劇場公開日 2025年7月11日

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「【”最高の夜、最悪の夜。”今作はDV夫を失った女性が、マッチングアプリで知りあった魅力的な社会派写真家が撮ったある写真を切っ掛けに陥る、ハラハラドキドキのサスペンススリラーである。】」DROP ドロップ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”最高の夜、最悪の夜。”今作はDV夫を失った女性が、マッチングアプリで知りあった魅力的な社会派写真家が撮ったある写真を切っ掛けに陥る、ハラハラドキドキのサスペンススリラーである。】

2025年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

幸せ

■幼い息子を育てるシングルマザーのバイオレット(メーガン・フェイヒー)はDV夫だった男の”死”を乗り越えようと、マッチングアプリで知りあった魅力的な社会派写真家・ヘンリー(ブランドン・スクレナー)と幼い息子を妹に預け、素敵なる高層階のレストランでディナーデートをする。
 順調に見えた2人の時間は、突如スマホに届いた匿名の恐ろしきドロップメッセージによって狂って行くのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・作品の設定が斬新である。
 冒頭、映し出されるバイオレットが男に暴行を受け銃を向けられるシーンからの、その後、時が過ぎ、彼女がマッチングアプリで知りあった男性との初デートに向かうシーンの切り替え方と、途中で冒頭の意味が分かる展開である。

・私の記憶だと、スマホのドロップ機能を使ったサスペンスは初めてではないだろうか。(違ったら、申し訳ない。)
 そして、初デートにも関わらず、犯人に家に乗り込まれ、息子と妹の命を握られたバイオレットが犯人の指示により、しばしば席を立ち、腕時計を故意に隠していた事が分かっても、その事情を悪くは取らずに、”何か大変な事が起こっているのだろう”と察し、冷静に対応するヘンリーの誠実さが、市長の不正を暴こうとしていたところに繋がるという整合性もナカナカである。
 序でに言えば、人を見る事が商売でもある女性バーテンダーも、序盤から登場し、重要な役割を果たしていく流れも良いのである。

・今作は、比較的短尺であり、シーンがほぼ二人のデート先の素敵なる高層階のレストランであるために、市長の不正が何であったかが、やや不明確であるがストーリー展開の中でそれはこの作品の魅力を削ぐモノにはなっていない。
 逆に、今作をほぼワンシチュエーションサスペンススリラーにしていると思う。

■ラストも鮮やかであると思う、勝ち誇った犯人に対し、バイオレットが素早く行った、市長の不正写真を撮ったヘンリーを亡き者にしようと渡された毒物の摩り替えシーンなどは、観ていてスカッとする。
 ピアノ弾きは可哀想だったけれど・・。
 そして、自ら犯人の銃弾からバイオレットを守るために身を呈したヘンリーが入院する病院に見舞いに訪れたバイオレットと、彼と同じ病院に入院していた元気そうな妹の姿は、バイオレットとヘンリーとの明るい未来を示しているのである。

<今作はDV夫を失った女性が、マッチングアプリで知りあった魅力的な社会派写真家が撮ったある写真を切っ掛けに陥るハラハラドキドキのサスペンススリラーなのである。
 手元に今作のフライヤーがあるのだが、愛知県では上映館が少なかったんだよなあ。>

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