「奇跡を待ってたって」恋に至る病 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡を待ってたって
原作は未読ですが一筋縄ではいかないであろうラブストーリーというところが気になって鑑賞。
特典はステッカーでした。
序盤から中盤にかけての謎めく部分にはかなり引き込まれ、山田杏奈さんの好演も含めてかなり期待できたのですが、終盤にかかっての散らかり具合と全体に渡っての噛み合わせの悪さが足を引っ張ったかなと思いました。
最初は少しだけ綱渡りな恋模様かなと思っていたら、いじめが起こり、それに繋がるように自殺が起き、それの原因であろうサイトがあったりとでどんどん繋がっていくお話でした。
手にダメージがいくタイプの作品だったのは予想外で、いじめ描写では手を踏みつけたり傷をつけたりするので思わず顔を覆ってしまいましたし、いじめ描写って必要?と思える作品もある中で、今作はいじめの説得力が強くあったなとは思いました。
あってはならないんですが。
細かいところでどうしても気になってしまうところが多かったのが非常に惜しいところで、キャラクターの性格や今作の根幹に関わるシステム等々、辻褄が合わないところが目立っていたなと思いました。
ブルーモルフォは少し前にネットで流行したであろう鯨のやつをモチーフにしていると思うので、その点でも既視感があり、オリジナリティの無さはやはり引っかかってしまいました。
主人公・宮嶺がヒロイン以外も名前呼びするところはかなりキャラがブレてしまっていたなと思いました。
元々人前で喋るのも得意そうじゃなかったのに、一歩超えてからよそよそしさはどこへやら、ガンガン名前呼びするし女子とたくさんつるんでるしで謎めいていました。
景も人気者という事は分かるんですが、いかんせん周りが勝手にどんどん死んでいくので、全て景に押し付けてない?となりましたし、景のキャラクターが全く掴めない方向が悪い方に働いてしまったかなという印象です。
いじめっ子が死んだところなんかも、転落死であんなに綺麗に体も顔も残るか?と思いましたし、自殺誘導というのも、何故そうなったのかの描写が最低限すぎて自殺に納得できないところがあったのが残念でした。
割と証拠もガンガン残していたりとで説得力が薄くなってしまったのもガックリでした。
ラストシーンの消しゴムのくだりも、景の隠された異常さを出したかったんだろうなとは思いつつも、正直出てきたところですみっコ可愛い!の方が勝ってしまっていたのでその辺の印象なんかもあんまりだなと思いました。
山田杏奈さんの好演はお見事だっただけに、このキャラクター自体が負けてしまっているなと思いましたし、謎の空白が多かったのも気になってしまいました。
恋愛×殺しの組み合わせはかなり難しいなーと痛感させられつつも、挑戦的な作品だったとは思うので評価も悩みっぱなしの作品でした。
鑑賞日 10/25
鑑賞時間 10:55〜12:55
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