ストレンジ・ダーリンのレビュー・感想・評価
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時系列の入替えと主演俳優の演技
6章で構成され、実在したシリアルキラーを描いた物語(という設定?)であることが冒頭で説明される。そして始まりは3章から。スターウォーズのよう(あれは4からだけど)だなと少し笑ってしまった。
本作は、章を見せる順番を入れ替える脚本の構成が秀逸だった。予告編を作るのが難しかっただろうな。実際、劇場で観た予告編はネタバレ的な要素も含まれていたから、本編を観ての驚きはあまりなかった。でも、その面白さへの期待があったから劇場に足を運んだわけだし、私個人への広告効果はあったということか。
それにしてもミスリードを誘う手法はなかなかうまかった。先入観で物事を見る危うさを感じる。レディとデーモンの呼び名についても、最後にちゃんと納得の展開が待っていた。わざと映像を古く見せたり、音を大きめにして驚かせようとする演出はどうかと思うが、最後までスクリーンを見入ってしまった。B級としてはかなりの秀作。ものすごく驚く展開ではなかったが、十分面白い映画だと感じた。
とにかく主演のウィラ・フィッツジェラルドの演技が素晴らしかった。特にラスト。車の中で見せたあの演技は圧巻だ。どこの映画賞にも引っかからなかったことが不思議でならない。
あなた、シリアルキラーなの
ナイスミスリード
今週は「スーパーマン」だけかな、
と呑気に過ごしてたら、
週末の映画予定見て驚愕😱
鬼滅しかやってない‼️
それに依って皺寄せが多数‼️
これは来週もそうかなと案じ、
偶々空いたのでれっつごー💨
勿論今作は気になっていて、
予告は未見だが、
劇場にデカいフライヤーがあって、
“傑作”とか町山さんのコメントとか、
乗せられる要素は多数あった。
久々の章立ての進行。タラちゃんみたい。
しかも「3」からスタート。
逃げる女追う男、
色メガネは「シビルウォー」以来怖い😨
逃げる女はある一軒家に辿り着く。
そこまでが‘第一章’
後は章がシャッフルされるが、
最初観てたこちらの感情が段々変わっていく。
それが今作のミソか。
ネタバレ厳禁の内容だが、一つだけ。
警察が訪れるシーンがあるが、
あのシーンで終わっても犯人は分からないから、
アレで終わりで良かったかなとも。
結果的に話は結するが、
結しない方が良い。
事実に基づいているなら、
結果はナレと字幕で良かったかな。
エレクトリック・レディ
宿命
低予算作だが、演出と演技がいい
時系列をいじった効果抜群
シリアルキラーによる連続殺人事件が世間を震撼させる時、モーテルの前に1台の車が停まった。飲み屋で知り合った1組の男女が乗っていた。やがてその女は男に命を狙われ、銃を持った彼から必死で逃げたが・・・さてどうなる、という話。
全6章+エピローグを3→5→1→4→2→6→エピローグと時系列をいじった展開で、その効果抜群だった。ミスリードに騙され、面白かった。
シリアルキラーだからか、なぜ、は無くても良いのだろう。
ちょっとグロい所もあったが、ストーリーに入り込めて良かった。
ラストのトラックのおばさんに拍手。
とにかく、レディ役のウィラ・フィッツジェラルドの演技に魅了された。下着は上下合わせないのがオシャレ?
デーモン役のカイル・ガルナーも良かった。
ドキドキし、グロくて、なぜ?、となる展開が斬新で面白かった。
面白く仕上がっていれば私は良い
シャッフル6章という構成ギミック以上に、エモいBGMとデカいSE...
確かに面白く観た。
本作称賛のなか、
スティーヴン・キングは「巧妙な傑作」とコメント。
(今まで過去何回キングのコメントに騙されてきたことか。
同じようにタランティーノもよく利用されるが、
僕はタランティーノファンではないので別に引っかかったことがない。)
広告のJAROに訴えたいほど騙されたけど、映画ファンなので、仕方ない騙されても仕方ないと自分をなだめてきた。
しかも今日は映画館が灰色の感じ。
開場を待つ観客の髪の毛の色や服装の色が灰色ばかりである。
何が起こっているのか。
調べたら『国宝』の席が半分以上売れていた。
灰色な訳である。)
さて「ストレンジ・ダーリン」である。
こりゃあ3章から始めなきゃ面白くないだろう。
(1章から観ても大したことはない。)
ミスリードもあるから、そりゃあそうだ。
エピローグはすぐに分かる。ソコまでは巧妙ではない。
センチでウ◯チみたいな歌が流れるからシラケに
しらけた。
ただ、その意図含めて、最後まで楽しんで観ました。
35ミリフィルム撮影のこだわりは、製作側のこだわりだけに見えました。
警官は手錠をすると安心するのか、気をつけないといけません。
ヒッピーって理想だけで生きているから案外ヤワですね。
性別ではなく正論を諭す警官に対し、
女性保護を最優先しシスターフット感覚で殺害を
増やす警官。
(命拾いして逃げるその警官の愚かさに嗤うしかない。
この国も、
なぜ女性政治家の質や人数が伸びないのかの問題をも見たような気になった。)
そう、自分だけ、逃げるが勝ち。
以上。
小粒ですが、楽しめました
パンフレットは詳細なネタバレ有り 注意!
予告編にもある赤い服を着た逃げる女。この印象的なシーンを観客に植え付ける。
そして全6章+エピローグのストーリーが語られる。
映画はチャプター順ではないが難解ではない。他の映画でも時間軸が変わる場合もあるが、チャプターを明確にしているので かえって分かりやすい。
男と女が出会い、モーテルへ行く。変わった性癖。これにより当初感じた逃げる女性像が変わっていく。
逃げた先。実際のモーテルでの出来事。ベテラン警察官、新米女性警察官。そして…。
鑑賞中に感じた感想は、インパクトのある冒頭から徐々に評価が落ちていく。しかし感情移入する対象が変化していき、その都度上がっていく。クライマックスの表現手法だけで、私は0.5 の加点をしました。
もうこれ以上は何も語れないのがつらい。
女優さんの演技はとても素晴らしかった。
新進気鋭の監督が放つ、チャプター・シャッフル・スリラー
【イントロダクション】
謎の男に追われる女性の逃亡劇を、時系列をバラバラにして全6章仕立てで描くスリラー。
監督・脚本にJ.T・モルナー。
【ストーリー】
真昼間の道を、2台の車が爆走する。前方を走る赤いクーペに乗る赤いスクラブ(病院服)姿の女・レディ(ウィラ・フィッツジェラルド)は、酷く怯えた様子であり、左耳を負傷している。
それを追う黒のトラックに乗った男・デーモン(カイル・ガルナー)は、コカインを吸引し、興奮状態で執拗に女を追い続ける。やがて、トラックを止めて荷台からショットガンでレディの車を射撃し横転させる。
レディは森に逃げ込むと、キャンパーが遺棄した様子の水やトイレットペーパーを手に、負傷した左耳の包帯を外し、応急処置をする。やがて森を抜けると、一件の民家に辿り着く。レディは必死にドアを叩き、家主である老夫婦に懇願する。
「お願いです。助けてください」
やがて、事件は思わぬ展開を見せ、驚愕の真相が明かされていく。
【感想】
予告編でも大々的に海外の各メディアからの絶賛、加えてここ日本では映画評論家・町山智浩さんからの絶賛コメントも提示し、日本公開が決まった時から「一体どんな話なのか?」と期待を煽られ続けてきた。
そして、いよいよ本作を鑑賞。
…正直、期待し過ぎてしまっていた。内容に関しても、事前にあれこれ想像を膨らませていただけに、割とその範囲内に収まってしまっており肩透かしを食らった。本作を存分に楽しむのなら、予定のない休日にフラッと映画館に行って、何も知らない状態で観るのがベストだろう。
予告編の映像でも少々核心に触れてしまう瞬間が映し出されているが、ある程度物語に触れてきた人なら、「冒頭で追われているこの女こそがシリアルキラーだ」という事は容易に想像が出来てしまうし、彼女を追う男の正体が警察官というのも、気付きこそしなかったが妥当な設定であり新鮮味には欠ける。私は「追う側も追われる側も両方シリアルキラーで、どちらが相手の裏をかいて仕留めるか」という展開を想像・期待していただけに、随分と真面目な話だなと感じた。
そう、一見すると突拍子もない作品に見えるが、時系列を入れ替えた非線形のストーリーテリングの中にも、観客が混乱しないように各チャプターをテロップで提示したり、映像の中に真相への“ヒント”を散りばめていたりと、親切かつ真面目な設計が成されている。
デジタル撮影が全盛の現代において「全編35mmフィルムで撮影」と、わざわざアテンションする辺りにも、監督の生真面目な性格が伺える。些か真面目になり過ぎてしまった印象があるが、観客に対して常にフェアでいようとする監督の精神には好感が持てる。
物語は第3章から始まり、第5章→第1章→第4章→第2章→第6章→エピローグという構成となっている。主人公であるレディの視点で始まるので、彼女がメインとなる章は赤画面に黒文字、デーモンがメインとなる章は黒画面に赤文字と区別されている様子。
脚本の推進力が「次はどうなる!?」というクリフハンガーの連続と「観客の予想を裏切る」という事に終始し切っているので、物語的な魅力には些か乏しい。時系列を入れ替えた非線形の作風で観客を煙に撒きつつも、全てが明らかとなった上で時系列を整理してしまえば、単に《イカれた女殺人鬼が、襲おうとした男の正体が警察官だと知らずに思わぬ反撃を食らい、逃亡する先々で人を殺して逃げ延びようとする》というシンプルな内容だからだ。
そして、それを演出する上で、キャラクターについて(ともすれば意図的に)深掘りする事を放棄しており、それがどのキャラクターにも感情移入出来ず、離れた位置から物語を追わねばならない要因となっている。
話によると、スタジオ側は本作の時系列を順番通りに編集して公開させようとしていた様子。本作の最大の魅力を殺しかねないお偉いさん方の判断は、いつだって製作者の敵だなと思った。物語の複雑さによって観客が置いてけぼりを食らう事を避ける為の判断だったそうだが、これだけ丁寧な説明の成された物語を理解出来ないのならば、それは観客の知性に問題があると切り捨ててしまって良いではないか。
結果的に、テスト試写で観客の評判が良かった事から、監督の意図した通りの構成で公開出来たそうで、観客が作品を救った好例となった。
低予算作品ながら1本の作品として安っぽくならずに成立させる手腕、観客への丁寧な前振り含めて、J.T・モルナー監督が確かな実力を持つ監督なのは間違いないだろう。
ラスト、画面のカラーが次第にモノクロになっていく中で、エレクトリック・レディの顔の血色が悪くなり、死に近付いていっている様を表現する粋な演出にも、確かな腕が光っていた。
けたたましく鳴り響く音楽で、絶えず観客の不安を煽る作風も好みである。
既に複数本の次回作の予定がある様子なので、今後の活躍が楽しみな監督である。
ところで、レディが逃げ込む民家の陰謀論者老夫婦の朝食が、ウインナーと過剰な量のバターで焼いた目玉焼き、残った油を使ったパンケーキに生クリームとブルーベリージャム、トドメと言わんばかりにメープルシロップをこれでもかと垂らした、およそ老夫婦が接種すべきカロリー量ではない(成人ですら接種すべきではない)朝食には笑った。
お笑い芸人のカミナリのネタ風に言うなら、「お前の朝食、バカが食うやつだな!」である。
【総評】
捻りを効かせた構成と観客の予想を裏切ろうとする作風は、真っさらな状態で鑑賞するのがベストな1作だった。生真面目な監督の性格と確かな手腕から、今後の活躍が楽しみである。
余談だが、調べると本作はあくまで“実話を基にしたという設定のフィクション”らしく、元ネタとなる事件が近年にあったわけではないそうだ。
編集で緊張感を生み出した
全6章+エピローグで、時系列を入れ替えながら見せていく『メメント』スタイル。
チャプター3
→ 5→ 1→ 4→ 2→ 6→ エピローグ
の順で展開。
観る前は『REVENGE リベンジ』っぽい話かと思ったのですが、さにあらず。
ただ、チャプター5の段階で想像がつき、1で確信、4で答え合わせとなってしまったんで、私には正直ひねりが足りないと感じはしたものの。
人は見た目で先入観を抱き、容易に間違える(騙される)ということを、嫌味っぽく描いていたように思います。
映画としての出来は及第点、編集でここまで緊張感のあるフィルムが作れるのかという点に感心したことと、ウィラ・フィッツジェラルドの演技がよかったので、観たことに後悔はない。
覚えておきたい女優さんの一人になりました。
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