「俺たちみんな罪人なんだよね!」罪人たち ヨークさんの映画レビュー(感想・評価)
俺たちみんな罪人なんだよね!
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「フロム・ダスク・ティルドーン」を下敷きにしながら、差別され、抑圧され、奴隷として扱われてきた黒人やアイルランド人の歴史的背景に加え、ブルースという音楽の文化的背景などをふんだんに盛り込んだ映画。
たぶん、上記どころかヴァンパイアの常識というかルールすらよく知らない日本人にはハマりにくい要素がこれでもかと詰め込まれている。
ヴァンパイアであるレミックがサミーに対して「おまえの歌と物語をよこせ」というセリフなど、ブルースが盗用されてきた歴史を見事に皮肉っていると思う。
そういった痛烈にシニカルに描いているところは素晴らしいと思う。思うのだけれども、個人的には映画本線である人間vsヴァンパイアの戦いでもっと魅せてほしかったなぁという印象。もっとブラックエクスプロイテーションしてほしかった。ラストでKKKを乱射していくシーンが一番ワクワクした。
ああいう感じで、本線の部分でもっとB級映画のようなブチかましをした上で、前述したような様々な要素があれば最高だったのに…と思ってしまう。
決して悪くない。むしろよくできている。スゴイと思う。ただ、個人的にはそれほど面白いとは感じなかった。
この作品が日本で劇場公開されて、昨年の「陪審員2番」が配信ストレートかぁ、という思い。
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