ハルビンのレビュー・感想・評価
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韓国人から見た歴史
伊藤博文を暗殺するまでの、安重根を描いた映画である。脇役の演技は素晴らしかった。日本のスパイとなったメガネ(チョ・ウジン)が命乞いをし、それに心を揺さぶられ殺すに殺せなくなるパク・ジョンミンの演技は素晴らしかったし、日本軍の少佐に捕らえられるも、最後までプライドを持って挑発するイ・チャンソプ(イ・ドンウク)は掛け値無しに、カッコよかった。ただ、主役がちょっと…。なんというか、余りに聖人化されていて、人間味が感じられなかった。捕虜を殺してはならないと常日頃から言っている割に、どんな犠牲が出ても抗日運動は絶対にしなければいけない!と主張するなど、言動に一貫性がない。おそらく、安重根を無謬の英雄として描こうとしすぎているので、内面が全然伝わってこない感が出るのだと思う。あと、日本軍の少佐は余りにも酷すぎる。少佐の下手くそな日本語で途中から映画館で笑ってしまった。というよりも、日本のスパイのメガネの方が日本語が上手であった。あの程度の日本語しか話せないのなら、その辺の演技をかじってるソウル在住の日本人のおっさんにやらせた方が絶対にましである。というより、少佐のキャラクターが余りにも酷すぎる。安重根に執着する余り、事あるごとに「アン・ジュングンハドコダ」とまるで呪文のように繰り返すが、もはやただの妖怪のように描かれている。また、メガネと食事をする時、自分の食べているステーキを手でつかみそれをメガネに渡すシーンがあるが、それはさすがにないんとちゃう?ちょっと野蛮人すぎるやろとツッコミたくなった。また、リリーフランキー演じる伊藤博文も、ちょっと権威主義者風味が足りず、物足りなかった。
さらに、時代考証や季節感がめちゃくちゃであった。メガネを拷問する時に、わざわざ毒マスクを着用して拷問していたが、そもそも毒ガスが兵器として使用されたのはWW1からなので意味が分からなかった。また、舞台は満州のはずなのにサハラ砂漠か?みたいな所を通過したり、暗殺した時は10月のはずなのに、暑そうであったり、また、雪が積もってたりして見ていて疑問を感じることがよくあった。
あと、伊藤博文のセリフに疑問を感じることも多かった。「300年前は、李舜臣がいたが今はいない」と言っていたが、いや、そもそも伊藤博文は李舜臣知らんやろと、その当時多分全然有名じゃなくない?と感じた。
まとめると、脇役の演技は素晴らしいが主役はぼんやりしていて、少佐の演技は酷い。時代考証もめちゃくちゃであり、ツッコミ所はたくさんある。しかし、日本にいるとおそらく理解できないであろう韓国人の歴史観を覗き見ることができる映画であり、その点においては一回見ておいても損はない。(2回見る必要なない)
歴史モノではありません ノワール? 任侠モノ? サスペンス? あたりと思えば そこそこ楽しめるかも でも本質はアン•ジュングンの英雄譚(韓国の皆様にとっての ですが)
この映画は、1909年10月26日、当時ロシアの管轄下にあった清のハルビン(現在の中国黒龍江省ハルビン市)のハルビン駅にて、日本の元総理大臣 伊藤博文が大韓帝国(当時)のアン•ジュングン(安重根)に暗殺された事件を中心に、その前後の大韓義兵と日本軍の攻防を描いています。
一応、歴史モノの体裁はとっていますが、時代背景がほとんど描かれていませんし、話のディテールはほぼフィクションですので、ノワールとか任侠モノとかだと思って観るのがよいかと存じます。例えば、こんな……
数年前のR組との一大抗争に勝利したJ組はR組とは手打をしてそのシマの一部を譲り受け、勢力を拡大しつつあった。弱体化したK組に目をつけたJ組はその組織を骨抜きにし、ほぼ傘下におさめ、呑み込もうとしていた。だが、K組の存続を願う不満分子たちはJ組に対して抗争を仕掛けてゆく。多勢に無勢で形勢不利なK組不満分子たちは、J組最高幹部の伊藤元組長がR組の幹部に仁義を切りにR組のシマを訪れることを知って、R組のシマに潜伏しながら、伊藤元組長の暗殺を企てる。それを察知したJ組若頭補佐の森は抗争時に因縁のあったK組不満分子の急先鋒アン•ジュングン構成員の動きが気になって仕方がない。J組きっての武闘派でならす森はK組構成員たちの切り崩しに取り掛かる……
まあこういった話で全篇ほぼ、上で言うところのJ組とK組の攻防にさかれます。満州鉄道の列車内での攻防等、なかなかのサスペンス感もありますし、当時の街並みなどもうまく再現していて画力もそれなりにあります(画力に関しては調子に乗りすぎていて、満州ではあり得ない、別の惑星に来たの、これはひょっとしてSFのスペースオペラものなの、みたいな景色もあって残念な部分もありますが)。まあでも、一応、歴史に基づいた作りになっていますので、結局はK組のアンは伊藤元組長の暗殺に成功することはわかっているわけで、ノワールもしくは任侠モノとしては先の見えてる話をどう面白くするかが重要となってきます。そのあたりは暗殺後の後日譚みたいなのがラストに入っていて、なるほどノワールや任侠モノなら、こうなるよね、といった決着を見ることになります。まあB級ジャンル映画としてなら合格点をあげられると言ってもいいかとも思いますが、例えば、香港ノワールや日本のヤクザ映画と比較したらどうかとなると、それほど面白くもないか、あたりの評価になるのでしょうか。
でも、韓国の皆様におかれましては、なんと言っても、あの抗日運動の英雄アン•ジュングンについての映画です。きっとあのラストにはカタルシスを感じる人が多かったのではないかと容易に推察でき、結局は韓国の人々にとっては英雄譚としての意味があったということなのでしょう。それ以外の人たちには、ヒマ潰しとしてはそこそこ楽しめるサスペンス映画ということにしておきます。
アン・ジュングンはどこだ?
文禄・慶長の役で豊臣軍と戦い活躍した李舜臣と並び、韓国朝鮮の国民的英雄と称えられる安重根が、ハルビンで伊藤博文を暗殺する物語り、だが、
安重根に一旦捕らわれながらも万国公法に基づき捕虜解放された森辰雄少佐が、辱めを受けたと逆恨みして執拗に安重根を密偵を使って追いつめる話になってしまっていた。
せっかくのヒョンビン、パク・ジョンミン、チョン・ウソンもあまり見せ場なく、密偵役のチョ・ウジンさんがいいところを持っていった。
今作は肝心の安重根がどうやって伊藤博文を暗殺したか、暗殺するに至るまでの葛藤、スリリングな展開よりも、絵作りに重きを置いているようで、どのシーンを切り取っても絵になる素晴らしい場面の連続だったが、緊迫感やせつなさ、カタルシスを感じることができなかった。
私は一応保守的な仕事に就いてますが、若い頃に、外国人として米国で暮らしていたことがあり、日本人が悪く描かれていても割と冷静に作品として観ることができます。(ただし、日本人が日本のことを悪く言うのは許せない)
KCIAやソウルの春がとてもよくできていて面白かったので、今作は日本人がよく描かれてはいないだろうとは解っていても、期待していた。
この内容では韓国の人にも、あまり受けないような気がしたが、韓国でほんとにヒットしたんだろうか。
リリー・フランキーの伊藤博文、ポスターのビジュアルは似せていたが、喋ったらやはりリリー・フランキー。
(コットンテールの時も思ったが、リリーさん、外国映画に出る時は本名かなんかにした方がよくないかな。Lily Flankyて向こうの人が見たら、まさかこんなおっさんとは思わないだろうな)
韓国の俳優さんたちの日本語台詞についてはもう言うまい。
トンデモ日本世界観は京城クリーチャー😂
酷評されてるけど、そんなにひどくはなかった。日本人が出てない日本軍や、歴史歪曲は京城クリーチャーな感じ。歴史云々より結局は生きてこそっていうオチは変に歴史忠実モノより今っぽい感じ。若い人向け、ヒョンビンやドンウク好きなネトフリ世代ターゲットなのに、劇場は中年ニキだらけ。映画会社の宣伝ミスでは?裏切り者がいたり、片目の山賊として酒に溺れてても結局生きてこそ!と伝えたい感じなのは良かった。主人公が裏切り者を生かして、自分は死刑になるのも計算づくで任務を遂行するところはいかにも韓国モノっぽいし、ヒョンビンの朝鮮モノはまんま不時着ターゲットだし。ドンウクが嫌な役な上に呆気なく死ぬのが驚いた。変な日本語より、リリーさんが伊藤博文に見えず万引き家族にしか見えない😅夫人が日本軍を暗殺したり、散々爆弾を手に入れる件があったのに、銃で暗殺という展開が少しびっくり。歴史モノというより哀しみスパイモノとして楽しめた。アクション少なめで少しダレた感じもあったけど、評判より楽しかった。チョウジンさんが、裏切り者っていう役なのは珍しいなと思った。日本軍がヴィランな韓国モノは、必ずガスマスクからの731部隊イメージなんだなあ〜😛
かと言って、決して韓国バンザイ映画でもなかったし、自決するのが美徳というより、裏切っても生きてこそっていうのが今風な感じでした。宣伝が中高年向けっぽいけど、ネトフリ世代向けでしたー
上手に日本語を話す役者さんを起用して欲しい
ハルビン駅で伊藤博文が、安重根によって暗殺されるまでを描いた作品。伊藤博文役のリリー・フランキーが、似ていましたね。大韓義軍の活躍、日本軍との駆け引きなどみどころはありました。残念なのは、日本人役が日本人でないので、日本語のセリフが聞きづらいということです。とても違和感がありました。リリー・フランキーの他に日本人の俳優さん、もしくはせめて日本語を流暢に話せる韓国の俳優さんを起用して欲しかったですね😭
アクションものスパイものとして見れば、かなり面白くよく出来ている。
なかなかクールな韓国映画でした。
これを歴史もの、実録ものとして捉えると、イマイチかもしれないが、アクションものスパイものとして見れば、かなり面白くよく出来ている。
まず映像が素晴らしい。なかなかの重厚感。ハルビンの駅舎やウラジオストクの建物や、鉄道(これはCG?でもCGには見えない出来)など素晴らしい厚みのある映像、満洲の砂漠のシーンもIMAXを意識した映像でとても美しい。雄大な大陸の雰囲気がよく出ていた。
ただ、あまり歴史に踏み込まない。日韓併合については、過激に反日にはならずに中立とまではいかないが、冷静さを感じる表現になっている。
多分、安重根のエピソードを背景にして、壮大な(?)アクション映画を目指したのだろう。
その点が面白かった。
日本軍の森少佐という強烈なキャラクターを作り出し、対する安重根や、義勇軍のメンバーとの対立というストーリーにしてサスペンスフルなスパイアクションものになった。
テイストは、まるで神山健治の「攻殻機動隊」。特にラストの日本軍の森少佐を殺して去るシーンは、クールでまるで日本のアニメのようなカッコよさ。
安重根もただの英雄ではなく、万国公法を遵守しようとする理想主義者の面や、それによって多くの犠牲を出したことへの罪の意識など一市民として人間性も感じられる作り。ラストの絞首刑のシーンも淡々と描く。
撮影、美術、アクション、どれをとっても一級品だったけれど、歴史へのアプローチがイマイチだった分、話の厚みが出なかったのは残念。
反日映画で日本人を演じることで、リアルに不具合が出ないのか心配になりますね
2025.7.8 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年の韓国映画(114分、G)
安重根による伊藤博文暗殺事件を韓国目線で描いた史実ベースの伝記映画
監督はウ・ミンホ
脚本はキム・キョンチャン&ウ・ミンホ
原題は『하얼빈』、英題は『Harbin』で、暗殺が行われた場所の名前
物語の舞台は、1905年の咸鏡北道のシナ山
大韓義軍の中将・安重根ことアン・ジュングン(ヒョンビン)は、同志のドクスン(パク・ジョンミン)、サンヒョン(チョ・ウジン)、チャンソプ(イ・ドンウク)たちを率いて、日本軍への奇襲作戦を決行していた
作戦は成功し、多くの犠牲者を出すものの、日本軍の少佐・森辰雄(パク・フン)を捉えることに成功する
ジュングンは「万国公法」に基づいて、武装解除して解放させようとするものの、チャンソプは根絶やしにしないと後で不幸が起こると反対した
ジュングンの考えが変わらぬことを悟ったチャンソプは自身の兵を引き連れて別行動に移る
その後、ジュングンは自身の兵を引いていくものの、逃した森辰雄が率いる日本軍の強襲に遭ってしまう
命からがら逃げ切ったものもいたが、大多数はジュングンが食料確保のために離れたいた間に殺されてしまった
映画は、ジュングンが大韓義軍の本部に戻り、チュンソプたちに詰め寄られる様子が描かれていく
ジュングンは伊藤博文(リリーフランキー)の暗殺を宣言し、彼が日韓併合の取りまとめのために訪れる予定地ハルビンでの決行を打診する
総長のジェヒョン(ユ・ジェミョン)はジュングンに託すことを決め、ドクスン、サンヒョンたちと共にハルビンを目指すことになった
向こうに着けば、ウラジオストクで商売をしているコン夫人(チョン・ヨビン)から武器を調達してもらえると言う
だが、彼らの行動は筒抜けで、行く先々で日本兵に先回りをされてしまった
密偵がいるのではないかと疑う中、ジェヒョンはチャンソプを責任者に据え、ジュングンは暗殺部隊の先鋒へとポジションチェンジを余儀なくされてしまうのである
映画は、ジュングンが伊藤博文を暗殺するまでを描いていて、そこで起こったことをベースに構成されている
森辰雄のモデルとなった日本兵がググっても出てこないのだが、おそらくは架空のキャラクターで、日本の悪魔的な部分の象徴のように描かれている
これ以外にも、ジュングンが日本にマークされていたとか、ハルビン駅での銃撃の描写などに足りない部分があったりするし、ラストの字幕では「36年後に韓国は独立した」と、あたかもジュングンの意思を継いだものが日本から独立を勝ち得たと言う印象を与えていた
ぶっちゃけると、韓国の人はそう思ってるのねとか、そう思わせたいのねと言うふうに捉えているので、ある意味期待を裏切らない結末だったと思う
ジュングンを美化している部分は相当あると思うが、韓国人が観たいものを作っていると思うので、内輪で盛り上がるのは仕方がないのではないだろうか
歴史をベースにフィクション要素を入れる作品はたくさんあるが、本作の場合はあからさまに日本憎しを印象付けるために森辰雄と言うキャラを誕生させている
彼を演じたのが韓国人の俳優なのだが、現実と虚構を混同する人というのは一定するいるので大丈夫かな、と心配になってしまう
伊藤博文と憲兵(武田裕光)以外は韓国人俳優が演じているのだが、嫌いな国の軍人を演じる意義をどこに見出しているのかはわからない
だが、間抜けで惨めに死ぬ役と言うのは国民が求めてそうな絵面だと思うので、それはそれで評価されるのかな、と感じた
いずれにせよ、単なるスパイものとして観れば問題ない感じで、どこまでがファンタジーなんだろうと境界線を探すのが楽しみの映画だと思う
森辰雄のモデルって誰だろうねとか、馬賊から爆薬もらった話はガチ?とかを楽しむ映画だった
コン夫人のタフさも凄くて、爆薬ごと馬車で横転して生きているのは凄い
てっきりあそこで死んだと思ったし、その後はハルビン駅にて、森辰雄をナイフで刺していたりするので、このキャラだけで一本の映画を撮れそうに思える
真に受ける映画ではないものの、境界線に疎くて、疑問を持たずに同調する人もいそうなところが厄介かもしれない
国難に対して団結をすると言う伊藤博文の言葉があったが、これは韓国のみならず、アジア圏の民族内団結力は強いと思う
それが多民族で構成された国家とは違う部分であると思うので、そう言った韓国的な美徳を思い出してもらうための映画だとしたら、ここまで改変する意味はあったのかな、と感じた
韓国の英雄の素顔
伊藤博文暗殺犯で韓国の英雄であることは歴史の授業でやったのでうっすらと。その程度の知識と日本が韓国を植民地化を進める時代背景は理解してたつもりだけど安重根が伊藤博文暗殺へと至るまでの過程はわかってなかった。
韓国側視点の映画だから100%理解できたとは言えないし、日本人だからこそ反発したくなる部分もあり、純粋に楽しめたかというとイマイチ。
特に大事な役回りの森少佐の日本語にどうしてもムズムズした。あれじゃ「安重根はどこか」botじゃないか。伊藤博文にリリー・フランキーを持ってくるなら森少佐も日本人にしたら良かったのに。残念。
伊藤博文の暗殺自体は成功したけど日本はそれ以降により一層大陸への侵攻を推し進めるわけだから本来の目的であった独立に近づいたと言えるのか?そこの解釈はどうするのかと思ってたけどその答えが最後の「36年後(=日本の敗戦)に独立を果たす」ということなんだろうか。この映画では安重根を朝鮮独立のヒーローとして描きたかったわけではないと思うが(処刑シーンの安重根の表情がそれを物語ってるし)、だとしたら中途半端な感じだったな、と。
撮影監督に星7つ・ヒョンビンに星5つ・ウ・ミンホ監督に星ふたつ
映画『ハルピン』は、確かに物語と映像と心象が完璧に調和するシーンがいくつかあったと思う。この映画の撮影監督ホン・ギョンピョの映像を通じて、1909年ごろの時代のさまざまな混沌としたものが入り混じった匂いまで感じられ、自分が(ポップコーンを食べながら)映画館に座っていることを忘れそうだった。こういう映像体験は、A・タルコフスキー監督の『ノスタルジア』とN・ラースロー監督の映画『サウルの息子』でしか今までに味わったことがなかった。
アルツハイマーになるか死ぬまでおそらく一生忘れないシーンが五つある。
ーアン・ジュングンが豆満江の凍てついた大河のうえで(実際には、マイナス40度のモンゴルの氷湖でロケしたそうだが)ひざまづくシーン。無数の抽象的な氷上のひびのうえにいる人間の危うさと不安を心底感じる。
ー大韓義軍が慶興にいる日本兵の集団に奇襲をかけ、両軍が泥まみれになって戦闘するシーン。不思議なシーンだが面白い。みな銃を(日本兵はおそらく銃剣も)持っているにもかかわらず、それらを使わず、短剣とこぶしを使ってみなが泥まみれになり、混沌となる。泥まみれなので、大韓義軍か日本軍かだんだんわからなくなってゆくのだが、よく見ると兵士の顔が恐怖に歪んでいて怖い。
―同志たちはみな黒い服を着ている。顔の一つ一つに黒い影がある。窓から差し込む弱い光がとても明るく感じる。薄光さす灰色の街路を歩けば、人なのか影が歩いているのかわかりづらくなる。
―かつて同志であった馬賊の頭領に4人が馬に乗って会いに行くシーン。さすがに満州には映画に出てくるような砂漠は存在しないだろうと思うが、砂漠の登場で大陸観が伝わる。ウラジオストックのロシア建築と対比的だが、映像の対比で、1909年当時の歴史的地政学を感じる。
ー欧米にとっても鉄道は植民地支配に欠かせぬツールであったが、日本という島国がランドパワーにのし上がるために、特に鉄道は重要な象徴的軍事的役割を果たした。しかし、この映画では、その鉄道を演出道具のように扱っている。ウラジオストックからハルビン行きの列車の中で、アン・ジュングンが仲間内の裏切り者である密偵を確認しようとするごとに列車が蛇のように左右にうねりまくって、裏切り者の顔がなかなか見えない。このシーンもすごい。
キャスティングも一人一人の役作りも良かった。日清・日露戦争に勝利してしまったことで、日本の歴史的誇大妄想が始まるわけだが、リリー・フランキー演じる伊藤博文にそういう胡散臭さがよくあらわれていた。ヒョンビンは両班の秀才のお坊ちゃまで、敬虔なカソリック教徒の善良さと純粋さを信念を抱く強いまなざしで、アン・ジュングンらしさをよく演じていたと思う。
ウ・ミンホ監督はこの映画において、アン・ジュングンを祖国独立のために命を懸けた”英雄”としてではなく、ハルビンまでの旅程なかでの苦悩、恐怖、孤独を描きたかったとインタビューで述べている。それによって、新たなアン・ジュングン像を描こうとしたのかもしれないが、真実のアン・ジュングンは、死刑直前の彼の最後の言葉からもあきらかなように
祖国独立と同時に東洋平和を願っていていた。(日本人弁護士も彼のために最善を尽くしたと思う。)ならば、彼が伊藤博文を暗殺した際に、ロシア語”カレヤ・ウラ”ではなく、エスペラント語で”カレヤ、フラ!”(韓国、万歳!)と叫んだという説のほうが信憑性がある。ロシアも地政学的理由から、朝鮮半島を完全支配下に置きたかったわけで、それを知る義士のアン・ジュングンがロシア語で叫ぶとは思えない。
日本軍がシナ山の報復として大韓義軍を惨殺したことは史実であっても、首のない死体がゴロゴロ転がるのは不自然だ。刀の刃がボロボロになってしまうようなことを日本兵が習慣として行っていたとは思えない。反日的表現だと決めつけたいわけではないが、リアルさがなくてそう感じた。
また、他国を支配して、その人々の母国語も個人の名前も奪い去ろうとした日本の醜い過去があったわけだが、日本人を演じた韓国の俳優さんたちの韓国語のアクセントについての苦情を聞くたびに、アクセントを正すか正さないかは、個人の意思にゆだねるということでよいのではないかと、考えるようになった。パラノイアの日本陸軍軍人である森少佐を演じたパクフンという韓国の俳優は、最後のほうではアクセントが薄れていた。
韓国の人にとってはあれが日本人で良いのだろうけれど
私には面白いと思えなかったです。
中盤の早い段階でかなり寝てしまって、気がついたら終盤になっていました。
盛り込み過ぎで、観ていて疲れて飽きてしまう。
序盤のアクションシーンが長くて、グロくて、それでいてリアリティーが無かったように思いました。
それから、リリー・フランキー以外の日本人の役は、みんな韓国人の役者さん。
日本人に見えないと感じてしまったし、日本語は言葉を覚えただけで、演技にはなっていませんでした。
韓国の人にとっては、あれが日本人で良いのだろうけれど。
ただただ単調でドラマ無く、重々しさとムードだけ。
祖国への想い、そこからくる同志たちの絆のようなものが、まったく感じ取れるように描かれていないので、ポイントである密偵、裏切りなどの部分の感情を揺さぶるドラマがみえてこない。
一番目立ってくるのが、捕虜となり情けをかけられた日本人将校の屈辱や意地、執念であっては、作品としては方向性を見失っているとしか思えない。
伊藤博文もリリー・フランキーが演じている面白味だけで、他にやり様がなかったのかと思える凡庸な描き方で残念だ。
カレアウア!
あれれれ??
レビュー上がってないなぁ
みんなバンパイア行っちゃったのぉ〜?!
(°▽°)
今週金曜日の新作は「ハルビン」しか勝たん٩( 'ω' )وなワタクシが。。
一番乗りカナ?
いっちゃうよ( ^ω^ )b
って鬼滅見てたら出遅れた(°▽°)
まずですね。。
私は韓国の映画が好きなので、韓国の俳優さんもちょぴっと知っていると思うのですが。。
本作!
誰が誰だかわからんかったです!!(°▽°)
暗いからカナ?お髭だからカナ?
帽子だからカナ?
かろうじてヒョンビンはヒョンビンだったけど、主要メンバーで有名どころのチョ・ウジン、パク・ジョンミン、イ・ドンウクがさ。
こんな顔だったっけ??って戸惑う位、いつものイメージと違ってて驚いた。
テーマがテーマなだけに、デリケートになりますよね。
俳優さん達は、色々思う所がありながらの役作りだったのではないかなと感じました。
そして意外だったのは"安重根/アン・ジュングン"を英雄扱いしていない作品だったこと。
(過去作なら確実に英雄扱い)
(リリーさん起用からも分かるように、
韓日どちらかに偏らない様にと、製作陣の配慮を感じました)
伊藤博文暗殺事件の実行犯として、
彼は韓国では「民族の英雄」
しかし、日本では「暗殺者」
と、いう背景を、今の日韓の関係性の変化も投影されているのかな。
(成長?)
反日作品ではなかったですね。
(まぁ、ちょいちょいジャブ程度のムムム。。はありましたが)
私の知る限り、伊藤博文は実は韓国併合には消極的だった。と、いう認識もあったのですが、作中の彼の台詞でそれを読み取る事は難しいと感じました。
そしてこの事件については僅かな知識しか持ち合わせていませんが、事実と違う部分も多かったなという印象を持ちました。
(特に伊藤殺害は大韓義軍というより、安単独の行動だったと記憶。。
わかんね自信ないデス)
ただ、実際、この伊藤博文暗殺事件については、実は犯人は○○説や、ロシアとの関係など、未だ多くの謎に包まれており、明らかになっていない、正に真実は闇の中なので、、、
あくまでフィクション。
ヒューマンドラマとして、スパイ映画として、そういう認識で見た方が良さそうです。
それにしても毎度毎度、驚き、リスペクト!しちゃうのですが、韓国の映画界はこの様な
アンタッチャブルなテーマにも、どんどん踏み込んで、映画にしてしまいますよね。
そしてそれが大ヒットしてしまう。
更に日本でも公開するんだからね。
日帝時代の大韓義軍の物語。
日本で公開する事に意味を感じます。
海外用ポスターには
「For a better tomorrow」とのメッセージがありました。
多くの犠牲のもとに今があるのだと、歴史を振り返るきっかけになる作品でした。
1番気になっていたパク・ジュンミン♪
皆さんお忘れかと思いますので、、、
私の好きな作品からご紹介♪
思い出してね♪
まずファン・ジョンミン主演
「ただ悪より救いたまえ」ではビックリw
あのお姐さんを演じたのが彼ですよ(^。^)b
そしてアイラブマブリー主演の
「スタートアップ」←これマイナーだから皆んな知らないかw?!
殴られまくりの拗らせ息子をやりましたw
「密輸1970」にも出てましたよ♪
あの胡散臭い弟分でした。
作品ごとに全然違う顔を見せてくれる
パク・ジュンミン。
今後お見知り置きを(^。^)v
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