「見事な終活」音楽サロン りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
見事な終活
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サタジット・レイの長編第4作。急激な社会変動を背景に、没落貴族の衰退と芸術への執着を描き、その芸術性と映像美で世界の多くの映画製作者に影響を与えた。
1920年代のインド・ベンガル地方。貴族で地主のビッションボル・ラエは急激な社会変動により没落し経済的に困窮していたが、かつての栄光にすがりつくように音楽と舞踊に大金を使う日々を続けていた。変わりゆく時代に取り残されてしまったラエは、隣人の新興実業家ガングリに対抗心を燃やし、妻や子供を亡くした後、残りの財産が300ルピーになっても、最後の誇りをかけて自らの音楽サロンで盛大な演奏会を開き・・・そんな話。
没落貴族の威厳と哀愁の行動だが、見栄っ張りや隣人への対抗心がやめられないし、死ぬまで変わらないんだろうな、と観てた。
滅びの美学らしいが、見事な終活だなぁ、と思った。
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