劇場公開日 2025年12月12日

「アメリカにしてこの同調圧力とは!」エディントンへようこそ たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 アメリカにしてこの同調圧力とは!

2025年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

驚く

またしてもアリ・アスターが作り出した緻密にして底なしの壮大な悪夢を見せられた。予測不能の展開という表現ではとうてい足りない。「よるすべがない」のだ。映画には主人公がいてそれが善であれ悪であれそれなりに感情移入して物語世界の時間を共に生きるものだ。紆余曲折はあっても「良識の範囲」に僕たちはよって立ち筋が成り立つと信じていたのだけれどこうもあっさりと裏切られ続けては(躊躇なく容赦ない)口をあんぐりと開け閉じる暇がない。しかし顧みれば2020年のコロナ禍で我々が体験したのはまさにブレードランナー的な「近未来世界」だったし国が一人2枚づつ粗悪で小さなマスクを配ったり県をまたいで移動してきた車や営業している飲食店や会食しているグループをとことんバッシングするような悪い冗談が現実となった。この映画はニューメキシコを舞台とすることで、米が内包する格差社会、人種差別、同時期に盛り上がったブラック・ライブズ・マターズ運動やSNSが発する陰謀論、銃社会等々あらゆる問題を全部まとめて鍋にぶち込んだ。これからも「コロナ禍映画」は出てくるだろうが、この時代を反映した映画史上の代表作となることは間違いない。

たあちゃん
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