罪人たちのレビュー・感想・評価
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Film - 原初の喜び
最近はREDカメラで撮られた『スーパーマン』を観てデジタルも悪くないかもと思っていたがやっぱりIMAXフィルムは違う。焼き付けるという物理には0と1しかない形而上の記号では太刀打ちできないものがある。
本当にタダの馬鹿映画なんだけど、ブルースには心を打たれた。ゴランソンはいい仕事をした。
しかし、今作のその最大の特徴は今までクリストファー・ノーランが独占してきたIMAXフィルムカメラで撮影された作品であることだ。暗闇の階調の豊かさや、圧倒的なボケ感は筆舌に尽くしがたいという筆には尽くしがたい。光がフィルムに焼き付くという原初の喜びを存分に味わえる。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」×「ブルース・ブラザーズ」
全米で大ヒットホラー映画らしいけど、予告を見てもよくわからん、という印象だった。
マイケル・B・ジョーダンが一人二役を演じた双子の兄弟。
慇懃無礼な態度の白人を、兄が前、弟が後ろから牽制する
トラックに入り込んだヘビを、兄がナイフを渡して弟が退治するという連携プレーぶり。
トラックの盗人を容赦なく撃ち、とにかく常に余裕で羽振りがいい元ギャングを好演。
他のキャストは、久々に大作で見かけたデルロイ・リンドー、すっかり美人に成長したヘイリー・スタンフィルドが良かった。
演出は、
後ろから何者かが飛ぶ→女性歌手がステージ上がる、
門番がトイレ中に何かに襲われる→揉め事があった部屋に入る、
イカサマ男を踏みつける→ダンスフロアでリズムを取って地面を蹴り付けるという、演出が良かった。
他には、
暗い家の中、家族を読んでも返事がない。時すでに遅し…や、
トイレで持ち場を離れたから…など、
トリッキーの映画に思えて、意外とベタなホラー演出が多いのも良かった。
そしてなんといっても、レターボックスサイズからフルサイズ画面になった時の決戦だ!感が最高だった。
ちなみに製作費は、9000万ドルと、ホラー映画にしては意外と高予算な映画。
ブルースで琵琶法師が後世に伝承する平家物語を彷彿
私には理解不能でした
変人たち
真面目なフロム・ダスク・ティル・ドーン
双子の黒人兄弟が田舎町でバーを始める。当然邪魔も入るし、真っ当な商売じゃない。力業も必要、差別の強い時代のお話だから理解など望むべくもない。
買った場所も、「掃除した跡がある」と言ってるから血なまぐさい場所なのは明白。
それでも必要なこの場所を買っていく。
兄弟の姿は粋で怖く格好良い姿で描かれており、この位苛烈に生きねばチャンスは無いとばかりの雰囲気だ。
勿論、そんな成り上がりに興味があってこの作品を観ている人は居ないと思う。しかしそんな所にやって来るのだ。ちゃあんと吸血鬼のルールに乗っ取って、家に招かれないと入れない奴らが。
主人公達の経営するバーに入れてくれと3人の白人がやって来る。KKK団もある時代だから白人など信用出来ない彼等は店に入れない。バーの経済的な問題もありアニーは白人(吸血鬼)と話に行くが呆気なく毒牙に掛かり、スモークとスターク兄弟の地獄が始まる。吸血鬼を物語でしか知らない仲間と群れと化した吸血鬼達に向かい合うが、吸血鬼は知識や意識を共有出来るので知り合いの弱点を突きまくってくる。心の弱い人なら、吸血鬼になって不死身になるのも悪くない、吸血鬼の家族になって安心したいと言う気持ちが湧いても不思議じゃない。
吸血鬼もイギリスの事について歌っている様子だったが、何故吸血鬼が一匹でアメリカに辿り着いているのかは解らない。
上手くやればイギリスはおろかヨーロッパ全域まて拡がりそうな超能力なのに追われてアメリカに来たのか?
ラストただ1人生き残った青年が実家の教会と帰りギターを捨てるよう諭されるが、ギターを選ぶのは当然か。
黒人兄弟の生き様も生き残った若者のその後も妙に格好良いので新手の吸血鬼ドラマとして評価したいが何だろう、カッコつけすぎじゃなかろうか?と思ってしまう。
観るのが辛い人種差別作品と違って、斬新で面白かった。KKKは許せな...
観るのが辛い人種差別作品と違って、斬新で面白かった。KKKは許せないけどね。音楽の歴史に詳しかったらもっと楽しめたんだろうな〜。マイケルbジョーダン、カッコよ✨兄さんが用意してた武器って、最初からこの使い方しようと思ってたのかな?ヴァンパイアになるなら、20代が良いよねと「インタビューウィズヴァンパイア」で思った。
ホラーではなく抜群に素敵な音楽映画なのかもしれない
予想外のところに連れて行かれた作品
全く前情報を入れずに観たので、「まさかこんな展開になるとは…」と驚いたが、エンタメ作品として、充分に楽しく観られる。
「罪人たち」という邦題から、自分は「犯罪者」の話かと思っていたので、原題の「sinners」というタイトルが指す「罪人(つみびと)」の意味が今ひとつピンときていない自分にとって、「キリスト教(特にカトリック)の知識があればより楽しめたのに」という無念さを感じた。
ただし、知らない人は蚊帳の外という訳ではなく、普遍的なテーマが重層的に描かれているので、観た人それぞれに、違ったものが心に残る作品だと思った。
<あまり展開には触れないが、内容に関わって考えたことの備忘録>
・ここでもKKK。
・華僑の逞しさ。
・白人に見えても血筋が問題にされて差別の対象になる不条理は、そのまま日本の同和問題や逆に天皇家に関わる議題にもつながる話。
・「白人はブルース好き。作り手の黒人が嫌いなだけ」という言葉の重さ。
・過去からだけでなく、未来からも何物かを召喚してしまうという発想に驚くが、音楽の普遍性の表現としてうまい。
B級映画としてみないと
自由への渇望
永遠の魂
分裂するアメリカ黒人社会
世界興行収入が527億円を突破、北米では“ここ10年で最も成功した映画”といわれているホラー映画だ。しかし2025年6月日本で公開後、早くもアマプラ通常料金での配信となり、客入りの悪さが容易に想像できる残念な結果に終わってしまった。巷では“ぬるめのフロム・ダスク・ティル・ドーン”などと形容されてはいるが、監督のライアン・クーグラーはまったく違った場所へ観客を導こうとしているのがみえみえの1本だ。
エンターテインメントとしては何とも中途半端な出来の本作だが、アメリカにおいていかに黒人が差別搾取され白人社会に吸収されていったかを語る寓話として観れば、これほどそそられる映画はないそうで、アメリカのSNSでも本作に関する論争が(特に黒人さんたちの間で)大変盛り上がっているのだそう。つまり、本作は一種のブラック・プロイテーション・ムービーなわけで、日本人の方がそのまま観てもいまいちピンとこない映画になっているのだ。
悪魔に魂を売ったギタリスト=ロバート・ジョンソンをモデルにしたサミーが奏でる哀愁のブルースにのって、一夜限りの貸し切りパーティを楽しむ人々。そんな黒人の皆さんに混ざって、サイケなエレキギタリストや黒人ラッパー、中国系京劇ダンサーに先住民と、時空の壁を突き破って現れた少数民族が唄い踊るシーンがとても印象的だ。ジム・クロウ法の下白人至上主義的差別が色濃く残ってはいたものの、少数民族同士協力し肩を寄せあって、それなりの“古き良き時代”をエンジョイしていたことが伺える。
しかし、サミーの奏でるブルースが悪魔をも引き寄せてしまう。ここで反トランプの配給元ワーナーブラザースはクーグラーに嘘をつかせていることに注意しなくてはいけない。マイケル・B・ジョーダン演じるプレミアムスコッチのような名前が付いた双子スタック&スモークの衣装を、わざとあべこべに着させているのだ。スタックの衣装が🟥の帽子に🟥シャツ🟥ネクタイに対して、スモークの衣装は🟦のベレー帽に🟦シャツ。ヴァンパイアに噛まれ悪魔に魂を売ったスタックを共和党=トランプ支持、スモークを勇敢な民主党支持者として演出しているのである。
確かにライフルを直ぐにぶっ放すような危ない連中にトランプ支持者が多いのは事実だし、MAGAというスローガンの下動きに統制がとれたトランピアンは、一糸乱れぬアイリッシュダンスを披露するヴァンパイアたちにそっくりだ。しかし、バイデン政権の白人閣僚は全てカソリックのアイルランド系で固められWASPが意図的に排除されていたこと、スモークのような退役軍人はそのほとんどがトランプ支持であること、ゲイではなかったものの黒人と白人ミックスの女ヴァンパイアのモデルはオバマ元大統領で間違いない?ことなどが、まったく考慮されていない。(ディディを彷彿とさせる)生き残ったスタックのような黒人セレブリティはほとんど民主党支持で、悪魔崇拝的乱行パーティはお手のものだからだ。
最後はどちらがどちらだかわからなくなるほど、スタック&スモークがお互い血だらけになって戦うシーンは確信犯的でさえある。いずれにせよ、BLMのようにアンティファを雇って意図的に暴動を仕掛けているのは民主党グローバリストたちの方であり、そのお仲間であるスタックには🟥ではなく🟦を着せるべきだったのだろう。そんな政治的工作があったにも拘らず今回若い黒人層がこぞってトランプに投票したらしいのである。どうもユダヤ人コミュニティに限らずアメリカの黒人社会も真っ二つに割れているようなのだ。
この映画にも登場するKKKのような差別主義者がのさばっていた時代は、共通の敵を持つ者として一つにまとまれた黒人の皆さんも、オバマ政権以降民主党の悪事が次々とトランプによってバラされてしまうと、何を拠り所にまとまれればいいのかわからなくなってしまった。今現在のアメリカにおける黒人社会の迷走ぶりが如実に伝わってくる作品なのである。むしろあからさまに差別されていた時代の方がわかりやすくて良かった。年老いたサミーのシワがれた歌声には、そんな黒人たちの鬱屈したノスタルジーが込められていたのかもしれない。
時代背景が興味深い作品
配信(アマゾンレンタル)で視聴。
話題の作品をやっと配信で観る事が出来たが、時代背景は興味深い作品だった。音楽もブルース曲を使うなど上手いなと感じた。ただ、作品全体を見ると悪くはないが、個人的にはそこまで刺さらなかった作品。
黒人のブルースとは酒と煙草と女と吸血鬼?
本作はマ王の住処である和歌山では公開されなかった😑
映画館で一度だけ予告編が流れた記憶があったが、そこの映画館での公開は無かった🌀
別に今更、和歌山の映画公開事情に文句を吐くつもりはない😐
こうしてU-NEXTで鑑賞出来る時代になったので少しの我慢が出来れば殆どの映画を観る事が可能だ😁
でもマ王、本作に関しては映画館で観たかったのね😫
アメリカで話題になってたのを知ってたもんで尚更だった😬
だからどれだけ身体が疲労困憊だろうと夜中に鑑賞に至る行為を、誰が咎める事が出来ようか‼️←ワガママで我慢が出来ないマ王
舞台は禁酒法の末期のミシシッピ州の田舎町✨
ジム・クロウ法によって差別意識が色濃く残る中、双子の青年がマフィアから奪った酒で酒場を開いた当日の話だ😶
コレはネタバレとかでは無く鑑賞に向けての基礎知識として覚えておいてほしいのよ✋
禁酒法やジム・クロウ法、双子の青年の立ち振る舞いや車、恋愛関係やブルースみたいな細かいディテールが本作には散りばめられている😳
マ王は映画の内容をザックリとしか知らなかったので、この部分を鑑賞しながら「あぁ、和歌山じゃコノ映画は理解出来んわ」と感じたのね🤣
そもそも和歌山県に限らず、田舎という存在は少なからずの差別意識が残っている。
ソレを助長する本作の内容では無いが、田舎の爺さん婆さんが本作の細部に組み込まれた要素に気付くとはとても思えない。
アメリカでは多くの国民がアメリカ史を勉強してると思われるので(意外とアメリカ史は知らないとも聞いたが)その土壌が無いと単純な吸血鬼映画にしかならないのよ。
黒人に対するジム・クロウ法による差別や労働環境。
禁酒法の裏で蔓延るマフィア。
そこに流れるブルース。
少なくとも鑑賞する前に、この辺りを押さえておかないと『罪人たち』は駄作へと忽ち転落する。
当然、和歌山では誰も観に来ない映画になるわな😑
マ王でも鑑賞しながらGoogleを頼りにしたくらいなので、ナメてかかると普通の吸血鬼映画としての感想しか残らない🌀
アメリカ史に詳しい方には刺さる映画だと思われるが、そうでない方はちょいと勉強してからの鑑賞を勧めます✌️
まぁアメリカで高評価だったのは何となく理解出来ましたねぃ(映画『インディペンデンス・デイ』と一緒)
ん?奇しくも邦画の『国宝』が同じ臭いのする映画じゃないのか?
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
黒人社会の勉強必須度★★★★★
日本じゃウケにくい吸血鬼映画度★★☆☆☆
IMAXだからこその善さ
この芸当、我が国に出来るか?
知りたい
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