「予想外のところに連れて行かれた作品」罪人たち sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
予想外のところに連れて行かれた作品
全く前情報を入れずに観たので、「まさかこんな展開になるとは…」と驚いたが、エンタメ作品として、充分に楽しく観られる。
「罪人たち」という邦題から、自分は「犯罪者」の話かと思っていたので、原題の「sinners」というタイトルが指す「罪人(つみびと)」の意味が今ひとつピンときていない自分にとって、「キリスト教(特にカトリック)の知識があればより楽しめたのに」という無念さを感じた。
ただし、知らない人は蚊帳の外という訳ではなく、普遍的なテーマが重層的に描かれているので、観た人それぞれに、違ったものが心に残る作品だと思った。
<あまり展開には触れないが、内容に関わって考えたことの備忘録>
・ここでもKKK。
・華僑の逞しさ。
・白人に見えても血筋が問題にされて差別の対象になる不条理は、そのまま日本の同和問題や逆に天皇家に関わる議題にもつながる話。
・「白人はブルース好き。作り手の黒人が嫌いなだけ」という言葉の重さ。
・過去からだけでなく、未来からも何物かを召喚してしまうという発想に驚くが、音楽の普遍性の表現としてうまい。
コメントする
