「今だからこそ俯瞰で考えることのできる作品」エディントンへようこそ ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
今だからこそ俯瞰で考えることのできる作品
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前作、「ボーはおそれている 」からホラーとは別のジャンルで作品を制作しているアリ・アスターだが、ホラーに限らず、後味の悪さが健在である。
本作はコロナ禍での出来事を描いている。
当時、未知の感染症として扱われていたコロナ感染症でこれまで未経験だった緊急事態宣言下での生活は何かとストレスがたまったのは記憶に新しいのではないだろうか。
マスクをしない者を見つけては魔女狩りのように吊るし上げていたり、普段政治に興味のない人達が、マスク着用や緊急事態宣言などで強制的に干渉された結果、陰謀論などに嵌ってしまう人たちもいる。
同時期に起こったBLMもそのストレスのはけ口として利用されていた。
だが、BLMでの活動家の中には黒人は見当たらない。
黒人の為の活動のはずだが主導しているのは白人であり、相変わらず黒人には発言力を与えられていない。結局のところ保守派の白人とリベラルの白人の衝突であり、それ以外の人種は蚊帳の外なのである。
物語の舞台のエディントンは アメリカの縮図のような 町だが、
俯瞰してみると短期間でこれだけ多くのことが起こったのかと考えさせられてしまう。
本作のアリ・アスターの矛先はコロナではなく、翻弄される人間であり、人間の醜さである。それを観たときにこれまでのホラー作品とは違った後味の悪さを味わえるだろう。
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