かる。
でもその全てを取り入れた結果、後半は全ての要素が中途半端になってしまっていて
観ている自分の感情も中途半端にしか動かない感じで不完全燃焼。
エンドロール途中や最後までダラダラ続くし。
なら普通に呪力や吸血鬼とか出さずに人間ドラマにした方が良かったのでは…?
ぶっ飛んだ設定で遊ぶには作りが真面目すぎる印象。
とか色々言ったけど
店でのサミーの歌、そのあとの吸血鬼の歌は
本当に素晴らしくてそのためにもう一回観たいくらい。
てか普通にサントラ最高で聴きまくってる!!
だからこそ後半乗れなかったのがなんか悔しい!!
そのビブラートする指でボタンを。
1930年代、…飲んで歌って踊れるバーを開き儲けようと地元に戻る双子の兄弟スモークとスタックと従兄弟のサミーに起こる話。
ボタンの扱い方をスタックから教わるサミー、…開店準備が整いオープンするが招かれざる客の出現で楽しいムードは一変することに…。
とりあえず事が起こるまでの前置き長い~、ヴァンパイア作品とは知ってて観に行ったけど、それが出て事を起こすのは終盤、もうちょっと早い段階で終盤のアクションを見せて欲しかったかな個人的に。
やたら愛撫ネタがチラホラがありながらも終盤ラストの歳を重ねたサミーの元に現れたスタックとメアリーで上手くまとめたなって印象。
変わった映画だが傑作まではいかない
1番思ったのが、吸血鬼の展開要らなかったのでは?
普通にkkkの襲撃でもストーリー展開出来たとは思う。音楽と社会派ドラマに何か+aを足したかったんだろうけど、ならばもっと吸血鬼の展開を上手く話に絡めて欲しかった。
ババンババンバン
バンパイア要素いらないな。
青い空に白い雲。
コットン畑の中を
どこまでも続く道。
邪悪なものを呼び込む魂の音楽。
(先住民や京劇なんかいっぱい出てきたの面白かったけどいらないな)
酒場を開くために人集めしてる前半、すっごく好きな感じだったのに。
バンパイア出てきてからというか、バンパイア役が「28年後」の、、。 (演じる役考えて受けてほしいな)
バンパイア要素なしで、KKKに襲われて闘う話でも充分面白かったろうに。でもそれじゃあダメなんだな。
IMAX上映終わってたので、DOLBY CINEMAで。
音響の良い劇場で観ることができて良かった。
見応えはあった。
罪人とされる人の方が紳士的に見えるのは、あの時代が遺した人類への課題のようにも思える
2025.6.26 字幕 T・JOY京都
2025年のアメリカ映画(137分、PG12)
1930年代のミシシッピ・デルタを舞台にした一夜限りのパブの悲劇を描いたホラー映画
監督&脚本はライアン・クーグラー
原題の『Sinners』は「罪人たち」という意味で、キリスト教的には「神の教えに背く行為をした人」という意味
物語の舞台は、1932年のアメリカ・ミシシッピー州クラークスデール
退役軍人のイライジャことスモーク・ムーア(マイケル・B・ジョーダン)とイライアスことスタック・ムーア(マイケル・B・ジョーダン)の双子は、パブを始めるために白人のホグウッド(Dave Maldonado)から工場跡地を買うことになった
二人に加わるのがいとこのサミー(マイルズ・ケイトン、老齢期:Buddy Guy)で、彼の父ジェド(Saul Williams)は町の牧師をしていた
3人は機材を拾ってテナントへと向かい、パブを開店する用意を始めていく
スタックは町に出て、ピアニストのデルタ・スリム(デルロイ・リンドー)をスカウトし、用心棒としてコーンブレッド(Omar Benson Miller)を雇い入れる
店の看板を仕入れ屋のグレース・チョウ(リー・ジンリー)に依頼し、夫のボー(Yao)も開店準備を手伝うことになった
スタックと共に行動していたサミーは、そこで歌手活動をしているパーリン(Jayme Lawson)と出会い、店に来るように誘う
そこにはスタックの元恋人メアリー(Hailee Steinfeld)もいて乗り気だったが、スタックは店は黒人専用だから辞退して欲しいと伝えた
一方その頃、スモークは別居中の妻アニー(ウンミ・モサク)の元を訪れ、パブでの料理を依頼する
出征時に渡したペンダントを引き合いに出し、息子は助からなかったが、スモークには加護があったと言い、二人は再び結ばれることになった
物語は、パブを半日で仕上げていく様子が描かれ、その背景である男が白人夫婦の元に向かう様子が描かれていく
アイルランドから来たレミック(ジャック・オコネル)は、ジョーン(Lola Kirke)とバート(Peter Dreimanis)の元を訪れるのだが、そこでバートがレミックに襲われてしまう
レミックは吸血鬼で、噛まれたバートも吸血鬼化し、ジョーンもその餌食になってしまう
そして、レミックに支配された二人は、彼と共に開店直後のパブに姿を現すのである
映画は、いわゆる吸血鬼映画で、吸血鬼のルールである「住人の許可がないと建物に入れない」というのを強調したシナリオになっていた
ジョーンがレミックを見かねて招いたり、グレースがレミックを挑発するなど、事態を悪化させていくのは女性となっていた
だが一方で、愛に従順で尽くす様子も描かれていて、激情的なものが生み出す光と影がそこに描かれていたように思える
映画の冒頭は、惨劇が起こった後から描かれ、「1日前」へと戻る構成になっている
その1日前では、ジェド牧師がサミーに対して、「コリント人への手紙」の「第10章13節」を引用して、神様の教えを説いていた
この節はかなり有名な一節で、「神様は乗り越えられない試練は課さない」というもので、「耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださっている」という言葉となっている
映画のタイトルもキリスト教的な意味合いでの「神様の教えに背いたもの」みたいなニュアンスになっているので、この一連の惨劇はサミーに下された試練というように描かれている
彼は父に言われてもギターを捨てることがなく、あの日始まったものを老齢期まで続けていた
サミーは「悪魔をも呼び寄せる魂の歌を歌える人」なのだが、悪魔を呼び寄せた一方で、犠牲になった人々を歌の世界に生き残らせている存在でもあったと言えるのだろう
そして映画のラストでは、ある人物との再会が待っていた
彼らは「ある提案」をサミーにするものの、「私は十分に生きた」と答える
それは、あの言葉で「試練が完結する」ようにも思えていて、サミーは人生を通して、神様の教えに背かない人生というものを貫いたのだろう
犠牲になった人々が背いた人とは言えないと思うのだが、あえて吸血鬼化することで生き延びようとした人々は、文字通り「罪人」と呼ばれても仕方がないのかな、と思った
いずれにせよ、かなり宗教色の強い作品で、1930年代のアメリカの黒人差別の状況であるとか、ミシシッピデルタがどんな地域だったのかを知っておいた方が良いと思う
一応は、町には白人専用のものしかなく、黒人は奴隷のような扱いで綿花事業に従事しているなどのわかりやすさもある
地主の双子に対する態度を考えると、あの夜に吸血鬼が来なくても、KKKによる襲撃はあったと思う
吸血鬼を焚き付けたのが彼らだとまでは言わないが、行動は同じようなもので、立ち入りの許可を求めるだけ吸血鬼の方が紳士的のようにも思える
それを踏まえた上での反撃というものがあるので、このあたりの土壌はしっかりと認識しておいた方が良いのかな、と感じた
音楽、ロマンス、兄弟愛、アメリカ南部、そしてヴァンパイア…恐るべき全部載せ
IMAX視聴。禁酒法時代のアメリカ南部を舞台に、シリアスで重厚なドラマを積み上げていき、故郷に戻った双子の兄弟が建てた酒場の開店初日の夜、酒とダンスと音楽の織りなす夢のような「自由」のひと時へと結実する…そこにヴァンパイアを乱入させて(ほぼ)皆殺し!無茶苦茶である。(それまでの人物描写が素晴らしいだけに)観ている方の情緒もおかしくなろうというもの。何故か音楽に理解のある愉快なヴァンパイアなので、なんとか真夜中の音楽バトル(ブルースVSアイリッシュ)でコトが済めば良かったのに…その後もKKK相手のランボーみたいな銃撃戦あり、と破天荒にドラマを振り回しした果ての、何重底ものどんでん返しを含む結末。要素やプロットだけならB級にもほどがあるが、これが不可思議なアンサンブルとして成立していて、心揺さぶられる。題材的に音楽の良さは前提のようなものだが、俳優陣も男女老揃って皆匂いたつようなセクシーさで、その生き様死に様ともに魅了される。
素晴らしかった
酒場を開業するギャングの兄弟が元気でタフで明るくてかっこいい。ホラー映画かと思ったら本格ブルース映画でもある。また、敵のバンパイアのカントリーミュージックも、ダサいだろうと対極的に描かれるかと思ったらけっこういい。バンパイアがそんなに強くないし、招待されないと建物に入れないとか、ニンニクに弱いとか杭で死ぬなど弱点があって人間が対抗できる。死んだと思ったら化け物になって復活するのが本当に怖い。
人間もバンパイアもエネルギッシュで見ていて元気が出る。
ブルースウィズヴァンパイア。ドブロギター強い
どう見たらいいのか、おさまりの悪い映画。見どころは多いんですけど。
音楽映画?歴史ファンタジー?アクション?コメディ?
アイリッシュヴァンパイアが束になって歌いながら襲ってくるとか、笑いどころなの?差別に憤るというにしてはそっちも浅いような…
ブルース好きの人を誘ったら「‥というほど、ブルースにリスペクトとも思えないんだよな」という感想でした。女性ボーカルに不満だったようで。サミーはうまいんだけど、本人が歌ってるのかな?吹き替え?
最後のバディ・ガイを出したくて逆算して作った映画なのかも
TLAVELING
日本での公開はもうちょい先だろうなと思っていたんですが急遽公開が決まり、もっと宣伝とかした方が良いのでは?と思いつつも観れるのでそこには感謝して鑑賞。
めちゃくちゃカッコよかったですね〜。
ストーリーは黒人差別がより強かった時代を取り扱っており、その中で成功を極めて突き進む兄弟や仲間たちがクラブを開くといった讃美歌のような内容で、後半のホラー展開もそれらのメタファー的な部分が強いのかなと思いながら観ていました。
全体的に開けたカットが多いのもあって、綺麗な空と砂道が映えること映えること。
これは大スクリーンで観るからこそ得られる開放感だなと思いましたし、とにかくワクワクしながら生きている様子がビシバシ伝わってきて爽快感が凄まじかったです。
しかし今作の惜しいところはメインテーマであるであろうホラー要素がそんなに要らなかったかなぁというところです。
もちろん人格そのままの吸血鬼が襲ってくるという設定は面白かったですし、酒場や酒場周りの限定された環境下だからこその白熱した戦闘は見応えがありました。
ただそこまでにいくまでの前振りが尺の半分以上を使っており、その上ホラー要素が強くなくあっさりと終わってしまったり、主要であったであろうキャラの退場が思ったよりも早かったりとで勿体無さを感じるところが多かったです。
設定がちとくどいのも難しいところで、招かれないと入れないという割には手を伸ばしたら引き込もうとしますし、酒場と外との対峙を何シーンも見せてくるのでダレたなぁとは思いました。
ラストの加速しっぱなしの戦闘シーンは良かったかなと思いました。
どちらかというと白人と元オーナーがやってきてからの怒涛の銃撃戦の方が復讐としても面白かったですし、容赦のなさがエゲツなくて良かったです。
そこからはMCUもビックリ仰天なポストクレジットの連続で、若干胃もたれしつつもその後が観れたのは良かったです。
ただ本編ラストカットで青空と共に車で地平線の彼方へ走っていくのが抜群にカッコよかったのでちょっと蛇足だったかなと思うところはありました。
マイケル・B・ジョーダン筆頭に役者陣もキレッキレな演技をかましていましたし、歌唱面や演奏面も最高に活かされているのもあって見応え満点でした。
今作でも音楽の良さ、というか今作で1番素晴らしかったのは間違いなく音楽でした。
サントラはどれも上質で迫力のあるブルースが展開され聴き心地が良いですし、歌唱パートもこれまた力強い曲が聴けたりとで音響が素晴らしい環境だともっと凄いんじゃないかなってくらいには勢いがありました。
いっその事音楽映画だったらどこまで面白くなったんだろうと思うくらいには音楽に支配されていました。
前半と後半でジャンルがガラッと変わるタイプの作品だったので、観終わってから時間が経ってから良さが沁みてくる遅効性映画だなと思いました。
もう一回整理して観に行きたいくらいオシャが爆発していたのでオススメです。
鑑賞日 6/22
鑑賞時間 15:50〜18:15
ヴァンパイアの映画にする必要はあったのだろうか?
双子の兄弟が、何やら良からぬことをして手に入れたらしい金と酒で、ダンスホールを開こうとする前半と、開店したダンスホールを舞台にして、店のスタッフとヴァンパイアたちが激闘を繰り広げる後半との、話のギャップに驚かされる。
まるで、「カラーパープル(ミュージカル版)」を観ていたら、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」が始まったみたいで、よく言えば、「ひと粒で2度美味しい」お得感が味わえるのだが、悪く言えば、ドラマとホラーの「食い合わせの悪さ」を感じてしまうのである。
この前半と後半を繋ぎ止める役割を果たしているのがブルースの音楽で、その魂を揺さぶるような歌声が、店に客を呼び寄せるだけでなく、悪霊をも呼び寄せてしまうという設定は面白いし、登場人物たちだけでなく、エレキギターを持ったロック歌手やクラブのDJ、あるいはアフリカの原住民や京劇の役者までもが入り乱れて踊り狂う幻想的なシーンも、時間と場所を超越した歌唱が体感できて圧巻である。
その一方で、音楽に関する知識がないせいか、ヴァンパイアたちが、どうしてアイルランド系のカントリー&ウェスタンを歌っていたのかがよく分からなかったのだが、これは、KKKなど、黒人を迫害した者たちが、よく歌っていた「白人の歌」ということなのだろうか?
それから、ヴァンパイアの弱点として、太陽光線を浴びたり心臓に杭を打たれたら死ぬとか、ニンニクに弱いとか、許可がなければ家の中に入れないとかといったオーソドックスなルールが適用されているのだが、その反面、十字架や聖水に弱いといったキリスト教に関連のあるルールが用いられていないのは、何か意味があるのだろうか?
映画のタイトル(Sinという単語)からは、強いキリスト教色が感じられるものの、最初のヴァンパイアを追いかけていたのはネイティブ・アメリカンだったし、主人公の妻はブードゥー教の知識でヴァンパイアに対抗していて、こと、ヴァンパイアに関しては、敢えてキリスト教色を排除しようとしているようにも感じられ、タイトルとのギャップに違和感を覚えてしまった。
ヴァンパイアとの戦いが終わり、一人生き残った主人公が、夜が明けてやってきたKKKの一団を銃で壊滅させるくだりも、爽快ではあるものの、何だか取って付けたような唐突感があって、「収まりの悪さ」が感じられる。
これだったら、黒人たちと、ヴァンパイアと、KKKの三つ巴の戦いにしても面白かっただろうし、いっそのこと、KKKがヴァンパイアだったという設定にしたら、人種差別に対する黒人の反撃といった構図が、より鮮明になったのではないかと思えてならない。
いや、むしろ、ヴァンパイアなんて登場させずに、黒人が開いたダンスホールをKKKが襲撃して、それを黒人たちが撃退するといった話にしてしまっても、抑圧に抗う黒人の物語として成立しただろうし、音楽あり、アクションありの、十分に面白い映画になったのではないかと思えるのである。
タイトルなし(ネタバレ)
音楽のアメリカ史を一部体験出来るブルース・ミュージカルで、中盤の "歌の共演" を時代を超えて長回し風で見せる所はファンタジー感があり、不思議とテンションが上がった。
事前にロバート・ロドリゲス監督『FDTD』(1996)に似てる設定だと知ってて鑑賞したが、そんなの関係なく色んな意味で予想外だった。マイケル・B・ジョーダンが主演だと知ってたが、一人二役だとは知らずに鑑賞。
ライアン・クーグラー監督のブルース愛が詰まったアクションで、そんなに怖くはない。
バンパイアの設定がクラシカル&斬新で「招かれないと入れない」「記憶や痛みの共有」とか「入れないので外で歌う」とか。
バンパイアあるあるで、夢中になってる間に夜が明けて "朝日で焼ける奴" とか。ただ血を吸いたいだけじゃなくて、新たなる独自の世界観を共有する仲間を増やしていくのが目的。
ジェイミー・ローソン演じるパーリン(スイッチを舐められる若い人妻で歌手の設定?)の歌声が最初の "歌の共演" で出なかったので、さぞかし凄い歌唱力で後で出るのか?と思ったら個人的には普通だった。
なんか実話みたいで良いエンディング。
バディ・ガイ:Buddy Guy(1936年生、ブルースギタリスト、シンガー)が90年代の老いたサミー役で登場。
スタックとメアリーが時代に溶け込んでいるが仲間は増えたのだろうか?
ミッドクレジットシーン(本編終了後のオマケ映像で、主要キャストのテロップの後で流れる事が多い)もポストクレジットシーン(全てのエンドロール後のオマケ映像で、これで映画は終了)も有る。なので最後の最後まで席は立てない。
通常上映で観たがIMAXやDOLBY CINEMAが良いかも。
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