ストレンジ・ダーリンのレビュー・感想・評価
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小粒ですが、楽しめました
評判の良さだけで鑑賞。全6章を順不同で見せる展開も感心しましたが、カメラアングルと音楽と効果音もかなり派手で
飽きることはない展開の連続でした。何を書いてもネタバレになるので予備知識なく見たほうが楽しめると思います。
PG12なのでそれなりのグロさはありますが1980年代の実録風の味が良く出ていました。
おススメ度は普通のやや上
パンフレットは詳細なネタバレ有り 注意!
予告編にもある赤い服を着た逃げる女。この印象的なシーンを観客に植え付ける。
そして全6章+エピローグのストーリーが語られる。
映画はチャプター順ではないが難解ではない。他の映画でも時間軸が変わる場合もあるが、チャプターを明確にしているので かえって分かりやすい。
男と女が出会い、モーテルへ行く。変わった性癖。これにより当初感じた逃げる女性像が変わっていく。
逃げた先。実際のモーテルでの出来事。ベテラン警察官、新米女性警察官。そして…。
鑑賞中に感じた感想は、インパクトのある冒頭から徐々に評価が落ちていく。しかし感情移入する対象が変化していき、その都度上がっていく。クライマックスの表現手法だけで、私は0.5 の加点をしました。
もうこれ以上は何も語れないのがつらい。
女優さんの演技はとても素晴らしかった。
新進気鋭の監督が放つ、チャプター・シャッフル・スリラー
【イントロダクション】
謎の男に追われる女性の逃亡劇を、時系列をバラバラにして全6章仕立てで描くスリラー。
監督・脚本にJ.T・モルナー。
【ストーリー】
真昼間の道を、2台の車が爆走する。前方を走る赤いクーペに乗る赤いスクラブ(病院服)姿の女・レディ(ウィラ・フィッツジェラルド)は、酷く怯えた様子であり、左耳を負傷している。
それを追う黒のトラックに乗った男・デーモン(カイル・ガルナー)は、コカインを吸引し、興奮状態で執拗に女を追い続ける。やがて、トラックを止めて荷台からショットガンでレディの車を射撃し横転させる。
レディは森に逃げ込むと、キャンパーが遺棄した様子の水やトイレットペーパーを手に、負傷した左耳の包帯を外し、応急処置をする。やがて森を抜けると、一件の民家に辿り着く。レディは必死にドアを叩き、家主である老夫婦に懇願する。
「お願いです。助けてください」
やがて、事件は思わぬ展開を見せ、驚愕の真相が明かされていく。
【感想】
予告編でも大々的に海外の各メディアからの絶賛、加えてここ日本では映画評論家・町山智浩さんからの絶賛コメントも提示し、日本公開が決まった時から「一体どんな話なのか?」と期待を煽られ続けてきた。
そして、いよいよ本作を鑑賞。
…正直、期待し過ぎてしまっていた。内容に関しても、事前にあれこれ想像を膨らませていただけに、割とその範囲内に収まってしまっており肩透かしを食らった。本作を存分に楽しむのなら、予定のない休日にフラッと映画館に行って、何も知らない状態で観るのがベストだろう。
予告編の映像でも少々核心に触れてしまう瞬間が映し出されているが、ある程度物語に触れてきた人なら、「冒頭で追われているこの女こそがシリアルキラーだ」という事は容易に想像が出来てしまうし、彼女を追う男の正体が警察官というのも、気付きこそしなかったが妥当な設定であり新鮮味には欠ける。私は「追う側も追われる側も両方シリアルキラーで、どちらが相手の裏をかいて仕留めるか」という展開を想像・期待していただけに、随分と真面目な話だなと感じた。
そう、一見すると突拍子もない作品に見えるが、時系列を入れ替えた非線形のストーリーテリングの中にも、観客が混乱しないように各チャプターをテロップで提示したり、映像の中に真相への“ヒント”を散りばめていたりと、親切かつ真面目な設計が成されている。
デジタル撮影が全盛の現代において「全編35mmフィルムで撮影」と、わざわざアテンションする辺りにも、監督の生真面目な性格が伺える。些か真面目になり過ぎてしまった印象があるが、観客に対して常にフェアでいようとする監督の精神には好感が持てる。
物語は第3章から始まり、第5章→第1章→第4章→第2章→第6章→エピローグという構成となっている。主人公であるレディの視点で始まるので、彼女がメインとなる章は赤画面に黒文字、デーモンがメインとなる章は黒画面に赤文字と区別されている様子。
脚本の推進力が「次はどうなる!?」というクリフハンガーの連続と「観客の予想を裏切る」という事に終始し切っているので、物語的な魅力には些か乏しい。時系列を入れ替えた非線形の作風で観客を煙に撒きつつも、全てが明らかとなった上で時系列を整理してしまえば、単に《イカれた女殺人鬼が、襲おうとした男の正体が警察官だと知らずに思わぬ反撃を食らい、逃亡する先々で人を殺して逃げ延びようとする》というシンプルな内容だからだ。
そして、それを演出する上で、キャラクターについて(ともすれば意図的に)深掘りする事を放棄しており、それがどのキャラクターにも感情移入出来ず、離れた位置から物語を追わねばならない要因となっている。
話によると、スタジオ側は本作の時系列を順番通りに編集して公開させようとしていた様子。本作の最大の魅力を殺しかねないお偉いさん方の判断は、いつだって製作者の敵だなと思った。物語の複雑さによって観客が置いてけぼりを食らう事を避ける為の判断だったそうだが、これだけ丁寧な説明の成された物語を理解出来ないのならば、それは観客の知性に問題があると切り捨ててしまって良いではないか。
結果的に、テスト試写で観客の評判が良かった事から、監督の意図した通りの構成で公開出来たそうで、観客が作品を救った好例となった。
低予算作品ながら1本の作品として安っぽくならずに成立させる手腕、観客への丁寧な前振り含めて、J.T・モルナー監督が確かな実力を持つ監督なのは間違いないだろう。
ラスト、画面のカラーが次第にモノクロになっていく中で、エレクトリック・レディの顔の血色が悪くなり、死に近付いていっている様を表現する粋な演出にも、確かな腕が光っていた。
けたたましく鳴り響く音楽で、絶えず観客の不安を煽る作風も好みである。
既に複数本の次回作の予定がある様子なので、今後の活躍が楽しみな監督である。
ところで、レディが逃げ込む民家の陰謀論者老夫婦の朝食が、ウインナーと過剰な量のバターで焼いた目玉焼き、残った油を使ったパンケーキに生クリームとブルーベリージャム、トドメと言わんばかりにメープルシロップをこれでもかと垂らした、およそ老夫婦が接種すべきカロリー量ではない(成人ですら接種すべきではない)朝食には笑った。
お笑い芸人のカミナリのネタ風に言うなら、「お前の朝食、バカが食うやつだな!」である。
【総評】
捻りを効かせた構成と観客の予想を裏切ろうとする作風は、真っさらな状態で鑑賞するのがベストな1作だった。生真面目な監督の性格と確かな手腕から、今後の活躍が楽しみである。
余談だが、調べると本作はあくまで“実話を基にしたという設定のフィクション”らしく、元ネタとなる事件が近年にあったわけではないそうだ。
編集で緊張感を生み出した
全6章+エピローグで、時系列を入れ替えながら見せていく『メメント』スタイル。
チャプター3
→ 5→ 1→ 4→ 2→ 6→ エピローグ
の順で展開。
観る前は『REVENGE リベンジ』っぽい話かと思ったのですが、さにあらず。
ただ、チャプター5の段階で想像がつき、1で確信、4で答え合わせとなってしまったんで、私には正直ひねりが足りないと感じはしたものの。
人は見た目で先入観を抱き、容易に間違える(騙される)ということを、嫌味っぽく描いていたように思います。
映画としての出来は及第点、編集でここまで緊張感のあるフィルムが作れるのかという点に感心したことと、ウィラ・フィッツジェラルドの演技がよかったので、観たことに後悔はない。
覚えておきたい女優さんの一人になりました。
レディとデーモン
圧倒的演技に絶句〜「第7章 誰が演技指導した?」
2024(日本は2025)年公開、アメリカ映画。
※Fantastic Fest (2023年)で初上映。
【監督・脚本】:J. T. モルナー
主な配役
【レディ】:ウィラ・フィッツジェラルド
【デーモン】:カイル・ガルナー
1.チャプター仕立だが順番に仕掛け
3章 助けてください
5章 ここかい?子猫ちゃん
1章 ミスター・スナッフル
4章 山の人々
2章 パーティーは好き?
6章 ゲイリー・ギルモアって?
エピローグ エレクトリック・レディ
の順だ。
よく出来てる。
実話に基づいているのか、架空なのか。
色々調べてみたが、
残念ながら私のチカラではよくわからなかったし、
モルナー監督自身が取材でも真相を述べていない。
ジョヴァンニ・リビシが俳優としてではなく、
撮影監督として参加している。
『プライベート・ライアン』で衛生兵のウェイドを演じていた。
カメラワークがとても素晴らしかった。
感心したのは、
冒頭の美しさ、と、ラストのリアルさ。
2.ウィラ・フィッツジェラルド
彼女の圧倒的な演技に言葉を失ったのは、
ラストシーンだ。
ピックアップトラックの助手席の彼女。
右手は、他の拳銃を探しているようにも見えた。
誰が演技指導したのか?
すごすぎる。
3.まとめ
カルト映画、とされるのだろうか?
確かに途中までは、そんな印象を受けつつあった。
しかし、ラストシーンでその印象は一変した。
息もつけない緊迫感。
97分が短く感じた。
☆4.0
うーむな感じ
2025年 新しいヒロイン NO1じゃネ? アノーラより演技力勝ってる
土曜の朝 の ラジオ 渡辺タスクさんが 絶賛してた映画!決して予習して見ないでって。
すごすぎて びっくらこいた。
映画同好会的マニアックな老夫婦が隣の席で 瞳孔開いていた 、 はず。
かたずをのんで 見るってこの事。
ネタバレは 禁止だね。落ちがわかっていても 何度も
みたいと思う映画ではナイ。
忘れていたけど、
「ハイテンション」という 仏映画2006年 公開 、落ちわかっても何度も見させてしまう映画
あったよ。
最近6月 リバイバル上映されてたのでちょっと 思い出した。
この 「ハイテンション」 仏映画の ヒロインの方が 常人の知を超え 格段にすごいけど ネ、
エヘヘ。
サイコ・キラー
観にいく価値あります。
唐突に追われてみるのはいかが。
映画開始時、テロップにより35mmフィルムで撮影されている事、そしてシリアル・キラーの作品である事、タイトルと同時に6章に分割されている事が表示される本作。
物語はいきなり3章から幕開けし、観客は唐突に車で逃走する女とそれを追う男の追走劇へと放り出されてしまいます。
その後も物語は5章へと飛び、その後、ようやく1章へと物語が遡ります。
一見出鱈目に思える時系列の順番ですが、実は物語が転じる4章と2章を後回しにする事で凡庸になりかねない物語をスリリングな展開へと転じさせる事に成功している映画でした。
察しの良い人には先が読めてしまう展開ではありますが、章によって登場人物に抱くこちらの感情が大きく変化する作品ですので、イライラしたり、ハラハラしたりできた人には良品映画になったのではないでしょうか。
個人的には男優、女優、共に良かったと感じます。
両者とも観ているだけで殺意を感じる表情や不安を抱かせる表情を見せる瞬間があり、本作にとって重要な要素になってます。
彼らの顔に注目して鑑賞してみてください。
余談ですが、10年くらい前、イーストウッドの娘フランチェスカが出ているというだけで本作の監督が手掛けた「Outlaws and Angels(原題)」の輸入盤DVDを購入しました。
その時も感じた事なんですが、初監督作品にも関わらず何気にお金がかかっている作品になってました。
今回もお金のかかる35mmフィルムで撮影していますし、お金のある監督なんですかね。
ストレンジ・ダーリン(映画の記憶2025/7/12)
シンプル勝負は嫌いではないけど
「なるほど」とは思ったが感動するまでにはほど遠かった。
あまりにシンプル過ぎて、そりゃそういう見せ方すればそうなるよなあ、というだけだった。
いくつものベクトルの違うストーリーが複雑に入り組んで、最後に実は全てこう繋がってましたというお話は今までたくさん観てきたので。
脚本能力の問題か、敢えてシンプル路線で勝負に出たのかはわからないが、自分には致命傷を喰らうほど深いところまでには刺さらなかった。
また、せっかく男性をデーモンという設定にしたにもかかわらず、女性もまあまあそう言うタイプに見えてしまう様にした演出には不可解さしかない。
途中途中で流れる爽やかな女性の歌のBGM(フォークソング?)は不思議な事に凄惨なシーンとマッチしており、いちいちやり切った後みたいな感じで流れるのでギャグ的に使っているとしか思えなかったw
それにしても音量が異常に大きかったのは劇場のせいだろうか?
とんでもないボリュームで不快さしか感じなかったのでもう少し考えて欲しいと思った。
斬新でした
監督と脚本家にしてやられた!
めちゃくちゃ計算されてる
2025年劇場鑑賞204本目。
エンドロール後音声有り。
予告で一分ごとに展開が予想できないみたいなことを言っていましたが、さすがにこれは誇大広告にしても、かなり考えられて作られていました。
真相は予告の時点であんまりどんでん返しを強調されるとある程度の予測はしてしまい、その想像の一つが当たってしまったのは当たってしまったのですが、それでも全部ではなかったです。何よりこの映画の最大の特徴として、章仕立ての映画は数多ある中、最初に何章まであるか教えてくれる映画は見たことなく、しかも3章から始まるというのはかなり斬新だと思います。その後も行ったり来たりして進んでいくのですが、だんだん物語の本当の話が出てくるのは良かったです。
ただ、もしそうなると5章のある人物の動きが迂闊すぎてもし中身違ってたらどうするんだ、という心配と、6章の致命的なミス、その後のやり取りとか色々スカッとはしきれない部分もあり少しだけ点減らしましたが、基本的には面白い試みをした映画だと思います。
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