「TLAVELING」罪人たち ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
TLAVELING
日本での公開はもうちょい先だろうなと思っていたんですが急遽公開が決まり、もっと宣伝とかした方が良いのでは?と思いつつも観れるのでそこには感謝して鑑賞。
めちゃくちゃカッコよかったですね〜。
ストーリーは黒人差別がより強かった時代を取り扱っており、その中で成功を極めて突き進む兄弟や仲間たちがクラブを開くといった讃美歌のような内容で、後半のホラー展開もそれらのメタファー的な部分が強いのかなと思いながら観ていました。
全体的に開けたカットが多いのもあって、綺麗な空と砂道が映えること映えること。
これは大スクリーンで観るからこそ得られる開放感だなと思いましたし、とにかくワクワクしながら生きている様子がビシバシ伝わってきて爽快感が凄まじかったです。
しかし今作の惜しいところはメインテーマであるであろうホラー要素がそんなに要らなかったかなぁというところです。
もちろん人格そのままの吸血鬼が襲ってくるという設定は面白かったですし、酒場や酒場周りの限定された環境下だからこその白熱した戦闘は見応えがありました。
ただそこまでにいくまでの前振りが尺の半分以上を使っており、その上ホラー要素が強くなくあっさりと終わってしまったり、主要であったであろうキャラの退場が思ったよりも早かったりとで勿体無さを感じるところが多かったです。
設定がちとくどいのも難しいところで、招かれないと入れないという割には手を伸ばしたら引き込もうとしますし、酒場と外との対峙を何シーンも見せてくるのでダレたなぁとは思いました。
ラストの加速しっぱなしの戦闘シーンは良かったかなと思いました。
どちらかというと白人と元オーナーがやってきてからの怒涛の銃撃戦の方が復讐としても面白かったですし、容赦のなさがエゲツなくて良かったです。
そこからはMCUもビックリ仰天なポストクレジットの連続で、若干胃もたれしつつもその後が観れたのは良かったです。
ただ本編ラストカットで青空と共に車で地平線の彼方へ走っていくのが抜群にカッコよかったのでちょっと蛇足だったかなと思うところはありました。
マイケル・B・ジョーダン筆頭に役者陣もキレッキレな演技をかましていましたし、歌唱面や演奏面も最高に活かされているのもあって見応え満点でした。
今作でも音楽の良さ、というか今作で1番素晴らしかったのは間違いなく音楽でした。
サントラはどれも上質で迫力のあるブルースが展開され聴き心地が良いですし、歌唱パートもこれまた力強い曲が聴けたりとで音響が素晴らしい環境だともっと凄いんじゃないかなってくらいには勢いがありました。
いっその事音楽映画だったらどこまで面白くなったんだろうと思うくらいには音楽に支配されていました。
前半と後半でジャンルがガラッと変わるタイプの作品だったので、観終わってから時間が経ってから良さが沁みてくる遅効性映画だなと思いました。
もう一回整理して観に行きたいくらいオシャが爆発していたのでオススメです。
鑑賞日 6/22
鑑賞時間 15:50〜18:15