恋に至る病のレビュー・感想・評価
全51件中、41~51件目を表示
【"青い蝶・・。"今作品は、支配欲の強いマインドコントラー少女の、恐ろしくも切ない恋心を描いたサスペンスラブストーリーである。ラストショットは秀逸だと思います。】
◼️ある街に、内気な少年ミヤミネ(長尾謙杜)が越して来る。隣家の少女ケイ(山田杏奈)は彼の姿を遠くから見て、手に入れたくなり、イロイロな手段を使い彼とデートするが、彼女はモノレールで、彼は自転車で目的地にどちらが早く到着するか賭けをするが、彼が必死に自転車を漕ぐ姿を車内から見て、優しい眼をしながら"頑張れ"と、呟くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作品は名匠、廣木隆一監督らしい、一捻りあるラブミステリーである。
・ケイはクラスの人気者だが、徐々にその理由が分かるサスペンスフルなストーリー展開に引き込まれる。
・次々に起きる高校生の飛び降り自殺の影にあるゲームソフト"ブルーモルフォ"の存在。
・そして、ケイがそのソフトによりモンスターになっていた事が分かる展開。
◼️だが、ケイのミヤミネを自分のモノにしたかった強い恋心が分かる、彼女が残した"宝物箱"に入っていたミヤミネの消しゴムを映すラストショットは可なり切ないのである。ケイの不器用で、哀しき恋心が分かるからである。
<今作品は、支配欲の強いマインドコントラーの少女の恐ろしくも切ない恋心を描いたサスペンスフルなラブストーリーなのである。>
原作読んでますか?
駄作。原作読んだのかな、どうやればこんな作品できるんだろう。不思議。一周回って面白くなってくる。正直言って映画代が無駄です。ユニセフに募金した方がまだマシ。
原作との設定が削られている癖して、尺も短い。109分ってやる気あるのかな?って思いました。
正直鬼滅より長くなってもいいから原作の内容を再現して欲しかった。特に全部。終わってる。
皆さんは映画を観に行かずに原作と、短編集を買った方がいいです。本当に。
愛する人の人生を永遠に支配することで、最上級の幸福を手に入れられるのかもしれません
2025.10.25 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(109分、PG12)
原作は斜線堂有紀の同名小説
被支配構造を恋愛に持ち込んだスリラー映画
監督は廣木隆一
脚本は加藤正人&加藤結以子
物語の舞台は、神奈川県にある塔の森高校
親の転勤で引っ越しばかりしてきた高校生の望(長尾謙杜)は、7回目の引っ越しが最後だと言われていた
海沿いの街に引っ越した彼は、向かいに同年代の女子・景(山田杏奈)がいたが、引っ越し当初は挨拶さえもしなかった
望はコミュ障というわけではないが、引っ越しのたびに人間関係がリセットされることで安心を得ていた
転校初日、壇上で自己紹介をすることになった望だったが、うまく言葉が出てこなかった
それを見かねた景は「知り合い」であることを強調して助け舟を出した
望は景を認知していなかったが、彼女は自分の家の向かいに住んでいて、景は望のことを覚えていた
景はクラスじゅうに愛されている人気者で、クラスメイトの根津原(醍醐虎汰朗)は彼女に好意を抱いていた
だが、景と距離を縮めていく望に苛立ちを覚え、2人きりで水族館に行ったことを機に、それが攻撃へと変わってしまう
景は根津原に止めるようにいうものの、逆に景も仕打ちを受けることになり、望はそれを知ってしまうのである
映画は、望をいじめていた主犯格の根津原が突然自殺をするところから動き出す
望は景が何かを知っているのではと思って探りを入れると、彼女は「自分が殺した」と告白をする
望は自分のために根津原を殺したと思い込み、彼女のためにヒーローになると宣言をする
だが、それはこれから起こる悲劇の序盤でしかなかったのである
映画には、死にたい若者を自殺に誘導するゲームというものが登場し、その参加者が最終的に自殺してしまうという設定があった
それにハマる若者たちを描きつつ、このゲームを作ったのは誰なのかというミステリーも描かれていく
劇中では中学校の教諭(長尾拓磨)が犯人として逮捕されるのだが、それは身代わりのようなもので、閉鎖されたサイトは「偽サイト」などを含めて復活を遂げていた
映画では、その首謀者が景であるとは断言しないのだが、そこは察してねレベルで説明を省いているように思えた
恋愛関係における支配と被支配の構造があって、そこに若者の不安定な感情が混じっていく様子を描いていく
彼らは「次の人生では良くなる」と信じている部分があり、ゲームでも「選ばれた」という感覚を植え付けていく
小さな成功体験が積み重なって自分には価値があると信じ込み、転生に対して必要なカリキュラムを続けさせているように思える
映画内ではゲームに関する細かな説明はしないのだが、モデルになっているゲームやその派生というものも存在するので、あえてぼかしているのだろう
心理誘導に際して、手を下すことなく自分の意思で行動を起こさせるというものを利用しているのだが、それほどまでに若者の心の中には隙がたくさんあるということになる
そこに付け込むことで道具と化すのだが、道具になっていると気付いた先輩・善名(中井友望)は報復を思いつく
それでも、景にとってはその感情すら道具であり、望にとっての忘れられない人になることを目的としていたのだろう
ラストには、無くなった消しゴムが彼女の宝箱から見つかるのだが、それはきっかけすら彼女が作っていたことの証拠であり、自分に好意を寄せている根津原を使うことで、望にとって必要不可欠な存在になろうとしていた
随所にその仕掛けが施されているので、ある程度の経験値がある人ならば「景の張り巡らせた罠」というものに気づけると思う
その視点だと刑事(前田敦子)の憤りが理解できるのだが、それすらも滑稽と思うのが、現代的な感覚なのかもしれません
いずれにせよ、転生をするかどうかは置いておいて、景自身は他人にそれを信じ込ませても、自分自身ではそれを否定しているのだと思う
彼女にとって、今世で何を成し遂げるかが重要であり、彼女自身が好意を持った相手の人生を奪うことができるかどうか、というのがゲームになっているように見える
彼女は何度も救急車を呼ぶことを止めるのだが、それは望に行動と絶望を促すためであり、自分の存在が絶対的なものであることを植え付けるために行なっていた
それを自分の命と引き換えにできる感覚は理解不能なのだが、彼女のロジックではそれが正解なのだろう
これらの心理的な現象は「自分が社会の中にどんな存在価値を残せるか」という若者特有の感覚であり、その最上級の思想なのだと思う
それゆえに、若年世代にはバズり、大人には意味不明と映ってしまうのではないだろうか
ただの恋愛映画ではない
タイトルだけ見たら「高校生の恋愛映画」と思われそうですが、サブタイトルのとおり「これは純愛か洗脳か」見終わってどっち???となりました。
友人や家族など複数人で観て、鑑賞後考察をお勧めします。
1人で観たため考察相手がおらず、?の持って行き場に困っています。
主演の2人が原作の持つ含み部分を表情や眼、声のトーンで表現していて、観る側に解釈を委ねてきます。でも、彼らはストーリーの中で、それぞれの役をしっかり生きていて、考察だけを投げかけてくる。長尾くんも杏奈ちゃんも、巧い。役者と廣木マジックが、はまった映画だと思いました。
ストーリーは、どこにでもいそうな高校生の日常生活に起きた事件ですが、事件はエッセンスで、観客に主人公2人の心理を魅せ考えさせることが主テーマだと思います。廣木監督の技法(遠景やワンカット長回しなど)あってこその作品ではないでしょうか。
(その後2回観ての追加感想)
最後のシーンの伏線回収となるところで「純愛か?」と思ったのですが、もう少し深読みすると、それすらも景が意図し、宮嶺は、景がいなくなっても心理的に景から離れられなくさせられているのかもしれないと思い始めました。
全体を通じて、必ず蝶が関係しています。景が惹かれるのは世界3大美蝶のブルーモルフォ。一方、宮嶺はアゲハ蝶になる前の幼虫を飼っている。
ブルーモルフォ蝶の羽は、視覚的にブルーに見えるだけで本来の羽は色を持たない蝶だとか。
内気な宮嶺が飼う現実の幼虫は、サナギから羽化してアゲハになると手の届かないものになる。
そのアゲハ蝶の中でもさらに手が届かず幻想的な蝶がブルーモルフォであり、景。
宮嶺が景に翻弄される様が、重なりました。
ラストシーン、宮嶺は景のいない状況を受け入れ現実に戻ったかのように見えて、実は目の前にはいない景にまだ翻弄されている?とも見えてきて、杏奈ちゃんも長尾くんも、この含みを十分に残した演技だったことに、改めて若いのに巧いと思いました。
純愛に変わった
たまたま映画を観る前にさっとパンフを読んで、特に監督の思いは映画を堪能しやすかたった。
自転車のシーンは景が洗脳を強化する手腕のようで、宮嶺の必死さに3回目にはすでに景は純愛に変わっていたのでは?
刺されてから、景は本当の気持ちを伝えられた気もする。
その後宮嶺は以前の内にこもった人格にもどったけど、消しゴムを見つけて、両想いの純愛だったとしったのでは?
今はそんな解釈です。
キャストの皆さん、演技が上手かった。
純愛か、洗脳か、
原作読了時点では洗脳派。
というわけで、洗脳派目線で1回目鑑賞。
景のあの時のあの表情は…と気になる部分があり思わず2回目鑑賞。
宮嶺は彼なりの純度100%の純愛を貫いているんだろうな。
景は、もしかして、宮嶺に対しては純愛だったのかもしれない。
そう思いながら観ていたら最後に思わず涙がこぼれた。
杏奈ちゃんの演技が、ダークに寄り過ぎていなくて、純愛?洗脳?の間をうまく表現していて絶妙だった。きっと、もっとダークな景を演じることもできただろう。素人には、もっとサイコパスで洗脳しています!な表現の方が簡単に刺さるかもしれない。でもこれが、山田杏奈が捉えた世界に生きた寄河景なんだ。
杏奈ちゃんの演じる景に出会って、原作を読んで単純に「洗脳だ」と思い込んだ自分に反省している。
個人の願いとしては、ブルーモルフォの首謀者として景は多くの人を洗脳してきたのかもしれないけれど、宮嶺に対してだけは景なりの純愛があったのだと信じたい。
景を失ってもなお景への愛情を貫く宮嶺は、側から見ると洗脳されていた部分もあるのかもしれない。だけど、宮嶺にとっては真っ直ぐ過ぎるほどの純愛で。
その塩梅もまた絶妙だった長尾くん。
もう1度観たらまた違った解釈に出会うかもしれない。
1つの考えに縛られず、また新たな「恋に至る病」にかかるためにあと何回か映画館に通いたい。
余談ですが
主題歌が作品にマッチし過ぎていてとてもよかった。
曲が流れるタイミングも含めて自分の中では完璧だった。
ミステリーとしても、ラブストーリーとしても不完全燃焼で、「命を軽視し過ぎ」という不快感が残る
結果的に、主人公の周囲で、立て続けに5人(クラスメイトが関与していた殺人事件を含めると6人)の高校生が死亡するのだが、いくらなんでも現実味がないし、「命を軽視し過ぎ」ではないかという不快感が残った。
1人目のいじめっ子が転落死した直後に、主人公の彼女が「自分が犯人だ」と告白して、だったら、2人目のいじめっ子の溺死も彼女の仕業なのかと思っていると、これは、プレイヤーを自殺へと誘導するネットのゲームが原因であることが明らかになって、一体何の話なのかがさっぱり分からない。
あるいは、彼女が、校舎から飛び降りようとしている先輩を説得して、自殺を思いとどまらせたり、人権集会で自殺の防止を呼びかける演説を行ったりすると、益々何の話なのかが分からなくなってくる。
3人目の死亡者として、女子高生が投身自殺をするに至って、1人目の生徒が死亡した経緯と、それを裏で操っていたのが主人公の彼女であることが判明するのだが、彼女が犯人であることは、既に彼女自身が告白していたことなので、ミステリーとしての面白さや驚きは、少しも感じることができなかった。
終盤は、自殺に誘導するゲームによって再び投身自殺を図る先輩と、それを止めようとして先輩に刺されてしまう主人公の彼女の話になるのだが、「殺人鬼」だったはずの彼女が、いくら主人公に懇願されたからといって、周囲の目もないのに自殺を止めようとするのは、キャラクターにブレがあるとしか思えない。
そもそも、プレイヤーを自殺へと誘導するゲームは、「殺人鬼」としての彼女を描くに当たってのノイズにしかなっておらず、このゲームに関するエピソードは、そっくりそのまま無くてもよかったのではないかと思えてならない。
結局、彼女は、殺人がバレた時に、主人公を犯人に仕立てるために、主人公の恋心を利用したということなのだろうが、肝心要の、主人公と彼女のラブストーリーに、少しも「恋のときめき」が感じられなかったのは、致命的と言えるだろう。
ラストは、「恋」という形で洗脳された主人公の姿を描きたかったのかもしれないが、それにしても、「自分が彼女を殺した」という彼の主張は訳が分からず、まったく納得することができなかった。
さらに、刑事が、主人公の彼女のことを「モンスター」だと断定したことにも、素直に頷くことが難しかった。これは、前述のようなキャラクターのブレがあったからでもあるが、やはり、山田杏奈に、スクールカーストの頂点に君臨するようなカリスマ性と、相手の心を自在に操る「魔性の女」のイメージが欠けていたからであると考えざるを得ない。
現在の彼女は、素朴で天真爛漫なキャラクターを演じてこそ、輝くのでないかと思えるのである。
ただのラブストーリーとは違う
洗脳か純愛かって話だったけど、純愛なんじゃないかと思う
宮嶺に出会ったことで景のスイッチが入っちゃったみたいなとこある
二度目の先輩の自殺を止めてほしいってお願い聞いたとこや最後の方の自転車でモノレール追いかける宮嶺を見る景の目は色んな感情が混じった複雑な表情をしてた
最後消しゴムが出てきて景が微笑むあれは宮嶺の幻覚だけどきっとそういう事なのかな?
それともやっぱそう思い込ませる洗脳なのか
難しい
長尾くんはやっぱりこういう演技が上手い
本領発揮してた
ただ今までの大人しいみたいな役とは違う感じ
今回も目の演技が素晴らしかった
分からなくて、もどかしい
原作も読了し、どのようなストーリーになっているんだろうと、ドキドキとソワソワで鑑賞しました。
原作とは違う展開にはなっているけれど、読んでいるときと同じような、得体の知れない違和感がそこかしこに散らばっている感じがするのに、掴めない。そんな映画でした。
人間の心って難しい、し、感情は一つではないが故に読めない、分からない、知りたい、でも分からないをループする物語で、きっと何回見ても完全に理解することは難しいけれど、それでも理解したいからまた観に行くんだろうなと思います。
純愛、だと信じたいなあ。
モンスターラブストーリー
ピュアなラブストーリーではなかった。
ちょっとスリラー的な要素があって。
イジメはあるし、死人は出るし、サイコ?って思わせるし。
結局これはラブストーリーだったのか?
夜逃げのように引越ししたって事は彼女は亡くなったんだね。しまいには彼も様子がおかしくなってるし。
やっぱりちょっと怖い映画だ。
全51件中、41~51件目を表示



